(別紙2)
 
「国内制度小委員会中間取りまとめ」に対するパブリックコメントについて
 
 
 【パブリックコメントの趣旨】
 
 中央環境審議会地球環境部会国内制度小委員会では、2002年までの京都議定書の発効に向けて、本年3月から今後の地球温暖化対策の国内制度について検討して参りました。
 この度、これまでの検討の成果を「中央環境審議会国内制度小委員会中間取りまとめ(以下「中間取りまとめ」という。)」として公表し、国民の皆様の御意見を広く伺った上で、さらなる検討を進めていきたいと考えております。
 忌憚のない御意見をお寄せ頂ければ幸いです。
 
 
 【「中間取りまとめ」に関する御意見】
 
 パブリックコメントにおいては、「中間取りまとめ」について、全般的な御意見を伺います。また、御意見をいただきやすいように、質問項目を設けています。なお、全ての項目について御意見を述べていただく必要はありません。
 
I 中間取りまとめ全般に関する御意見
 
 1.  「中間取りまとめ」全体について御意見をお聞かせください。
 
 2.   国内制度小委員会では、引き続き今後の地球温暖化対策の国内制度の在り方について議論を進めていきます。今後の検討の進め方や審議のポイントについて、御意見をお聞かせください。
 
 
II 質問事項
 
第1章 地球温暖化に関する基本的認識
 
 【地球温暖化問題について】(4~9ページ)
 3.  地球温暖化問題は世界的な課題になっており、科学の分野をはじめとして、政治、経済などあらゆる分野においてこの問題に対する国際的な努力が始められています。国際的な取組の現状等について、御意見をお聞かせください。
 
第2章 現行施策の評価と課題
 
 【地球温暖化対策大綱に基づく取組について】(10~13ページ)
 4.  我が国では、1998年以来、「地球温暖化対策推進大綱(以下「大綱」という。)」に沿ってこれまで産業、運輸、民生などの部門で温室効果ガスの排出削減のための取組を行ってきました。大綱では、国内対策による温室効果ガスの排出について、その削減目標を対基準年比0.5%減少させることとしています。この目標に対して、我が国の温室効果ガス総排出量は、基準年比で1998年度は4.4%、1999年度は6.8%の増加となっています。現在の我が国における地球温暖化防止のための取組について、どのように評価しますか?
*注1  基準年:1990年(HFC、PFC、SF6については、1995年としてもよい)
*注2  温室効果ガス排出量は、中間取りまとめでは1998年度の数値を用いていますが、その後、1999年度の数値が平成13年7月10日に開催された地球環境保全に関する関係閣僚会議及び地球温暖化対策推進本部に報告されましたので、質問にはこれらを併記しています。
 
 【エネルギー転換部門のエネルギー起源のCO2の排出削減策について】(15~17ページ)
 5.  エネルギー転換部門では、2010年度のCO2排出量を対基準年比5%増に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度は5.9%、1999年度は11.7%の増加となっています。エネルギー転換部門の現行のCO2排出削減策についてどのように評価しますか?
 
 【産業部門のエネルギー起源のCO2の排出削減策について】(18~21ページ)
 6.  産業部門では、2010年度のCO2排出量を対基準年比7%減に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度は3.2%の減少、1999年度は0.8%の増加となっています。産業部門の現行の温室効果ガス排出削減策についてどのように評価しますか?
 
 7.  経団連環境自主行動計画のうち、産業部門の自主行動計画の参加業界については、1999年度のCO2総排出量は対基準年比約0.1%減少し、経団連自身の説明では、電力排出原単位の改善分で-2.2%、業界自主努力分で-2.1%、経済成長等の要因で+4.2%とされています。一方で、産業部門の製造業の鉱工業生産指数(IIP)当たりのCO2排出原単位は近年増大しており、業界自主努力の寄与については異なる評価もあります。こうした点を踏まえ、経団連環境自主行動計画に基づく取組について、どのように評価しますか?
 
 【民生部門のエネルギー起源のCO2の排出削減策について】(22ページ)
 8.  民生部門では、2010年度のCO2排出量を対基準年比±0%に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度は12.6%、1999年度は17.4%の増加となっています。民生部門の現行の温室効果ガス排出削減策について、どのように評価しますか?
 
 【運輸部門のエネルギー起源のCO2の排出削減策について】(23ページ)
 9.  運輸部門では、2010年度のCO2排出量を対基準年比17%増に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度で21.1%、1999年度で23.0%の増加となっています。運輸部門の現行の温室効果ガス排出削減策について、どのように評価しますか?
 
 【非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素の排出削減策について】(24~26ページ)
 10.  非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素は、2010年度の排出量を対基準年比4%減に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度は3.7%の増加、1999年度は2.6%の減少となっています。非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素の現行の排出削減策について、どのように評価しますか?
 
 【HFC等3ガスの排出削減策について】(27~28ページ)
 11.  HFC等3ガスは、2010年度の排出量を対基準年比48%増に抑えることが大綱の目標ですが、基準年同部門比で1998年度は9.8%、1999年度は19.1%の減少となっています。HFC等3ガスの現行の排出削減策について、どのように評価しますか?
 
 
第3章 今後の地球温暖化対策の在り方について
 
 【地球温暖化対策の計画的推進について】(37ページ)
 
 12.  中間取りまとめでは、地球温暖化対策は、社会的、経済的な影響を最小限に緩和するために、京都議定書の約束期間(2008年~2012年)よりもできるだけ早い時期から、実質的な削減策を計画的に実施することが望ましいとしています。こうした考え方についての御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【各主体の排出量の自主管理のための制度について】(38ページ)
 13.  中間取りまとめでは、各主体の排出量の自主管理のための制度として、事業者に対しては事業活動に伴う温室効果ガス排出量を把握し公表する制度、各家庭については自らの温室効果ガス排出量を把握できるようにするため、家庭における電気、ガス、水道の利用に伴う温室効果ガス排出量の通知制度(公共料金の請求時)の導入を挙げています。また、家庭における経済的な対策のための「温暖化対策診断」の実施を挙げています。こうした排出量自主管理の必要性、その方法等について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【産業、民生、運輸等の部門横断的な排出削減のための制度について】(39~43ページ)
 14.  中間取りまとめでは、産業、民生、運輸等の部門横断的な排出削減のための制度として、協定制度、実行計画制度、国内排出量取引制度、温室効果ガス税/課徴金等を挙げて、それらの組み合わせを提示しています。例えば、国内排出量取引制度について、協定制度の目標達成手段の一つとして位置付けることや、国内排出量取引制度に事業者が参加しやすいよう、温室効果ガス税/課徴金等の税制上の措置等の優遇措置を付与することを挙げています。これらの個々の手法やその組み合わせに関して、その必要性や有効性について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 (42~43ページ)
 15.  温室効果ガス税/課徴金について、課税対象、課税段階、税率、使途、還付、既存税制との調整等に関して、どのような仕組みとしたら温室効果ガスの削減に有効か、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【電力等の排出原単位改善の手法について】(44~45ページ)
 16.  中間取りまとめでは、電力等の排出原単位改善の手法として、供給サイドの対策として原子力発電の導入・稼働率の向上、石炭から天然ガス等への燃料転換、発電効率の向上、新エネルギーの導入、需要サイドの対策として、分散型エネルギーの活用等を挙げています。これらの手法に関して、その必要性や有効性について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【交通体系のグリーン化の手法について】(45~46ページ)
 17.  中間取りまとめでは、交通体系のグリーン化の手法として、低燃費車・低公害車・次世代低公害車等の開発、自動車交通が輻輳する大都市圏における旅客輸送の自動車から鉄道系機関へのシフト、船舶・鉄道へのモーダルシフト、都市地域での自動車の渋滞による温室効果ガスの排出増への対応、環境教育等を挙げています。これらを含め、交通関係の対策には数多くの手法があると考えられますが、どのような手法が有効か、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【ライフスタイルの脱温暖化の手法について】(46~47ページ)
 18.  中間取りまとめでは、ライフスタイルの脱温暖化の手法として、省エネルギー型の民生用機器・住宅・建築物の普及、電気製品・住宅等のライフサイクルアセスメントの結果の報告検証、サマータイムの導入等の対策を挙げています。これらを含め、ライフスタイルの脱温暖化のためには数多くの手法があると考えられますが、どのような手法が有効か、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素、HFC等の規制的手法について】(49ページ)
 19.  中間取りまとめでは、非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素について、様々な対策手法を挙げ、この分野については、エネルギー起源のCO2対策の手法とは異なり、規制的手法になじむとしています。これらの手法について御意見、御提案をお聞かせください。
 
 (49~50ページ)
 20.  中間取りまとめでは、HFC等3ガスについて、もともと自然界には存在しない人工的に合成された化学物質であることから、「特定家庭用機器再商品化法」(家電リサイクル法)、「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(フロン回収破壊法)を含め、回収・破壊等の規制的手法等を順次講じていくことが適当であるとしています。回収・破壊、代替物質への転換等の手法について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【脱温暖化社会の構築に向けた都市・地域基盤整備のための手法について】(49ページ)
 21.  中間取りまとめでは、脱温暖化社会の構築に向けた都市・地域基盤整備のための手法について、都市で発生する廃熱を活用するための熱導管や新交通システムの整備等の対策を挙げています。こうした都市再生、循環型社会づくり等の中での構造改革をどう進めていくべきか、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【吸収源について】(53ページ)
 22.   中間取りまとめでは、吸収源の整備に際して、我が国における吸収量の算定のための統計・情報制度の整備・構築や、自然環境保全法、森林・林業基本法、森林法、都市緑地保全法等の関係法律に基づく森林等の保護・整備等を挙げています。これらの手法について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【京都メカニズムについて】(54~58ページ)
 23.  中間とりまとめでは、京都メカニズムの活用に際して整備しておくべき事項として、レジストリー(登録簿)、国際排出量取引と国内制度との連携、共同実施の事業審査、CDMの事業認定を挙げています。京都メカニズムの実施に関して、これらの他に国内で整備しておくべき事項について、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【フォローアップ及び対策見直しについて】(59~60ページ)
 24.  国及び地方公共団体、事業者・家庭による、計画や対策の進捗状況のフォローアップ及びフォローアップ結果を踏まえた対策の見直しのための仕組みに関して、御意見、御提案をお聞かせください。
 
 【脱温暖化社会へ向けての国民的コンセンサスについて】(61~62ページ)
 25.  中間取りまとめでは、今後、京都議定書の目標を達成するための具体的な国内制度の在り方を議論するに当たっては、京都議定書の約束期間までの6%削減目標を確実に達成するためにどのような制度が必要かという観点に加えて、我が国がどのような社会・経済構造を指向するのかについても十分な議論を行い、今後の20年、30年、さらに長期にわたる地球温暖化対策の方向性を見通した上で、その方向性に沿った形で具体的な国内制度の在り方についてさらに検討を進めていくことが適当であるとしています。地球温暖化対策の実施を念頭におき、21世紀の日本は、どのような社会・経済構造を指向すべきかについて、御意見、御提案をお聞かせください。