「環境報告書ガイドライン(2000年度版)」の概要

序章.ガイドラインの発行に当たって
 
(1) 背景
環境報告書の作成・公表を通じた利害関係者との環境コミュニケーションの促進は、事業者の環境保全に向けた取組の自主的改善に資すると考えられる。
 
(2) ガイドラインの目的
環境報告書を作成しようとする事業者のための手引き
読み手が環境報告書を評価するための手引き
 
(3) ガイドラインの主たる対象
・・・大規模事業者(上場企業及び500人程度以上の非上場企業)
 
(4) 創意工夫の勧め
環境報告書は、記載すべきと考えられる項目等がある一方で、各社の特色が出たものであることも重要。
 
第1章.環境報告書をなぜ作るのか
 
(1) 環境報告書作成・公表の必要性とメリット
事業者が社会に開いた窓
社会的な説明責任
事業者自身の環境保全活動推進のツール
環境保全型社会の構築のためのツール
 
(2) 環境報告書の受け手・利害関係者
消費者、生活者
株主、金融機関、投資家
取引先
学識経験者、環境NGO等
地域住民
行政
 
第2章.環境報告書のあり方について
 
(1) 環境報告書の基本的要件・・・・対象組織、対象期間及び対象分野の明確化
 
(2) 報告に当たっての原則・・・・適合性、信頼性、理解容易性、比較可能性、検証可能性、適時性
 
(3) 環境報告書の信頼性の確保に向けての仕組み
双方向のコミュニケーション手段の確保
中立的なガイドラインに則った作成
厳格な内部管理の実施とその公表
第三者レビュー
 
第3章.環境報告書に何を記載するか
 
 環境報告書に必要と考えられる項目は以下の18項目である。
 
1. 基本的項目
 事業者と社会との環境コミュニケーションのツールとしての基礎的内容。   
[1] 経営責任者緒言
[2] 報告に当たっての基本的要件(対象組織・期間・分野、作成部署・連絡先)
[3] 事業概要等
 
2. 環境保全に関する方針、目標及び実績等の総括                    
[4] 環境保全に関する経営方針
[5] 環境保全に関する目標、計画及び実績等の総括
[6] 環境会計情報の総括
 
3. 環境マネジメントに関する状況
環境負荷低減に向けた経営取組(環境マネジメント)についての内容。         
[7] 環境マネジメントシステムの状況
[8] 環境保全技術、環境適合設計(DfE)等の研究開発の状況
[9] 環境情報開示、環境コミュニケーションの状況
[10] 環境に関する規制遵守の状況
[11] 環境に関する社会貢献活動の状況
 
4. 環境負荷の低減に向けた取組の状況
事業活動に伴う環境負荷の状況及びその低減に向けた具体的な取組内容。    
[12] 環境負荷の全体像(事業活動のライフサイクル全体の把握・評価)
[13] 事業活動へのインプットに係る環境負荷の状況及びその低減対策
[14] 上流(製品・サービス等の購入)での環境負荷の状況及びその低減対策
[15] 事業活動からのアウトプットに係る環境負荷の状況及びその低減対策
[16] 下流(製品・サービス等の提供)での環境負荷の状況及びその低減対策
[17] 輸送に係る環境負荷の状況及びその低減対策
[18] ストック汚染、土地利用、その他の環境リスク等に係る環境負荷の状況及びその低減対策
 
  それぞれの項目の細目として、さらに、「重要な記載内容」65事項、「業態により重要となる記載内容」35事項、「可能であれば記載することが望ましい内容」
 27事項、計127事項を掲げている。
 
 なお、「3.環境マネジメントに関する状況」及び「4.環境負荷の低減に向けた取組の状況」については、本ガイドラインと同時に公表した『事業者の環境パフォー マンス指標(2000年度版)』を基に作成している。