資料1 |
陸中海岸国立公園の公園区域及び公園計画の変更案の概要
〈これまでの主な経緯〉
昭和30年 5月 2日 | 公園区域の指定,並びに,特別地域及び特別保護地区の指定 |
昭和39年 6月 1日 | 公園区域(岩手県釜石市大根崎から宮城県気仙沼市岩井崎まで)の拡張 |
昭和46年 1月22日 | 公園区域(岩手県久慈市高家川口から岩手県普代村松磯まで)の拡張,並びに,海中公園地区の指定 |
平成 6年11月 7日 | 公園区域及び公園計画の全般的な見直し(再検討) |
〈公園の概要〉
・区 域 | : | 北上山地の東端に位置する太平洋に面した海岸線を中心に,その区域は,北は岩手県久慈市から南は宮城県気仙沼市まで,南北約180kmに及ぶ長大なものである。 |
・景観の特徴 | : | 太平洋の荒波によって激しく浸食された雄大かつ豪壮な海岸美こそが,本公園の最大の特徴である。 公園のほぼ中央部に位置する宮古湾付近を境に,北部は大規模な隆起性の段丘海岸で,豪壮で比較的直線的な海岸線をもつ。一方,南部は沈降性のリアス式海岸で,外洋に長く突き出た半島や岬と深い湾入がくり返し展開している。いずれも海洋によって激しく浸食されており,高さ50mから200mにも達する海食崖,無数の海食洞,海鳥類が繁殖地とする海食棚,海食崖の脚部を中心に点在する岩礁等,地形的変化に富んだ雄大な風景を形成している。 なお,これらの代表的な風景地として,8kmにもわたって高さ200mに及ぶ断崖が屏風のように続く北山崎,約8kmにわたって高さ200mの絶壁が弧を描いてそそり立つ鵜ノ巣断崖,細長い板状の火成岩が蝋燭のように見えるローソク岩,白い岩塊が列状に連なる浄土ヶ浜,典型的な海食洞の穴通磯,すぐれた海食崖をもつ碁石海岸,巨釜半造等が挙げられる。 しかし,このような岩石海岸が見られる地域でも,ところによっては砂浜海岸もあり,十府ヶ浦海岸,高田松原等では大規模な砂浜が発達している。 これらの自然景観に加え,沿岸一帯はわが国有数の漁場なだけに,公園区域内にも多数の漁港がある。特にリアス式海岸となっている公園南部の湾内では,カキ,ホタテなどの養殖筏が多数浮かべられ,典型的な漁業地域の風景を呈している。 |
・動植物 | : |
植生は海岸に生育するアカマツを主体としており,海食を受けた岩塊地形と併せて重要な景観要素となっている。アカマツの下床部には,ヤマツツジなどの落葉広葉樹が見られる。崖縁部にはラセイタソウ−ハマギク群落,コハマギク群落が優占し,木本ではハマハイビャクシンが広く分布している。砂浜部ではハマナス,ハマニンニク,コウボウムギ等を見ることができる。落葉広葉樹林では,イヌシデ−アカシデ自然林やクリ−ミズナラ群落,コナラ群落が内陸部を中心に発達している。 海鳥類は,ウミネコ,クロコシジロウミツバメ,オオミズナギドリ等が特徴的であり,特にクロコシジロウミツバメは,日本では本公園でしか繁殖していない。また,ウミウ,ハヤブサ等が鵜ノ巣断崖や佐賀部海岸を繁殖地としており,冬季に は,オオワシ,オジロワシ等の飛来も見られる。哺乳類では,ニホンカモシカ,ニホンリス,キツネ等の生息が見られる。 |
・利用形態 | : | 主な利用形態は,陸上からだけでなく浄土ヶ浜から普代の間や唐桑半島,気仙沼湾などで遊覧船が就航しており,海上からも楽しむことのできる海岸景観の鑑賞や自然探勝のほか,魚釣り,サケやウニに代表される魚介類の味覚探訪,夏季の高田松原をはじめとする砂浜での海水浴等を中心に,平成9年には約876万人の利用者が訪れている。 |
変 更 前 |
特 別 地 域 | 普通地域 | 海中公園 | |||
10,275(84.2) | 1,923 (15.8) |
3箇所 23.4 | ||||
特別保護地区 | 第1種特別地域 | 第2種特別地域 | 第3種特別地域 | |||
438( 3.6) | 878( 7.2) | 5,247(43.0) | 3,712(30.4) | |||
公 園 区 域 12,198(100) | ||||||
変 更 後 |
特 別 地 域 | 普通地域 | 海中公園 | |||
10,289(84.2) | 1,923 (15.8) |
3箇所 23.4 | ||||
特別保護地区 | 第1種特別地域 | 第2種特別地域 | 第3種特別地域 | |||
438( 3.6) | 878( 7.2) | 5,281(43.2) | 3,692(30.2) | |||
公 園 区 域 12,212(100) |