■総合環境政策局■

環境技術開発等推進事業[実用化研究開発課題]実施要綱


平成13年5月16日
環境省総合環境政策局
 
 
 環境技術開発等推進費[実用化研究開発課題](以下「実用化推進費」)という。)の適正かつ円滑な運用を図るため、本事業の実施要綱を次のとおり定める。
 
 
1. 事業の目的
 
 持続可能な21世紀社会を実現するため、環境技術の開発・普及は極めて重要な政策手段の一つであり、その推進が求められている。
 このため、公募方式により広く産学官の英知を活用した環境技術(環境保全対策技術、環境修復技術等)の研究・開発・実証課題の提案を募り、比較的短期間にある程度の実用化が見込まれるものに対して助成を行うことにより、環境技術の開発・普及の促進を図るものである。
 
 
2. 制度の内容
(1) 公募する対象技術
 公募する対象技術は、地球環境問題や大気・水環境等への負荷低減のために対応が急がれる環境技術の研究、開発又は実証(以下「研究開発」という。)であって、研究開発の終了後比較的短期間にある程度の実用化が見込める段階にあるものとし、実用化段階に遠い基礎研究などは対象外とする。
 なお、対象とする技術分野は、有識者で構成する推進会議(仮称)を環境省内に 設置し、推進会議の意見に基づき年度ごとに定める。
 
(2) 公募する対象機関等
 公募する対象機関等は、日本国内に居住する研究開発に携わる研究者個人、又は次に掲げる機関とする。
[1] 国の機関(国立大学を除く)
[2] 地方公共団体
[3] 学校教育法に基づく大学(国立大学を除く)
[4] 民間企業(日本の法人格を有すること)
[5] 独立行政法人通則法に基づき設立された独立行政法人
[6] 民法第34条の規定に基づき設立された公益法人
(3) 研究開発の推進体制
 研究開発を効果的に推進するため、対象機関等は単独で研究開発を実施することはもとより、他の機関と連携を図り、研究開発を共同で実施することを促進するよう努めることとする。また、研究開発の一部を他に委託することを妨げない。
 
(4) 研究開発の期間
 研究開発の期間は、原則として2年以内とする。
 ただし、研究開発の発展可能性、進捗状況から見て期間の延長が必要と認められるものについては、審査の上、更に1年間延長することができる。
 
(5) 公募方法
 実用化推進費を活用した研究開発は、別に定める募集要領により公募する。
 
(6) 研究開発の代表者等
 応募しようとする機関は、研究開発の運営を統括する者を「研究開発代表者」として選任しなければならない。併せて、経理責任者を指名しなければならない。
 応募しようとする研究者個人は、本人が研究開発代表者を務めるものとし、別に適任者として経理責任者を指名しなければならない。
 
3. 実用化推進費の運用方法
 
(1) 研究開発課題の選定
 環境省は、推進会議の意見に基づき定めた技術分野に沿って応募のあった研究開発課題について、推進会議での審議を踏まえた上で、課題の選定等必要な調整を行う。
 
(2) 助成の方法
 採択された研究開発課題の提案者に対しては、環境技術開発等推進費の予算の範囲内で研究開発に必要な経費を助成する。助成の額は、年間1課題当たり2千万円を下限、1億円を上限とし、年度ごとに当該年度分のみを決定する。
 なお、必要経費は、採択された研究開発課題の提案者が国の機関(国立大学を除く)の場合は所管府省に移し替え、独立行政法人の場合は所管府省に移し替えの上、所管府省が委託し、これ以外の場合は、別に定める環境技術開発等推進費補助金交付要綱(以下「補助要綱」という。)に基づき補助金を交付する。
 
(3) 助成の手続
 環境省は、採択された研究開発課題について財務省との協議が終了した後、提案者が国の機関又は独立行政法人の場合は移し替え手続を行う旨、これ以外の場合は 補助要綱に基づき補助金の交付申請をすべき旨通知する。
 
(4) 助成の期間
 助成の期間は、原則として2年以内とする。
 ただし、次年度の助成については、研究開発代表者の報告に基づき毎年度推進会議において評価を行い、研究開発の継続が望ましいと認められる場合に限って、次年度分の助成を決定する。
 また、研究開発の発展可能性等から研究開発の期間の延長が認められた場合は、更に1年間延長することができる。
 
(5) 助成経費の範囲
 助成する経費は、研究開発の計画遂行に必要な経費及び研究成果の取りまとめに必要な経費で、その主なものは次のとおりとする。 
I 直接経費(研究開発に直接的に必要な経費)
 備品費、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、光熱水費、借料及び損料、会議費、賃金、雑役務費、旅費、謝金、委託費、その他
II 間接経費(研究開発の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経費)
 管理部門の事務の必要経費、研究開発部門で共通的に使用される物品等に係る経費、研究開発部門の施設等の整備、維持及び運営経費などが対象となり、直接経費の30%に当たる額。
 なお、本事業は、当該研究開発を遂行する上で必要な一定の組織体制、施設及び設備等の基盤的研究開発条件が最低限確保されている機関等又はこれらの機関等に所属する研究者を対象としていることから、次の経費は対象としない。
[1] 施設等の建設に関する経費
[2] 雇用関係が生ずるような月極めの給与、退職金、ボーナスその他各種手当
[3] 研究開発等の実施中に発生した事故又は災害の処理のための経費
[4] その他、本事業による研究開発の遂行に関連性のない経費
 
(6) 研究開発代表者の責務
[1]  研究開発の遂行に当たっては、関係法令の定めを遵守するとともに、本事業の目的に従って助成対象となる研究開発を誠実に行うこと。
[2]  研究開発期間中の毎年度、研究開発の進捗状況等の報告書を作成し、環境省に提出すること。また、研究開発終了時においては、研究開発成果報告書を作成し、環境省に提出すること。
[3]  本事業の実施に関して、環境省が事業の進捗状況等の報告を求めた場合は、これに応じること。
[4]  研究開発成果の学会誌への掲載、学術図書の印刷等を行う場合は、開発推進費による研究開発成果(又はその一部)である旨を明記するとともに、掲載・印刷後、当該印刷物(抜き刷りでも可)を研究開発実施年度、課題名を記した文書に添えて、環境省へ速やかに送付すること。また、これら以外にも研究開発成果について何らかの公表を行う場合には、事前に環境省へその概要を報告すること。
 
(7) 助成の取り消し及び助成金の返還
 本事業による開発事業に関して、応募内容に虚偽があった場合に、助成を取り消し、又は助成金の返還を含む措置をとる場合がある。
 
(8) 研究開発の評価
 推進会議は、研究開発期間中の毎年度、研究開発の推進方法等の妥当性について評価を行うとともに、研究開発終了時においても成果の評価を行う。
 なお、評価の実施方法については、別途定める。