鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案要綱



第一 特定鳥獣保護管理計画制度の創設
 一 鳥獣保護事業計画の計画事項の追加
 特定鳥獣保護管理計画を樹てる場合には、鳥獣保護事業計画にその樹立に関する事項を定めることができるものとすること。(第一条ノ二第二項第六号関係)
 二 特定鳥獣保護管理計画の樹立等
1 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において著しく増加し、又は減少した鳥獣がある場合であって、当該鳥獣の生息状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護繁殖を図るため特に必要があると認めるときは、当該鳥獣の保護管理に関する計画(以下「特定鳥獣保護管理計画」という。)を樹てることができるものとすること。(第一条ノ三第一項関係)
  2 特定鳥獣保護管理計画においては、次に掲げる事項を定めるものとすること。 (第一条ノ三第二項関係)
  (1) 保護管理すべき鳥獣の種類(以下「特定鳥獣」という。)
(2) 計画の期間
(3) 特定鳥獣の保護管理が行われるべき区域
(4) 特定鳥獣の保護管理の目標
(5) 特定鳥獣の数の調整に関する事項
(6) 特定鳥獣の生息地の保護及び整備に関する事項
(7) その他特定鳥獣の保護管理のために必要な事項
  3 特定鳥獣保護管理計画は、鳥獣保護事業計画に適合しなければならないものとす ること。(第一条ノ三第三項関係)
4 特定鳥獣保護管理計画を樹て又は変更しようとする場合においては、関係地方公共団体と協議するとともに、一定の要件を満たす場合には環境庁長官に協議しなければならないものとすること。(第一条ノ三第四項関係)
5 特定鳥獣保護管理計画を樹て又は変更しようとするときは、公聴会を開き利害関係人の意見を聴き、かつ、都道府県自然環境保全審議会に諮問しなければならないものとする等特定鳥獣保護管理計画の樹立又は変更に関し必要な手続を定めること。(第一条ノ三第五項及び第六項関係)
 三 特定鳥獣保護管理計画の達成を図るための特定鳥獣の捕獲の禁止又は制限等
1 都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため必要があると認めるときは、その必要の限度において環境庁長官が特定鳥獣についてする捕獲の禁止又は制限に代えて当該特定鳥獣について捕獲の禁止又は制限をすることができるものとすること。(第一条ノ六第一項関係)
2 都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣である場合であって当該特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、登録の有効期間の期間内でその必要の限度において当該特定鳥獣に限って環境庁長官が限定した狩猟の期間を拡大することができるものとすること。(第八条ノ三第七項関係)
 四 許可事由の追加
1 鳥獣の捕獲等に関する許可の許可事由に特定鳥獣保護管理計画に定めるところにより特定鳥獣の数を調整するためを追加すること。(第十二条第一項関係)
2 環境庁長官又は都道府県知事は、特定鳥獣の捕獲等に関する許可を求められた場合には、特定鳥獣保護管理計画の達成に資することとなるよう適切な配慮をするものとすること。(第十二条第二項関係)
 五 指示
 環境庁長官は、鳥獣の保護繁殖を図るため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対して三の1又は2の事務に関して必要な指示をすることができるものとすること。(第二十条ノ七関係)
第二 狩猟免許制度の改善
 乙種狩猟免状を交付された者は、丙種狩猟免状を交付された者とみなすものとすること。(第四条第三項関係)
第三 その他
一 狩猟鳥獣の捕獲の禁止又は制限に関する環境庁長官と都道府県知事との役割分担の明確化を図ること。(第一条ノ五第三項及び第五項関係)
二 その他所要の規定の整備を図るものとすること。
第四 施行期日等
一 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、狩猟免許制度の改善に関する事項は、平成十二年四月十六日から施行するものとすること。(附則第一条関係)
二 平成十二年四月十五日に乙種狩猟免許を受けている者は、平成十四年九月十四日までの間は、講習を受けなければ当該免許の更新をすることができないものとすること。(附則第三条関係)
三 火薬類取締法の一部を改正すること。(附則第四条関係)