世界環境デーに向けたコフィ・アナン国連事務総長のメッセージ(仮訳)

 

 

 今年の世界環境デーのテーマ、「地球の生命のために:わたしたちの海を救おう」は、地球の最も価値ある資源のひとつである「海」に、強い関心を持ち、これを保護していこうという私たちひとりひとりにあてられたアピールです。

 

 海は地球の表面積の約70%を占めています。地球上の人口の約3分の2(約35億人)が沿岸地域に住み、沿岸及び海洋環境に依存して生計を立てています。今から20年後には、この人口は70億人に達すると見込まれています。

 

 私たちはあまりにも長い間、海洋資源は無尽蔵であると考えてきました。海は際限なく廃棄物を処分できる底のない容器のようなものと考えてきました。

 

 増え続ける人口の圧力による土地利用の変化、産業の発展、大量の農薬の使用などによって、人間活動から発生する廃棄物を同化する海の許容量は限界に達してしまいました。

 

 私たちの自己中心的な態度が、私たち自身の健康、生態系、経済生産性を損なわせることになりました。意味があり、かつ、効果的な海洋環境の保護のためのすべてのアプローチは、現代社会の政治から技術、科学から法律に至る様々な要素を取り込んだものでなければなりません。

 

 世界環境デーのこの日に、海の近くに住んでいるといないとに拘わらず、環境を保護するという私たちの約束を高らかに掲げようではありませんか。そして、かけがえのないこの地球をこれ以上損なわないようにしましょう。この約束を日常生活における優先課題としましょう。私たちの生命(生活)はひとえに地球環境にかかっているのです。