中央環境審議会企画政策部会環境教育小委員会
中間取りまとめ骨子



*環境教育・環境学習の推進のため早急に取り組むべき課題を中間報告として
取りまとめ。
1 環境教育・環境学習の重要性

 (1)環境教育・環境学習の位置付け

┌──────────────────────────────────┐
│【環境基本法】                           │
│ 第25条                             │
│  国は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関す│
│ る広報活動の充実により事業者及び国民が環境の保全についての理解を深│
│ めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進され│
│ るようにするため、必要な措置を講ずるものとする。         │
└──────────────────────────────────┘
┌──────────────────────────────────┐
│【環境基本計画】                          │
│  持続可能な生活様式や経済社会システムを実現するためには、各主体が│
│ 環境に関心を持ち、環境に対する人間の責任と役割を理解し、環境保全活│
│ 動に参加する態度及び環境問題解決に資する能力が育成されることが重要│
│ である。                             │
│  このため、幼児から高齢者までのそれぞれの年齢層に対して、学校、地│
│ 域、家庭、職場、野外活動の場等多様な場において互いに連携を図りつつ│
│ 環境保全に関する教育及び主体的な学習を総合的に推進する。     │
└──────────────────────────────────┘


 (2)環境教育・環境学習の今日的な意味
○ 「関心の喚起→理解の深化→参加する態度・問題解決能力の育成」を通じて、
   各主体を「具体的行動」に導き、持続可能な生活様式や経済社会システムの実
   現に寄与するもの。(環境基本計画)

○ 地球温暖化対策を実効あるものとするためには、国民のライフスタイルの見直
  し及びその支援が必要であり、そのための環境教育・環境学習の充実が重要。
  (地球温暖化対策推進大綱)


2 環境教育・環境学習の現状

 (1)我が国の取組

 (2)国際的な動向



3 環境教育・環境学習の今後の推進方策の方向

(1)環境教育・環境学習の課題

┌──────────────────────────────────┐
│【環境基本計画の進捗状況の第3回点検結果】             │
│ ○ 環境教育などについても触れられているものの、ライフスタイルの見│
│  直しという観点からの政策的な方向付けは行われていない。     │
│ ○ ライフスタイルに関連する施策は、環境情報の提供や環境教育の分野│
│  などで個別には実施されているが、施策数は少なく、内容的にも十分な│
│  ものとは言えない。                       │
└──────────────────────────────────┘

 ア 関心の喚起
  環境問題に関する関心の度合いは、テーマ、年齢層によって開きが大きい。幅
  広く環境への関心を喚起するためには、その対象等に応じた手法を取るべきであ
  るが、特に行政においては、各種パンフレット、ポスターの作成・配布、イベン
  トの開催など、一方的な知識の伝達や単発の普及・啓発活動にとどまっている例
  が多い。

 イ 関心から理解へ
  セミナー、シンポジウム、講演会や各種国民参加型の環境調査・観察会など単発

 ウ 理解から参加する態度・問題解決能力の育成へ
  継続的な体験を可能にする機会や場の提供に関する施策は、内容的にも量的にも
  不十分。


(2)今後の推進方策の基本的考え方
 今後の環境教育・環境学習の推進方策は、以下の基本的考え方の下に再構築され
るべき。

 {1} すべての関連施策を「関心の喚起→理解の深化→参加する態度・問題解決
   能力の育成」を通じて「具体的行動」を促すという一連の流れのなかに位置
   付けること。

 {2} 知識・理解を行動に結びつけるために、継続的な実践的体験を環境教育・
   環境学習の中心に位置付けること。

 {3} 継続的な実践的体験を中心に据えた具体的行動を目指す体系的かつ総合的
   な環境教育・環境学習が可能となるような機能的、効果的な仕組みを構築す
   ること。



(3)今後の推進方策の方向
 {1} 環境教育・環境学習に関するプログラム等の体系化
   「関心の喚起→理解の深化→参加する態度・問題解決能力の育成」から「具
   体的行動」に至るまでの段階的かつ体系的な学習機会が、実践活動体験の機
   会も十分に含みながら提供されるよう、学習の主体に応じた目標、プログラ
   ム等の全体的な枠組みを体系化することが必要。

 {2} 人材の育成・確保
   環境教育・環境学習を推進するにはプログラムの企画やコーディネート等が
   できる指導者や地域で環境学習や環境保全活動のリーダーとなり得る人材が
   不可欠。
   地域の専門家、NGO、環境カウンセラー等がそれぞれの専門分野を生かし
   つつ連携して活動できるような仕組みや、体系的な研修を受けられる機会の提
   供を検討すべき。

 {3} 情報提供体制の整備
   環境に関する情報や情報源情報を収集・集積するとともに、それらの提供体
   制を体系的に整備・強化することが必要。
   
 {4} 拠点の整備及び拠点間のネットワークの構築
   国民の身近なところに、環境についての関心を持ち、環境問題を学習したり
   、具体的な実践行動を行うことができる場が提供されることが必要。
   既存の各種施設を有効活用するとともに、これら施設の中核となり、上記{1}
   ・{2}・{3}を一体として効率よく実施するための、環境教育・環境学習拠点の
   整備が必要。
    中核拠点と各地の拠点とのネットワークの構築や、地域の関連諸機関との連
   携方策も検討すべき。

 {5} 国の支援策
   環境教育・環境学習を幅広く推進するために、地方公共団体や民間団体に対す
   る国の支援方策の在り方についても検討すべき。

 {6} 環境教育・環境学習に関する各省庁間の連携強化
   環境庁は文部省と緊密な連携を図るとともに、関連省庁との連携強化のため積
   極的な働き掛けを行うことが必要。

 {7} 国際協力の推進
   地球的視野に立った環境教育・環境学習を推進するために、国際的な交流・協
   力を一層推進していくことが必要。

 ○ 以上の方策の中でも、特に地球温暖化対策推進大綱に盛られている施策につい
  ては、緊急に取組を強化すべき。

 ○ 今後、当小委員会では、さらに環境教育・環境学習の推進方策について詳細に
   検討していくこととする。