5. 国家戦略実施のための指針、指標等の整備、国家戦略の実施に関連する各種計画との連携及び地域レベルの取組への支援と連携

国家戦略に基づく各種施策を推進するためには、国家戦略に掲げられた目標や各分野ごとの施策の基本的方向をさらに具体化した指針又は指標の整備が必要となる。
 長期目標で示されている代表的な生物地理区分ごとの多様な生態系及び動植物の保全と持続可能な利用を実現していくためには、まず我が国の国土の生物地理区分を確立するとともに、それぞれの区分ごとに代表的な生態系を特定し、その保全の指針を明らかにしていくことが必要であり、現在、このような観点からの検討作業を進めている。
 また、生息地や生態系の保全に取り組んでいく際には、具体的な地域について生物多様性の評価が求められる。このため、地域における生物多様性の現状に関する評価方法を確立するための研究を進めている。
 国家戦略に基づく生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用の取組を進めていく上では、生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用に関連する国の各種の計画についても、国家戦略の基本的方向と調和したものとなり、これらの計画と国家戦略が相互に連携していくことが重要である。
 このような観点から、全国の国土利用の基本方針を定める国土利用計画、我が国の森林資源の長期的な整備の方向を示す森林資源に関する基本計画、或いは海岸事業5カ年計画等において、生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用の観点の反映を図っている。
 さらに、生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用を進めるためには、地域レベルでの具体的な取組の促進が重要であり、このため、地域レベルでの生物多様性保全計画を推進するガイドラインの策定を進めている。