参考1
 
ジェノヴァ・サミット・G8コミュニケ(環境部分)(仮訳)
 

環境
 
 
23.  我々は、地球がさらされている脅威に対するグローバルな解決策を見出すとの決意を確認する。我々は、気候変動がグローバルな解決策を必要とする喫緊の課題であることを認識する。我々は、強いリーダーシップを発揮することにコミットする。大気圏中の温室効果ガスの集積を安定化させるとの国連気候変動枠組条約の究極の目的と整合的な、迅速かつ効果的で、持続可能な行動が必要である。我々は、市場及び技術の力を利用しつつ、様々な柔軟な手段を通じてこの条約の下での国家としてのコミットメント及び義務を果たすことを決意する。この文脈で、我々は、気候に関連する科学及び研究における協力を強 化することの重要性に同意する。我々は、技術移転及びキャパシティ・ビルディングにおける我々G8各国と開発途上国との間の協力を促進する。
 
24.  我々は、温室効果ガスの排出を削減する必要性について完全に合意している。京都議定書及びその批准に関しては、現時点では意見の不一致があるが、我々は、我々の共通の目標を達成するため、集中的に協力していくことにコミットする。このため、我々は、ボンにおいて再開された第6回締約国会議(COP6)に建設的に参加しているが、全ての関連するフォーラムにおいても引き続き同様の姿勢で臨む。我々は、最近のG8各国間及びその他の国々との間で議論が深化していることを歓迎する。
 
25.  我々は、我々の努力が、環境を保護するとともに、現在及び将来の世代のための持続可能な開発という我々が共有する目的と両立する経済成長を確保するとの結果に最終的に帰結しなければならないことを再確認する。
 
26.  我々は、政府、ビジネス界及び科学者、並びに市民社会の代表の参加を得て、気候変動に関する世界会議を2003年に開催するとのロシアの提案を歓迎する。
 
27.  我々は持続可能な開発、エネルギー供給の多様化及び環境の保全のため再生可能エネルギーの重要性を認識する。我々は、再生可能エネルギー源が我々の自国の計画において十分に考慮されることを確保するとともに、他の国々も同様の行動をとることを奨励する。我々は、世界中で、再生可能エネルギー技術に関する継続的な研究及び投資が行われることを奨励する。再生可能エネルギーは、貧困削減に寄与し得る。我々は、開発途上国が、再生可能エネルギー及びその他のクリーン・テクノロジーに対する民間セクターからの投資を呼び込むことができるようにするための、制度面での能力及び市場指向的な国家戦略を強化することを助ける。我々はMDB及び各国の開発援助機関に対し、革新的なアプローチを採用し、再生可能エネルギーのための市場原理に基づいた融資メカニズムを開発するよう要請する。我々は、地球環境基金(GEF)が引き続き、地球規模の環境保護を支持するとともに、開発途上地域における効率的なエネルギー利用及び再生可能エネルギー資源の開発を推進する良き慣行を醸成するよう強く求め、また、第三次増資のための十分な資金コミットメントの必要性を強調する。我々は、沖縄において設立された再生可能エネルギー・タスクフォースの活動に参加したすべての人々に感謝する。G8のエネルギー担当大臣は、これら及びその他のエネルギー関連の問題について議論するため、来年、会合を開催する。
 
28.  我々は、2002年にヨハネスブルグにおいて開催される「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」をリオ・プロセスの重要な里程標として期待している。持続可能な開発の3つの次元 -経済成長の推進、人間及び社会の発展の促進、環境の保護- は、我々の協調的な行動を必要とする相互に依存している目的である。我々は、開発途上国とのパートナーシップの下、行動指向的な結果につながる前向きかつ実質的な議題について、市民社会の参加を得て準備プロセスを進めていくよう努めていく。我々は、最近の「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs)」の採択を歓迎し、その早期の発効を強く促す。
 
29.  我々は、我々の輸出信用機関(ECAs)が高い環境上の水準を遵守するよう確保することにコミットする。したがって、我々は、沖縄において、関連するMDBの経験を踏まえ、ECAsのための共通の環境上の指針を作成することに合意した。昨年からの進展を踏まえ、我々は、OECD において、年末までに沖縄のマンデートを履行する勧告につき合意に達することにコミットする。