平成10年9月

中央環境審議会企画政策部会
環境事業団事業小委員会
今後の環境事業団事業のあり方について(中間報告)
目 次

はじめに

1.環境事業団がこれまで果たしてきた役割

2.環境事業団の今日的課題と役割
(1)経済的助成措置の推進
(2)環境問題の今日的課題と環境事業団事業
(3)国民的取組の促進と環境対策の総合的実施

3.環境事業団の業務展開
(1)環境事業団の事業検討の基本的考え方
(2)緊急的に取り組むべき新規の課題
  {1} 廃棄物・リサイクル対策
  {2} 地球環境対策
  {3} 有害物質対策
(3)今後の検討課題
  {1} 廃棄物・リサイクル対策
  {2} 地球環境対策
  {3} 有害物質対策
  {4} 研究開発の推進
(4)従来業務の取扱い
(5)環境行政、環境政策の基盤整備
(6)環境事業団の運営のあり方
(7)融資業務

結語

【参考1】環境事業団事業小委員会における審議経過
【参考2】中央環境審議会企画政策部会環境事業団事業小委員会委員名簿
【参考3】今後の環境事業団事業のあり方について(諮問)

はじめに

 環境事業団は、これまで環境問題の変化に対応して常に事業の見直しを行ってきたが、今日の環境問題は、さらに空間的かつ時間的広がりを示し、かつ経済社会システムのあり方に根ざした問題として認識されている。このような状 況の下で、今日の環境問題に適切に対処するとともに、国民の環境に関するニーズに的確に対応していくため、環境事業団のあり方について検討を行うこととする。

1.環境事業団がこれまで果たしてきた役割

 環境事業団は、昭和40年に産業公害を防止・改善するため、公害防止事業団として設立された。
 その後、創設当時の産業公害の防止・改善という目的に加え、都市・生活型公害の防止や自然環境の保全と適切な利用、さらには、地球環境の保全という時代の要請に応え、昭和62年、平成4年、平成5年と3回にわたりその業務 の見直しが行われるとともに、平成4年には名称も公害防止事業団から環境事業団へと変更された。
 今日、環境事業団は、財政投融資資金を活用して公害防止や自然環境の保全、廃棄物対策の推進のための建設譲渡事業や融資事業を行うとともに、地球環境基金を通じて内外の民間団体の環境保全活動を支援する事業等を行っており 、我が国の環境行政の推進に不可欠の機関となっている。

2.環境事業団の今日的課題と役割

(1)経済的助成措置の推進
 平成5年に制定された環境基本法は、第22条第1項で環境保全上の支障を防止するための経済的な助成措置を規定し、国は、事業者が「環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより 環境の保全上の支障を防止するため、必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努める」としている。 環境事業団の実施している建設譲渡事業や融資事業は、経済的な助成措置に 該当するものであり、国が行う規制措置やその他の措置とともに、環境対策を進めるための重要な手段となっている。

(2)環境問題の今日的課題と環境事業団事業

 現在、地球環境問題、化学物質による環境汚染、廃棄物による環境負荷等、未解決の環境問題が山積している状況である。こうした状況は、20世紀における大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会の限界を示すものと言えよう。
 このような環境問題の今日的な課題に対応するためには、持続的発展が可能な経済社会への転換を図っていく必要がある。
 処理施設の立地が進まず、量と質の両面から環境負荷の増大が深刻な社会問題となっている廃棄物問題については、生産から廃棄に至るまでの環境保全上健全な物質循環を実現するとともに処理施設整備による適正処理を確保し、社 会全体として効率的に環境負荷を低減させることが重要である。
 また、ダイオキシン等の有害物質や内分泌攪乱作用を有する物質による環境汚染問題についての国民の関心が高まっており、早急に知見を集積するとともに、必要な対策を講ずることが重要である。
 地球環境問題については、京都議定書に定められた温室効果ガスの削減目標の達成に向け、各種の地球温暖化対策の充実強化を図るとともに、開発途上国における環境対策の促進等の国際協力を推進することが重要である。
 環境事業団は、環境保全対策全般を対象とする唯一の特殊法人として、廃棄物・リサイクル対策、有害物質対策、地球環境保全対策等、環境問題の今日的な課題について対応することが強く求められている。

(3)国民的取組の促進と環境対策の総合的実施

 今日の環境問題の解決に当たっては、廃棄物・リサイクル問題に代表されるように、国や地方公共団体といった行政部門のみならず、企業、民間団体や国民一人ひとりの取組みが不可欠である。環境事業団は、地球環境基金など国民 的な取組を促進するための事業を行ってきており、こうした機能を一層強化する必要がある。
 また、地球温暖化等のように、今日の環境問題は多くの原因が複雑にからんで問題が生じていることが多いため、各種の環境対策を総合的に実施することが必要である。環境事業団は、企業団地整備、緑地整備、廃棄物処理施設建設 など、各種対策を実行してきており、各種対策を総合的、有機的に実行することが環境事業団の機能として期待される。

3.環境事業団の業務展開

(1)環境事業団の事業検討の基本的考え方

 環境事業団の事業展開を検討するに当たっての基本的な考え方は次のとおりである。
 環境行政については、住民に近い行政主体である地方公共団体が担当すべき多くの事務が存在するが、全国的な基準や規制等の制度的な枠組みの構築については国が担当するべき事務として位置づけられている。また、地方が推進す ることが適切な事務の中にも、広域的な観点からの解決が要請される場合、環境保全上特に緊急に解決を必要とする場合、解決に当たり環境保全上特別の信頼性を必要とする場合、国際的な協調の下で実施することが必要な場合等、国 が関与することが要請される場合が存在する。さらに、先端的な技術やノウハウを蓄積した国の信頼ある機関が、先駆的に取り組み、民間や地方公共団体の事業の模範となる例を示すことも、環境行政の推進の上で必要な場合がある。
 こうした国が担うべき環境行政に関する事務のうち、実施主体に経営の自主性と弾力性を認めて能率的経営を行わせた方が適当である場合には、特殊法人たる環境事業団に担わせることが適切と考えられる。
 特に、環境事業団が現在実施している建設譲渡事業は、環境事業団の知識と経験に裏付けられた技術的支援と財政投融資資金を用いた財政的支援を実施することにより、環境政策上必要な事業の促進に資するものであり、中小企業や 地方公共団体、第3セクターを中心に根強い需要がある。
 さらに、今日的な環境問題に対応した環境対策の実施に際しては、国民、住民の信頼と理解が不可欠であり、このため、ますます高度な技術的知見が要請されている。この意味で環境事業団における知的蓄積を活用した建設譲渡事業 の今日的な意義は大きくなっており、財源、組織、人材の充実を図ることが必要である。
 こうした基本的な考え方を踏まえて、以下、環境事業団の事業展開を検討していくこととする。

(2)緊急的に取り組むべき新規の課題

 {1} 廃棄物・リサイクル対策

 廃棄物問題は、大量生産、大量消費、大量廃棄という主要先進国の生産様式、生活様式から生じており、廃棄物の発生の抑制、使用済み製品の再使用、リサイクル、廃棄物の適正処理について、環境基本計画において示された考え方 を踏まえ、適切な対策を講ずる必要がある。また、最近のダイオキシン問題に見られるように、有害物質問題という観点からも、より適切な対応が必要となっている。
 環境事業団は、現在、産業廃棄物の処理施設全般について融資事業を、また、最終処分場については建設譲渡事業を行っている。産業廃棄物の最終処分場が逼迫している現状にかんがみ、今後とも産業廃棄物の最終処分場の建設譲渡 事業については積極的に推進していく必要がある。
 現在、建設譲渡事業として環境事業団が建設している最終処分場は信頼性が高いものであり、産業廃棄物のみならず、地域周辺で発生する一般廃棄物も併せて処理する方が、一般的には地域の環境保全に資するものとなる。また、産 業廃棄物等の焼却施設等の中間処理施設についても、公共関与に関する期待が高まっている。このため、現在の建設譲渡事業の対象を、産業廃棄物に併せて一般廃棄物を処理する最終処分場や中間処理施設に拡大することが適切である。
 なお、環境事業団が建設する最終処分場は信頼性の高いものであるが、さらに高い信頼性と技術力をもって建設譲渡事業等を推進していく必要がある。
 リサイクル対策としては、企業団地内で発生する廃棄物の再生利用を進め廃棄物の減量化を図るゼロエミッション企業団地という新しいタイプの企業団地が環境保全上効果のある施策として評価されており、環境事業団としては、こ のゼロエミッション企業団地について建設譲渡事業を推進することが適切である。
 また、再利用可能な不要物について、潜在的な需要があるにもかかわらず、供給者と需要者をつなぐシステムが不十分であるために、廃棄物として処理せざるを得ない場合がある。この場合、供給側と需要側の情報を橋渡しするシス テムを構築することにより、リサイクルの一層の促進を図ることが可能になるため、環境事業団として再利用可能な不要物に関する情報データベースの構築や必要な情報の提供に取り組むことが適切である。
 国の機関の役割の一つとして、最先端の技術の開発と普及という役割がある。このため、環境事業団としては、廃棄物の処理に関する技術開発のための実証実験をはじめとする調査研究や環境安全性も含めた技術評価について取り組 んでいくことが適切である。

 {2} 地球環境対策

 地球環境問題、とりわけ地球温暖化問題については、昨年末の地球温暖化防止京都会議(COP3)の成果を受け、温室効果ガスの排出削減等の取組を強力に進めていかなければならない。
 本年6月、政府として緊急に講ずるべき地球温暖化対策をまとめた地球温暖化対策大綱が策定されたが、同大綱においては、CO2吸収源対策として、森林整備の推進に並んで都市緑化等の推進が示されている。環境事業団は、従来 大気汚染対策緑地等の整備事業を行ってきた実績があることから、国、地方公共団体等の適切な役割分担の下、土壌汚染対策や適切な跡地管理が必要な場所を対象として都市公園となるべき緑地を整備する事業を実施することが適切で ある。
 この事業は、適切な土壌環境保全対策と併せて、ヒートアイランド現象の緩和による冷房等のエネルギー消費の抑制、二酸化炭素の吸収源としての機能の確保を目的として都市部において緑地を整備するものであり、他の緑化等によ るCO2吸収源対策等と相まって地球温暖化の防止に資するものである。
 また、環境問題が途上国においても深刻化してきたことに伴い、環境に関する国際協力案件が増加していることから、環境協力の推進も大きな課題である。環境協力については、環境事業団がこれまでの建設譲渡業務、融資業務等を 通じ蓄積した様々なノウハウを活用することが適切である。具体的には、開発途上国からの研修生の受入れや開発途上国への専門家の派遣等に関する業務を行うことが考えられる。 

 {3} 有害物質対策

 ダイオキシンやトリクロロエチレン等の有害化学物質をはじめとして有害物質による環境汚染問題が顕在化し、有害物質対策は喫緊の課題となっている。
 特に、中小規模の汚染では環境浄化装置を比較的短期間据え付けることにより、浄化が可能であるにもかかわらず、高価格の環境浄化装置の購入が事業者にとって過重な負担となるため、対策が進まないのが現状である。このため、 環境事業団が事業者等のために浄化装置等の貸付や技術指導を行うことが適切である。

(3)今後の検討課題

 次のような事項については、環境基本計画の見直しが今後予定されていること、中央省庁の再編や財投ビッグバンが平成13年に実施される予定であること等を念頭に置きつつ、早期に具体的な結論を得られるように、さらに検討を 進める必要がある。

 {1} 廃棄物・リサイクル対策

 廃棄物・リサイクル対策については、遮断型最終処分場や有害廃棄物の処理施設などの管理、運営に当たりより高度な信頼性が求められていることから、環境事業団の関与が課題として上げられている。また、環境保全上適切な一般 廃棄物の最終処分場の建設等も課題として上げられている。
 他方、現行の廃棄物処理法制では、産業廃棄物に関する排出者の処理責任、一般廃棄物に関する市町村の処理責任をはじめ、民間、地方、国のそれぞれの主体の役割分担が明らかにされている。したがって、これらの課題について結 論を得るためには、各主体の役割分担と整合性をとる必要があり、さらに検討が必要である。

 {2} 地球環境対策

 地球環境対策としては、温室効果ガスの排出削減対策の推進、CO2吸収源対策の推進等の地球温暖化対策のほか、技術の研究開発、地球環境観測体制の強化、国際協力の推進、ライフスタイルの見直しなど、極めて多岐、多分野に わたる対策が必要とされている。
 これらのうち、排出削減対策技術の評価や集中導入と普及、CO2吸収源対策の推進、地方公共団体における対策支援等の地球温暖化対策を行うことが課題として認識されている。このような対策の推進に当たっては、既存の制度に も配慮しつつ、環境事業団において実施することが必要とされる事業について、検討を進める必要がある。
 また、地球温暖化の防止のための京都議定書や東アジア酸性雨ネットワークを含め、各種国際的な取り決めにおいて公的な関与が必要とされる場合が増えてきており、環境観測や各種の情報管理を始めとして、公的な主体としての環 境事業団の関与が課題として認識されている。こうした国際的な枠組みへの対応については、政府における役割分担の中で具体的な案件ごとに、さらに検討する必要がある。

 {3} 有害物質対策

 有害物質対策のうち、新規の汚染を防止するための規制措置は講じられつつあるものの、既に汚染された環境についての対策、特に市街地における土壌・地下水汚染の対策が大きな課題となっている。
 環境事業団として信頼性の高い土壌・地下水汚染対策事業を行う可能性について、さらに検討する必要がある。

 {4} 研究開発の推進

 環境に関する研究開発の果たす役割は大きいことから、民間企業等と協力しつつ、基礎から応用に至るまでの研究開発を戦略的に進めていくことが、課題として認識されている。国立環境研究所等との役割分担に配慮しつつ、環境事 業団による研究開発の推進の可能性についてさらに検討する必要がある。

(4)従来業務の取扱い

 環境事業団の従来業務については、時代の要請に合わせて不断の見直しを行い、事業の重点化、効率化を図る必要がある。
 集団設置建物の建設譲渡事業については、公害発生の防止という観点のほか、環境との共生という観点も含めて、事業を推進する必要がある。
 自然公園の施設整備事業については、緊急に整備するべきものへの重点化を図る必要がある。
 緑地整備事業については、都市の大気汚染対策等を始め、都市環境の整備・保全の観点から事業を推進する必要がある。
 地球環境基金については、内外の民間団体の環境保全活動の支援業務等を行っており、環境問題に対する国民的な取り組みの促進という観点から、事業を推進する必要がある。

(5)環境行政、環境政策の基盤整備

 環境事業団の場合、他機関に比べて、調査研究や情報提供、研修や受託などの機能が限定されているが、環境行政、環境政策の基盤整備という面で、環境事業団を積極的に活用するためには、これらの機能の充実強化を図る必要がある。
 例えば、調査研究としては、廃棄物の処理技術に関する調査研究等を強化する必要がある。
 また、情報提供についても、広く国民を対象として環境事業団で収集、整理した環境保全技術に関する情報提供を行う等、開かれた組織を目指すことが必要である。特に、環境教育・学習を効果的に推進するために、様々な媒体によ る環境情報の提供は重要な要素である。
 さらに、環境教育、環境学習を推進する観点から研修機能の充実が必要である。
 こうした業務を含めて、環境事業団を、広く環境行政の政策手段として機能させるためには、例えば幅広い観点からの調査研究や技術的支援等の受託を可能にする受託業務の見直しが必要である。

(6)環境事業団の運営のあり方

 環境事業団の運営については、市民や企業と連携した「開かれた」事業団としての運営を一層推進する必要がある。

(7)融資業務

 現在、環境事業団により行われている融資事業については、平成9年9月24日の閣議決定により、日本開発銀行の廃止後に設置される新銀行へ移管することとされた。なお、新銀行への移管に際し、環境行政、環境政策の面で支障が 生じないよう適切な措置を講ずる必要がある。

結語

 環境事業団が、環境行政、環境政策の推進のため、今後とも適切な役割を果たしていくためには、廃棄物・リサイクル、有害物質、地球環境等の今日的課題に政策面で的確に対応するとともに、環境行政、環境政策の基盤整備という 面でも十分な役割を果たせるようにする必要がある。
 このため、緊急に取り組むべき新規事業(上記3(2)参照)を中心にして検討を行い、平成11年の通常国会において環境事業団法を改正するなど、所要の措置を講ずる必要がある。また、今後の検討課題(上記3(3)参照)に ついては、本中間報告に言及された留意事項等を踏まえ十分な検討を行い、必要な制度改正等の措置を講ずる必要がある。



【参考1】環境事業団事業小委員会における審議経過

  第1回 平成10年6月2日
     ・環境事業団の業務について
     ・行財政改革について
     ・小委員会等の公開について

  第2回 平成10年7月13日
     ・環境事業団事業について(検討)

  第3回 平成10年7月22日
     ・環境事業団事業について(検討)

  第4回 平成10年8月27日
     ・中間報告取りまとめ(骨子)

  第5回 平成10年9月10日
     ・中間報告取りまとめ(全文)



【参考2】 中央環境審議会企画政策部会環境事業団事業小委員会
委員名簿
  氏  名 現  職
委員長 平岡 正勝 京都大学名誉教授
委員 浅野 直人 福岡大学法学部教授
委員 井手 久登 東京大学名誉教授
委員 熊崎 清子 日本労働組合総連合会副事務局長
委員 福川 伸次 (株)電通総研代表取締役社長
委員 松原 青美 (財)民間都市開発推進機構理事長
委員 三浦 昭 三菱化学(株)取締役社長
委員 村杉 幸子 (財)日本自然保護協会事務局長
委員 安原 正 (株)さくら総合研究所特別顧問
特別委員 小林 康彦 (財)日本環境衛生センター専務理事
特別委員 猿田 勝美 神奈川大学名誉教授
特別委員 三橋 規宏 日本経済新聞社論説委員
特別委員 寄本 勝美 早稲田大学政治経済学部教授
【参考3】今後の環境事業団事業のあり方について(諮問)

諮問第62号
環企企第204号
平成10年6月2日

中央環境審議会会長
近 藤 次 郎  殿

環境庁長官
大  木   浩

       今後の環境事業団事業のあり方について(諮問)

 環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第3号の規定に基づき、今後の環境事業団事業のあり方について貴審議会の意見を求める。


(諮問理由)
  環境事業団は、我が国の産業公害を防止・改善するための特殊法人、公害防 止事業団として昭和40年に発足した。以来、産業公害の防止・改善に加え、都市・生活型公害の防止や自然環境の保全と適切な利用さらには地球環境問題への対応と、これまで環境問題の変化に対応して常に事業の見直しを行ってきており、その間平成4年に公害防止事業団から環境事業団へ改組され、今日に至っている。
  今日、環境問題は、さらに空間的かつ時間的広がりを示し、かつ経済社会システムのあり方に根ざした問題として認識されていることから、これに対応するためには、環境基本法に位置付けられている多様な政策手段を総合的に展開することが求められている。
  このような状況の下で、今日の環境問題に適切に対処するとともに、国民の環境に関するニーズに的確に対応していくためには、環境事業団をさらに有効に活用していくことが必要である。
  このため、今後の環境事業団事業のあり方について、貴審議会の意見を求めるものである。