政策評価委員会における意見(要旨)
(全体評価について助言を得るため6月25日に開催した政策評価委員会における意見の要旨をまとめたもの)
1.全体評価の方法について
・政策評価委員会での検討にはもっと時間をかけるべき。
・全体評価を通して政策の企画立案過程に国民の参加を得ていこうという流れは良い傾向。国民の環境保全意識を育み、行政との信頼関係を作る上でも、全体評価の手続において将来のビジョンを示し、それへのプロセスが明確に伝わることが必要。
2.政策の目標・今後の方向について
・定量的でない目標は評価が困難であり、政策の目標はできるだけ数値化・定量化するべき。
・環境を数量的につかむ努力と、目標の数量化の両方が重要
・目標を作る際には、長期目標と短期的目標のように段階的に目標を提示した方がよい。
・包括的な目標だけでなく、その部分を切り出して詳細化することも必要。
・14年度だけでなく、5年間程度の期間を見通した上で14年度はこれを実施するという形で書けないか。
(※ 環境省の考え方)
「全体評価」は、環境省全体の政策の方針という大きな方向性に関する評価であり、具体的数量的な政策目標にはあえて触れていませんが、今後行う事業ごとの「事業評価」、施策ごとの「実績評価」においては、できるだけ定量的な目標等を設定し、評価を行うこととしています。その際、必要に応じて段階的な目標設定や、これに対する評価を行う予定です。
3.全般的な事項について
・他省庁と関係する分野については共同・協力事業を積極的に行うべき。他省庁との連携や政策調整についても、評価・記述してはどうか。
・環境構造改革のビジョンに向けて、産業界や市民、地方公共団体などの国民的合意形成することを記述してはどうか。
・国民一人ひとりのライフスタイルの変革について記述してはどうか。
・環境と経済は密接な関係がある。より良い環境を創出する観点から、環境と経済との調和について記述してはどうか。
・環境問題のグローバルな側面を持っていることから、各国との協調、技術等での積極的な貢献が必要との認識を示してはどうか。
・環境省の人員が少ないのは問題。その点も記述してはどうか。
4.個別の事項について
・戦略的環境影響評価(SEA)は必ず実現してほしい。
・企業行動を環境配慮型に変えるには、投資家を動かすことが重要。そのためには企業の環境面からの格付が行われる必要がある。環境会計について現在環境省のガイドラインがあるが、さらに、客観的評価基準を確立するようにしてほしい。
・例えば、エコファンドに資金が集まるような誘導施策がほしい。
・消費者・国民の意識は変わってきているが、良好な環境の保全・持続のため、国民生活のどこに痛みを感じないといけないかを理解してもらう必要がある。
・消費者が環境配慮商品を積極的に購入するようになることが必要。そのため、現在の生活スタイルを変えないとどうなるか、どんな暮らしをする社会が望ましいかを示してほしい。
・市民一人ひとりの環境への取組を推進する必要性に言及し、環境教育・学習の推進につなげてはどうか。
・地球環境保全対策については国内向けの対策をきちんと行い、国際的にも日本の努力が眼に見えるようにしてほしい。
・循環政策の推進に当たっては、国民一人ひとりが排出者として自覚をもって取り組むことが必要であることに言及してはどうか。
・総合的環境管理の中には従来型の問題が多数含まれている。規制項目を増やしていくということだけでなく全体的に政策体系を見直すべきではないか。環境基準を中心に見直しを行ってほしい。
・閉鎖性海域などで問題が生じている。水環境保全対策についても全体的にもう一度見直すべき。
・日本の法律の基準は人を守るためのもの。生き物を守るための目標をきちんと数量化することが必要。また、湿地や浅瀬について、保全のための法制度等を作るべき。
・環境技術について、近年、環境技術への取組が弱くなっているように思える。
・技術に関する目標が漠然としている。ニーズの所在等を含め具体的に書き込んでほしい。
(※ 環境省の考え方)
3、4の意見のうち、具体的な指摘・提言にわたる部分については、全体評価の後、個別施策の企画立案に際して参考とさせていただくこととしています。