(別紙)
残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約外交会議
(概要)
 
平成13年5月23日
日本政府代表団
 
概 要
 
残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約外交会議は、ストックホルム(スウェーデン)において、5月22日及び23日(21日は準備会合)の両日開催され、22日午後にコンセンサスにて条約を採択した。また、23日には署名式が開催された。会議には127ヶ国から約480名の政府関係者の他、国際機関の代表、NGO等が参加した。また、条約の署名は、92ヶ国(ECを含む)が行った。
環境中での残留性が高いPCB、DDT等の有害化学物質については、地球規模の環境汚染が報告されており、国際的な枠組みでの対策が求められていた。本条約は、当面12種類の化学物質を対象に製造・使用の禁止、排出の削減等により地球環境汚染を防止することを目指すものであり、50ヶ国の批准等により発効する。
 
 
条約の概要
 
1. 目的
 リオ宣言第15原則に掲げられた予防的アプローチに留意し、残留性有機汚染物質に対して、人の健康の保護及び環境の保全を図る。
 
2. 対策手法
[1] 製造、使用の原則禁止(PCB、クロルデン等9物質。PCB含有機器の継続使用等、一部の例外は認める)
[2] 製造、使用の制限(DDT・マラリア対策用のみ認める)
[3] 非意図的生成物質(ダイオキシン等4物質)の排出の削減
[4] POPsを含む廃棄物・ストックパイルの適正処理等について各国が実施計画を策定して実施することを定めている。
(当初12物質(参考参照)が対象。その後適宜追加。)
 
3.  その他の措置
Popsの製造、使用の廃絶や排出の削減、代替物質に関する、締約国間の情報交換の実施
Popsに関する情報の公開、教育等の実施、PRTR等による排出量・処理量の把握・公表等
POPsによる影響の評価・排出抑制技術等の調査研究、モニタリングの推進等
途上国に対する技術・資金援助の実施
 
 
(参考)
 1. POPs(PersistentOrganicPollutants:残留性有機汚染物質)とは
[1] 環境中で分解しにくい(難分解性)
[2] 食物連鎖などで生物の体内に濃縮しやすい(高蓄積性)
[3] 長距離を移動して、極地などに蓄積しやすい(長距離移動性)
[4] 人の健康や生態系に対し有害性がある(毒性)
 のような性質を持つ化学物質であり、地球的規模での汚染(イヌイットの人々、アザラシ、クジラ等への蓄積)が報告されていることから、国際的な枠組みでの対策が必要。
 
2. 条約の対象物質:12種類
 アルドリン(殺虫剤)、ディルドリン(殺虫剤)、エンドリン(殺虫剤)、クロルデン(殺虫剤)、ヘプタクロル(殺虫剤)、トキサフェン(殺虫剤)、マイレックス(防火剤)、ヘキサクロロベンゼン(殺虫剤)、PCB(絶縁油、熱媒体等)、DDT(殺虫剤)、ダイオキシン類、フラン類
(了)