別紙1
 
参 考
インターネット自然研究所について
 
 
 インターネット自然研究所の目的
 
   我が国の自然環境を守っていくためには、国民の一人一人に自然の豊かさを身近な存在として実感してもらうことが必要であり、そのためには、自然に関する情報を幅広く提供し、国民と共有していくことが重要です。
 このため、環境省では、近年、急速に普及が進むインターネットをはじめ、遠隔操作カメラ、GIS(地理情報システム)、GPS、次世代携帯電話、マルチビジョンなど様々なIT技術を活用することにより、身近で分かりやすい自然情報を国民に幅広く提供していくこととし、平成12年度補正予算(総事業費645百万円)により「インターネット自然研究所」の整備を進めてきましたが、夏休み初日の7月20日より運用(公開)を開始いたしました。
 自然情報の入手の手段としてだけでなく、学校等でのインターネット学習や自然環境学習にも役立つものと期待しています。
 
URL:http://www.sizenken.biodic.go.jp
運用開始日 平成13年7月20日(ただし一部サービスは9月以降)
 
 サービスの内容
   このインターネット自然研究所は、次のような内容から構成されています。
 
  (1) 全国各地の自然ライブ映像の提供 (表1 固定カメラ設置箇所リスト参照)
     全国43カ所に設置する固定カメラにより、尾瀬や屋久島など国立公園の風景やタンチョウやイリオモテヤマネコなど野生動物の様子を最新映像としてインターネットを通じて見ることができます。映像は日中1時間更新で撮影され、過去30日分はその全画像が、過去5年分は1日1画像がデータベースとして蓄積され、利用者は任意の日の画像を検索して見ることができます。
 
(2) 四季のいきもの前線のリアルタイム調査  (表2 調査テーマリスト参照)
 インターネットや携帯電話を用いて、桜の開花や田植えなど身近な自然の前線情報を利用者が投稿することにより、桜前線や田植え前線の動きをリアルタイムに把握できる調査集計システムです。投稿に際しては、画像や音声を添付することができ、これらの投稿データは、GISにより位置情報付きのデータベースとして管理されます。(最初の調査開始は9月1日。紅葉前線、ヒガンバナ前線等がテーマ)
 インターネット上で自然情報を手に入れるだけでなく、この調査への参加を通じて、実際に身近な自然とのふれあいを体験してもらうことを期待しています。
 
(3) マルチビジョンシステムを活用した情報提供
 100インチ大画面の4面マルチビジョンシステムをインターネットに接続し、マルチビジョン専用ホームページを用いて、各地の自然ライブ映像等を迫力ある大画面で見ることができます。もちろん、専用の動画も上映します。第1号のモデルシステムは、鹿児島県屋久町との連携事業により、世界自然遺産・屋久島にある屋久杉自然館に設置しました。
 
(4) モバイルによる自然環境セルフガイドシステムの研究・開発
 利用者が来訪地点の最新の自然情報を得ることができるモバイルによる自然解説セルフガイドシステムの研究・開発を新宿御苑をモデル地区として進めており、次世代携帯電話の高機能通信能力とGPSの位置情報表示機能を組合せて活用することとしています。9月には試験運用を行い、10月からは本格サービスを開始する予定です。
 
(5) 各種の豊富な自然情報コンテンツ群の提供   (表3 サービス一覧参照)
 上記の他にも、レッドデータブックに記載された絶滅のおそれのある野生生物の電子図鑑、屋久島と白神山地の世界自然遺産情報、日本に生息する猛禽類の検索図鑑、各地の国立公園の最新の自然情報・利用案内など環境省ならではの情報を幅広く用意し、提供します。
 
 その他
 インターネット自然研究所のサーバ類は、生物多様性センター(山梨県富士吉田市)に設置し、運営します。
 


表1 固定カメラ設置箇所リスト
知床半島羅臼
厚岸湖・別寒辺牛湿原
鶴居伊藤タンチョウサンクチュアリ
釧路WLC(シマフクロウ)
クッチャロ湖(ハクチョウ)
サロベツ原野
支笏湖と周辺の山々
洞爺湖温泉街から見た有珠山
小湊海岸(ハクチョウ)
発荷峠から見た十和田湖
三陸海岸宮古のウミネコ繁殖地
伊豆沼(ガンカモ類)
羽黒山から見た月山遠望
裏磐梯レンゲ沼と磐梯山
尾瀬沼
奥日光湯の湖
箱根大涌谷
富士山麓の田貫湖
北アルプス立山
南伊豆弓ヶ浜
上高地から見る山々
上高地清水川のイワナ
乗鞍高原からの乗鞍岳
白山ブナオ山
片野鴨池(カモ)
琵琶湖水鳥湿地センター
志摩半島・横山から見た英虞湾
串本海中公園(海中景観)
紀州加太から見た紀淡海峡
竹野海中公園(海中景観)
米子水鳥公園
大山鏡ヶ成から見た烏ヶ山
鷲羽山から見た瀬戸内海
五色台
来島海峡
福岡市動物園(ツシマヤマネコ)
南阿蘇からの阿蘇根子岳
えびの高原から見た霧島連山
出水平野のツル
屋久島の山々
やんばるの照葉樹林
西表島マングローブ
西表WLC(イリオモテヤマネコ)


※下線部:8月末時点で未設置
 このほかにも一部運用休止中のものがあります。


表2 四季のいきもの前線調査 テーマリスト(全10テーマ)
調査テーマ   調査期間   備考
 もみじの紅葉前線  9月〜12月  今回スタート
 ヒガンバナ開花前線  9月〜10月  今回スタート
 虫(マツムシ、クツワムシ)鳴き声前線  9月〜12月  今回スタート
 初雪前線  9月下旬〜3月  
 桜の開花前線  1月〜5月  
 田植え前線  1月〜8月  
 ウグイス初鳴き前線  1月〜5月  
 つつじの開花前線  2月〜7月  
 稲刈り前線  5月〜11月  
 熱帯魚回遊前線  7月〜12月  


表3 インターネット自然研究所サービス一覧
○国立公園・野生生物ライブ映像
全国各地の国立公園の風景や野生生物の姿の最新映像を公開。過去の画像はデータベースとして検索可能。
○四季のいきもの前線調査
生物季節などいきもの前線について国民の参加を得てリアルタイム調査集計を実施。環境学習用関連コンテンツも用意。(調査開始は9月のもみじの紅葉前線等から)
○RDB(希少な野生生物)図鑑
レッドデータブックに掲載されている日本の希少野生生物のうち50種について生態、絶滅の危機の理由等を紹介。
○日本の世界自然遺産
屋久島、白神山地の自然を豊富な画像で紹介
○日本の国立公園
環境省のレンジャーが日々更新する最新の各国立公園の自然情報、利用情報
○渡り鳥生息地ネットワーク
日本国内外の渡り鳥の生息地情報
○全国ガンカモ類渡来情報
専門家により日々更新されるガンカモ類の最新飛来情報を、環境学習用コンテンツとともに、一般の方にも公開。 
○野生鳥獣との共生
狩猟制度・鳥獣保護制度の歴史、野生鳥獣の分布、野生鳥獣統計などの情報。
○猛禽類同定検索図鑑
わが国に生息する各種猛禽類の見分け方や生態などの情報。
○地域情報発信・屋久島の部屋
自然の豊かな地域の人々よる地域の自然や生活に関する情報発信コーナーを屋久島をモデルとして開設し試験運用。
○自然体験プログラム・自然ふれあい施設
各地で行われる自然観察会や自然ふれあい施設に関する情報。
○自然保護事務所からのお知らせ
各地の自然保護事務所スタッフが日々更新する自然保護に関する行政情報(申請届出、イベント案内など)
○新宿御苑セルフガイド
次世代携帯電話の大容量通信機能とGPSの位置情報機能を組み合わせたモバイルによる自然散策セルフガイドシステムの開発・研究(本格サービス開始は10月以降の予定)
○新宿御苑の部屋
新宿御苑のホームページを拡充し、来園者による御苑の自然情報発信コーナーを開設。