特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、昨年6月5日に公布され、3年以内の政令で定める期日から本格的に施行されることとなっています。これに先立ち、特定家庭用機器再商品化法に基づき公表することとしている「特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する基本方針」の骨子案を厚生省、通産省及び環境庁で作成しました(別紙1参照)。 また、同法に基づく特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に関する基準の設定と併せて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づく廃棄物処理基準の強化を行うこととしております。このうち、家電リサイクル法に基づく再商品化等に関する基準については既に厚生省及び通商産業省において、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理基準のうち中間処理基準については厚生省において、それぞれ既に原案が示され、意見募集が行われておりますが、中間処理基準と併せて、最終処分基準等についても強化を行うこととしており、これについても原案を作成しました(別紙2参照)。 今回、家電リサイクル法に基づく基本方針及び廃棄物処理法に基づく最終処分基準の強化を最終的に決定するに当たり、この骨子案について、広く国民の皆様から御意見を賜るべく、本件に対する意見を募集しております。御意見がある方は、<御意見募集要領>に沿ってご提出ください。 皆様からいただいたご意見については、最終的な決定における参考とさせていただきます。御意見に対して個別に回答はいたしかねますので、その旨御了承願います。 |
<御意見募集要領>
1.募集期限
T 家電リサイクル法に基づく基本方針骨子案に対する御意見
4月27日(火)(必着)
U 廃棄物処理法に基づく廃棄物最終処分基準等改正骨子案に対する御意見
4月20日(火)(必着)
2.提出方法
[意見提出用紙]の様式により、以下に掲げるいずれかの方法で提出して下さい。表題には、T
家電リサイクル法に基づく基本方針、U 廃棄物処理法に基づく最終処分基準等改正、のいずれの原案に対する御意見かを明記して下さい。電子メールで送付される場合は、ファイル形式をテキスト形式としてください(添付ファイルによる御意見の提出は御遠慮願います)。なお、電話でのご意見、お問い合わせにはお答えしかねますので、あらかじめ御了承下さい。
○ファクシミリの場合
ファクシミリ番号:03−3593−1438
環境庁水質保全局海洋環境・廃棄物対策室あて
○郵送の場合
〒100−8975 東京都千代田区霞が関1−2−2
環境庁水質保全局海洋環境・廃棄物対策室あて
○電子メールの場合
電子メールアドレス: junkan@eanet.go.jp
環境庁水質保全局海洋環境・廃棄物対策室あて
[意見提出用紙] 環境庁水質保全局海洋環境・廃棄物対策室あて 【表題として、どの原案に対する御意見かを明記して下さい】 T 家電リサイクル法に基づく基本方針原案に対する意見 U 廃棄物処理法に基づく最終処分基準等改正の原案に対する意見 氏 名(会社名/部署名): 住 所: 電話番号: 意 見: |
【別紙1】
T 特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する基本方針骨子案
特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、特定家庭用機器の小売業者及び製造業者等(製造業者・輸入業者)による特定家庭用機器廃棄物の収集、運搬、再商品化等を適正かつ円滑に実施し、廃棄物の減量と再生資源の十分な利用等を図るものです。この法律は平成13年度から本格的に施行されることを予定しており、施行当初の対象機器は家庭用のエアコンディショナー、テレビジョン受信機、電気冷蔵庫及び電気洗濯機の4種を予定しています。
この法律では、特定家庭用機器廃棄物の収集、運搬、再商品化等を総合的かつ計画的に推進するため、主務大臣(厚生大臣、通商産業大臣、環境庁長官)が法律で定められた項目に沿って基本方針を定めることとなっています。
骨子案では、それぞれの項目について関係者が取り組むべき事項を示し、その具体例を記述しています。骨子案は以下のとおりです。
1.特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等の基本的方向
○ 廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図るためには、特定家庭用機器について、廃棄された物をどのように処理するかという観点を転換し、製品の開発、製造から消費、廃棄等に至る各段階において、廃棄物の排出の抑制、原材料又は部品として利用するリサイクルの促進という観点を持った、環境への負荷の少ない資源循環型経済社会システムを構築することが必要。
○ 特定家庭用機器廃棄物の収集運搬及び再商品化等の実施等に当たっては、消費者は適正な排出、小売業者は引取り及び製造業者等(製造業者及び輸入業者をいう。以下同じ。)への引渡し、製造業者等は再商品化等という適切な役割分担の下でそれぞれが積極的に参加することが必要。
2.特定家庭用機器廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項
○ 特定家庭用機器廃棄物は、廃棄物の中でも処理が困難な状況にあり、その対策としては、まず、廃棄物の排出をできる限り抑制することが必要。排出者(消費者・事業者)、国、地方公共団体、事業者(特定家庭用機器の小売業者、製造業者等)がそれぞれの立場で積極的に取り組むことが必要。
(1)排出者(消費者・事業者)
○ 製品をなるべく長期間使用することにより特定家庭用機器廃棄物の排出をできる限り抑制するよう努めること。
…具体例:◇不必要な買替えの抑制
◇正しい使用方法の遵守と故障時の修理の励行
◇長期間使用可能な製品やリサイクルに配慮した製品の選択
(2)小売業者
○ 必要な情報提供やサービスの提供により機器の使用者が特定家庭用機器を長期間使用されるよう努めること。
…具体例:◇使用上の注意事項の伝達
◇修理の仲介、継続的なメンテナンス
◇耐用寿命の長い製品、リサイクルに配慮した製品及び交換用や機能追加のための部品等に関する情報提供
(3)製造業者
○ 機器の耐久性の向上、修理体制の充実により廃棄される特定家庭用機器の減量に努めること。
…具体例:◇長期使用に耐える製品設計及び製造
◇長期使用に耐える素材の選択・開発
◇製品・部品の互換性の向上
◇修理拠点等メンテナンス網の整備
◇製品の適切な使用方法に関する情報提供
◇小売業者との協力による修理部品の供給
◇修理し易い製品の開発
◇部品交換・追加による機能向上等により使用期間が長期化するような製品の開発
(4)輸入業者
○ 耐久性を考慮した輸入製品の選択、修理体制の充実により廃棄される特定家庭用機器の減量に努めること。
…具体例:◇耐久性に優れた製品の輸入
◇海外本社との連携、国内の製造業者との連携による修理体制の充実
(5)国
○ 製品を可能な限り長期間使用するよう努めることにより特定家庭用機器廃棄物の排出をできる限り抑制すること。
…具体例:◇長期間使用可能な製品やリサイクルに配慮した製品の選択
◇不必要な買替えの抑制
◇正しい使用方法の遵守と故障時の修理の励行
○ 特定家庭用機器廃棄物の排出の抑制に資する施策を講ずること。
…具体例:◇製品の耐久性の向上に関する調査研究
◇長期使用、修理の励行等排出抑制に関する消費者・事業者に対する普及・啓発
(6)地方公共団体
○ 国の施策に準じた特定家庭用機器廃棄物の排出抑制の措置を講ずるよう努めること。
3.特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等の促進のための方策に関する事項
3―1.特定家庭用機器廃棄物の収集運搬に関する事項
○ 排出された特定家庭用機器廃棄物が確実に製造業者等に引き渡され、再商品化等が行われるよう、適正な排出及び適正な収集運搬を確保し、不法投棄等不適正な処理が行われないことが必要。
○ このため、関係者の協力の下、排出者の適正な引渡し、小売業者の確実かつ適正な収集運搬、市町村の特定家庭用機器廃棄物の排出及び収集運搬に関する協力、製造業者等の円滑な引取り及び運搬を行うこと。
(1)排出者(消費者・事業者)
○ 特定家庭用機器廃棄物の収集若しくは運搬をする者又は再商品化等をする者への適切な引渡しを行うこと。
…具体例:◇製造業者等に確実に引き渡す適正な者に引き渡すこと
◇製造業者等への引渡し義務を負う小売業者になるべく引き渡すこと。
◇不法投棄等不適正な排出を行わないこと。
○ 小売業者、製造業者等が求める料金の支払いに応じること。
…具体例:◇特定家庭用機器廃棄物の排出に際し、小売業者、製造業者等の収集及び運搬並びに再商品化等に関する料金を支払うこと。
◇収集及び運搬並びに再商品化等に関する料金を確認すること。
(2)小売業者
○ 生活環境保全上適正かつ能率的な収集運搬を実施すること。
…具体例:◇収集運搬に当たっては、製造業者等の再商品化等の実施に支障が生じないよう、特定家庭用機器廃棄物の破損等の防止に努めること。また、冷媒として含有されるフロン類が漏出しないよう留意すること。
◇特定家庭用機器の配送経路利用等により、収集運搬に係る費用の低減に努めること。
◇円滑な特定家庭用機器廃棄物の収集運搬が行われるよう市町村との協力体制を構築すること。
○ 排出者による特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を確保すること。
…具体例:◇適正原価を考慮し、排出者の特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を妨げないよう配慮した料金の設定を徹底すること。
◇料金の事前公表の徹底、顧客の求めに応じた料金表の開示や店頭掲示、料金の内容についての説明・公表、製造業者等の料金表の開示や店頭掲示を行うことにより料金請求に対する排出者の理解を得るよう努めること。
◇製造業者等の請求する料金の内容についての説明を行うことにより、料金請求に対する排出者の理解を得るよう努めること。
◇再商品化等の料金の先払い等製造業者等が行う料金徴収に対し協力すること。
○ 特定家庭用機器廃棄物に係る管理票の交付、保存を適正に行うこと。
…具体例:◇適正な収集運搬を確保するため、特定家庭用機器廃棄物に係る管理票の交付、保存を適正に行うことにより、収集運搬の際に不法投棄等不適正な収集運搬が行われないよう万全を期すこと。
(3)製造業者等
○ 指定引取場所を適正に配置し、小売業者、市町村等特定家庭用機器廃棄物の収集運搬を行う者が円滑に引き渡しができるようにすること。
…具体例:◇各地域の小売業者、市町村等が特定家庭用機器廃棄物の収集運搬を行う場合を念頭におき、その交通事情、輸送距離等の状況を踏まえ、円滑な収集運搬及び引渡しができるよう指定引取場所を配置すること。
◇状況の変化により、小売業者、市町村等の特定家庭用機器廃棄物の適正な引渡しに支障が生じている地域が生じた場合には、当該地域に速やかに指定引取場所の設置する等の変更を行うこと。
◇小売業者、市町村等に指定引取場所の設置に関する情報提供を行うこと。
○ 指定引取場所から再商品化等施設まで、生活環境保全上適正かつ能率的な運搬を行うこと。
…具体例:◇特定家庭用機器の流通経路、流通拠点を利用する等により、収集運搬に係る費用の低減に努めること。
◇冷媒として含有されるフロン類が漏出しないよう留意すること。
○ 円滑な料金の請求方法を採用すること等。
…具体例:◇排出者からの収集運搬は小売業者・市町村が担うことを踏まえ、例えばシール制等排出者からの円滑な料金徴収を図ること。
◇公平かつ公正な引渡し・引取りを確保するため、実際に料金の収受を行う者が、あらかじめ公表した料金の額以外の額を請求しないよう徹底されるような体制を確保すること。
(4)国
○ 特定家庭用機器廃棄物の適正かつ能率的な収集運搬に資する情報の提供、収集運搬に関する技術的な支援等を行うこと。
○ 教育活動・広報活動等を通じて国民の理解を深めるとともに、特定家庭用機器廃棄物に係る管理票の適正な交付、回付及び保存を徹底することにより、特定家庭用機器の排出、収集運搬時における不法投棄の防止に万全を期し、特定家庭用機器廃棄物の適正処理の確保を図ること。
(5)市町村
○ 適正な排出や料金の支払い等特定家庭用機器廃棄物のリサイクルに関して、住民に対する意識啓発を行うこと。
○ 粗大ごみとして収集した特定家庭用機器廃棄物の製造業者等への引渡しの励行と、特定家庭用機器廃棄物の収集運搬に当たっての小売業者との連携に努めること。
○ 指定引取場所設置についての協力、新規再商品化等施設の立地に対する助言・支援等製造業者等の再商品化等の実施への協力を行うこと。
3―2 特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に関する事項
○ 再商品化等の実施に当たっては、まず、部品又は原材料として利用する再商品化を進め、これが技術的困難性や環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合、生活環境保全上支障が生じないよう万全を期しつつ熱回収を行い、最終処分の対象となる廃棄物の減量に努めることが必要。
○ 鉄、銅、アルミの他、プリント基板等に含有される鉛等の金属類、ガラス類、プラスチック類の再商品化を促進するとともに、再商品化されたものの利用拡大を図ること。
@ 金属類
…再商品化促進の方向:◇素材回収効率の向上
◇回収される金属類の品質の向上
◇再商品化をする金属類の種類の拡大に向けた努力
…利用拡大の方向 :◇新たな用途の開発
◇再商品化された金属類の需要拡大に向けた関係事業者の協力
A ガラス類
…再商品化促進の方向:◇素材回収効率の向上
◇回収されるガラス類の品質の向上
…利用拡大の方向 :◇ブラウン管材料への投入比率の増加への努力
◇新たな用途の開発
◇再商品化されたガラス類の需要拡大に向けた関係事業者の協力
B プラスチック類
…再商品化促進の方向:◇プラスチック類の種類ごとの選別技術の向上
◇回収されるプラスチック類の品質の向上
◇それぞれのプラスチック類の種類に応じた再商品化の促進
◇プラスチック類の再商品化をする施設の整備の促進
○ 冷媒用フロン類の回収・処理を促進すること。
…回収・処理の方向:◇冷媒フロン類の回収効率の向上
◇破壊処理を行う場合の適正性・効率性の確保
○ 断熱材に使用されているフロン類についても、できるだけ回収・処理に努めること。
…回収・処理の方向:◇断熱材フロン類の回収・処理の促進
◇効率的な回収・破壊処理のための技術開発、早急な実施の確保
○ 適正かつ円滑な再商品化等の実施を確保するためには、関係者が積極的に協力することが必要。
(1)製造業者
○ 再商品化等を実施する者として以下のようなことに努めること。
…具体例:◇部品や材料の事前選別の励行
◇生活環境保全上支障がないようにしつつ、有害物質対策にも資する効率的かつ適正な再商品化等の実施
◇再商品化等施設の適正な確保
○ 特定家庭用機器の製造を行う者として以下のことに努めること。
…具体例:◇材料・構造面での工夫により再商品化等の効率的かつ適正な実施に資する製品の設計・製造
◇部品の共通化による再利用の促進
◇再生資源の積極的利用
◇再商品化等を向上させるための部品・素材の種類等の表示
○ 排出者による特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を促すよう努めること。
…具体例:◇適正原価を上回らない、排出者の特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を妨げないよう配慮された料金の設定を徹底すること。
◇料金の事前公表の徹底、料金の内容についての説明・公表とともに、再商品化等の実施状況の公表を行うことにより、料金請求に対する排出者の理解を得るように努めること。
◇料金請求方法について、小売業者等との協力関係を構築し、排出者、収集運搬を行う者が適正に特定家庭用機器廃棄物の排出、収集運搬を行うこと。
(2)輸入業者
○ 製造業者に準じた措置を講ずるとともに、再商品化等の効率的かつ適正な実施に資する製品の輸入に努めること。
…具体例:◇材料・構造面でリサイクルしやすい製品の輸入
(3)国
○ 再商品化等をして得られた物やこれを使用した物の使用を優先するよう配慮すること。
○ 特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の促進に資する施策を講ずること。
…具体例:◇再商品化等に要する費用の低減に資する研究開発、成果の普及
○ 特定家庭用機器廃棄物の適正かつ能率的な再商品化等の実施に資する情報の提供、再商品化等に関する技術的な支援等を行うこと。
…具体例:◇情報の提供体制の整備
(4)事業者、消費者
○ 再商品化等をして得られたものの製品の原材料としての利用の促進、再商品化等をして得られたものやこれを使用した物の積極的な購入・使用に努めること。
○ 製品の製造に当たっての材質の表示、再商品化等を念頭に置いた原材料の統一化等に努めること。
(5)地方公共団体
○ 国の施策に準じた措置を講ずるよう努めること。
4.環境の保全に資するものとしての特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の意義に関する知識の普及に係る事項
○ 特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の促進は、特定家庭用機器廃棄物の排出の抑制、再商品化等によって得られた物、熱としての利用の促進等と相まって、資源エネルギー投入量の削減、廃棄物の減量、環境に影響を及ぼすおそれのある物質の環境への放出の抑制等を通じて、環境への負荷の少ない資源循環型経済社会システムを構築していくという意義を有する。
○ 国及び地方公共団体は、環境の保全に資するものとしての特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の促進の意義に関する知識について、広く国民への普及・啓発を図る。
…具体例:◇環境教育・環境学習や広報活動等を通じて、特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の促進が環境の保全に資することについての国民の理解を深めるとともに、情報提供に努める。
◇環境の保全に留意しつつ、特定家庭用機器廃棄物の収集運搬、再商品化等が行われるよう関係者の協力を求める。
5.その他特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する重要事項
○ 特定家庭用機器に係る原料採取、製造、流通、使用、廃棄、収集、再商品化等、処理残渣の処分等の全段階における環境への負荷の評価(ライフ・サイクル・アセスメント)の手法について、国は、諸外国との連携を踏まえつつ調査研究を進めその確立を図るとともに情報提供を実施すること。
○ 事業者は、各段階における環境への負荷が低減されるよう、各段階における環境負荷を視野に入れた製品・素材の開発、特定家庭用機器を使用する者への情報提供への活用を図ること。
○ 国は、特定家庭用機器廃棄物の収集運搬、再商品化等の円滑な実施に当たっては、これを排出する者が収集運搬、再商品化等の料金を適切に支払うことが必要であることにかんがみ、法の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民の周知を図り、その理解及び協力を得ること等に努めること。
<参考:特定家庭用機器再商品化法の概要について>
T.法律制定の趣旨
1. 一般家庭から排出される家電製品は、現在、約8割は小売業者によって、約2割は直接市町村によって回収。
その後は、おおよそその半分は直接埋め立てされるほか、残りは、破砕処理されるが、一部金属分の回収が行われている
場合があるものの、そのほとんどは廃棄されているのが現状。(注:この破砕処理された廃棄物(シュレッダーダスト)については、埋め立て地が非常に逼迫)
2. このため、廃棄物の減量と有用な部品・素材の再商品化等を図り、循環型経済社会を実現していくため、家電製品等の製造業者等及び小売業者に新たに義務を課すことを基本とする新しい再商品化の仕組みを構築することが緊急の課題。
これによって、省資源・省エネの推進に寄与するとともに、技術開発等を通じ、環境関連産業の発展にも貢献。
U.法律の概要
1.目的
小売業者、製造業者等による家電製品等の廃棄物の収集、再商品化等に関し、これを適正かつ円滑に実施するための措置を講じることにより、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
2.対象機器
家電製品を中心とする家庭用機器から、@市町村等による再商品化等が困難であり、A再商品化等をする必要性が特に高く、B設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響があり、C配送品であることから小売業者による収集が合理的であるものを対象機器として政令で指定する。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンについては、上記の4条件を満たすことから、平成10年12月にこれら4品目を対象機器として指定した。
3.「再商品化等」の定義
(1)対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、これを製品の原材料又は部品として利用すること
(2)対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、これを燃料として利用すること
4.基本方針の策定
対象機器の廃棄物の収集、再商品化等を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定め、公表する(環境庁長官、厚生大臣及び通産大臣)。
5.関係者の役割
(1)製造業者及び輸入業者(製造業者等)
@引取り義務
製造業者等は、予め指定した引取場所において、自らが製造等した対象機器の廃棄物の引取りを求められたときは、それを引き取る。
引取場所については、対象機器の廃棄物の再商品化等が能率的に行われ、小売業者・市町村からの円滑な引渡しが確保されるよう適正に配置する。
A再商品化等実施義務
製造業者等は、引き取った対象機器の廃棄物について、再商品化等基準に従って、再商品化等を実施する。
その際、製造業者等は、再商品化等の実施と一体的に行うことが特に必要かつ適切なものとして、いわゆるフロンの回収・破壊を行う。
(2)小売業者
@引取り義務
小売業者は、次に掲げる場合において、対象機器の廃棄物を引き取る。
ア.自らが過去に小売販売をした対象機器の廃棄物の引取りを求められたとき
イ.対象機器の小売販売に際し、同種の対象機器の廃棄物の引取りを求められたとき
A引渡し義務
小売業者は、対象機器の廃棄物を引き取ったときは、中古品として再利用する場合を除き、その対象機器の製造業者等(それが明らかでない時は指定法人)に引き渡す。
(3)消費者
消費者は、対象機器の廃棄物の再商品化等が確実に実施されるよう小売業者等に適切に引き渡し、収集・再商品化等に関する料金の支払いに応ずる等本法に定める措置に協力する。
(4)市町村
市町村は、その収集した対象機器の廃棄物を製造業者等(又は指定法人)に引き渡すことができる。(但し、自ら再商品化等を行うことも可能。)
6.費用請求
@ 製造業者等は、対象機器の廃棄物を引き取るときは、引取りを求めた者に対し、その対象機器の廃棄物の再商品化等に関する料金を請求することができる。当該料金の額は、再商品化等を能率的に実施した場合の適正原価を上回るものであってはならない。また、料金の設定に当たっては、排出者の対象機器の廃棄物の適正な排出を妨げることのないよう配慮しなければならない。
A 小売業者は、対象機器の廃棄物を引き取るときは、中古品として再利用する場合を除き、排出者に対しその対象機器の廃棄物の収集及び製造業者等による再商品化等に関する料金を請求することができる。
B 事業者による料金の公表及び国による適切な情報提供、不当な請求をしている事業者に対する是正勧告・命令・罰則の措置を講ずる。
7.その他
(1)管理票(マニフェスト)制度
管理票を発行し、製造業者等までの対象機器の廃棄物の確実な運搬を確保するための措置を講ずる。
(2)指定法人
指定法人を指定し、@製造業者等の倒産等により義務者が明らかでない場合又はA中小規模の製造業者及び輸入業者の委託による場合に、対象機器の廃棄物の再商品化等を実施する、B対象機器の廃棄物の製造業者等への引渡しに支障が生じている地域の市町村又はその住民からの求めに応じ対象機器の廃棄物を製造業者等に引き渡す等の業務を実施する。
(3)製造業者等及び小売業者への監督(罰則等)
製造業者等及び小売業者による業務履行を確保するため、対象機器の廃棄物の引取り、再商品化等の義務に違反する場合の勧告・命令・罰則、報告徴収・立入検査等所要の監督を行う。
(4)廃棄物処理法との関係
廃棄物処理法に基づき、対象機器の廃棄物の再商品化等の工程において生活環境保全上支障が生じないよう措置を講ずる。また、対象機器の廃棄物の再商品化等の円滑な実施を図るため、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理業の許可について特例措置を講ずる。
8.施行時期及び再検討
(1)本法律は平成10年12月1日に施行されているところであるが、本格施行(製造業者等及び小売業者への義務付け)については準備期間を置き、法律の公布(平成10年6月5日)後3年以内とする。
(2)本法律の本格施行後5年経過後、制度全般について再検討する。
【別紙2】
U 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく廃棄物最終処分基準等の改正骨子案
廃棄物処理法に基づく廃棄物処理基準については、家電リサイクル法に基づく再商品化等に関する基準と同程度の水準の処理が行われるよう規定の整備を行うことが必要です。廃棄物処理基準のうち、中間処理基準については、既に厚生省において原案が示され、意見募集が行われているところです。
◎廃棄物中間処理基準の強化について(厚生省) @ 特定家庭用機器廃棄物に含まれる鉄、アルミニウム及び銅については、当該廃棄物からこれを分離し、当該鉄、アルミニウム及び銅を適切に回収し、再生すること。 A 特定家庭用機器廃棄物のうち廃テレビジョンのブラウン管に使用されているガラス 類については、当該廃棄物からこれを分離し、ガラス類を適切に回収し、ガラスの材質 に応じたガラス原材料に再生し、鉛を含有するプリント配線板については、適切な方法 で再生すること。 B 特定家庭用機器のうち廃エアコンディショナー又は廃電気冷蔵庫に冷媒としてしよ うされているフロン類については、これを回収すること。 ※さらに、特定家庭用機器廃棄物の効率的・効果的なリサイクルを進める観点から、モーター、コンプレッサー類のような部品について事前に取り外すことも必要であり、 そのためのガイドラインの設定を行うことが適当。 |
併せて、上記の基準に基づくリサイクルが確実に行われるよう、廃棄物処理法に基づく廃棄物最終処分基準及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)に基づく船舶等からの廃棄物の排出に関する基準の一部を強化し、リサイクルが行われていない特定家庭用機器廃棄物は、埋立処分や船舶等からの排出を行ってはならないこととします。
◎廃棄物最終処分基準等の強化の原案 @廃棄物処理法に基づく埋立処分基準の一部改正 特定家庭用機器廃棄物の埋立処分を行う場合には、あらかじめ中間処理基準に 従って再生等を行うこと。(なお、特定家庭用機器は海洋投入処分して良い廃棄物には該当しない。) A海洋汚染防止法に基づく船舶等からの埋立場所等への廃棄物の排出に関する基準の一部改正 船舶等から特定家庭用機器廃棄物を埋立場所等に排出する場合には、あらかじめ廃棄物処理法に基づく中間処理基準に従って再生等を行うこと。 |