1.湖沼の特徴等
{1}釜房ダム貯水池
仙台市等6市町の水道水源、灌漑用水、発電、洪水調整等に利用される多目的ダムである。(昭和45年完成)
昭和50年代に水道水に連続してカビ臭が発生したが、ばっ気循環施設(空気揚水筒)の稼働(昭和59年)後は異臭味障害がおさまっていた。しかしながら、平成8年末から平成9年にかけて再びカビ臭が発生している。
{2}計画の概要等
第2期の計画に挙げられた各種施策に加え、流域からの汚染源の大半(7割以上)を占める市街地・農地など非特定汚染源からの汚濁負荷対策に関する調査研究の充実、カビ臭発生機構の解明など課題解決への調査研究を充実させている。
また、流域内での畜産業についても、第1期計画期間中に施設整備等を行ってきたが、この第3期計画においてはふん尿の適正処理・有効利用を徹底させるため、「家畜ふん尿適正処理計画」を策定し、さらに充実を図っていく。
2.現状水質と水質目標値
湖沼名 | 水質項目 | 現状水質 (平成8年度) | 水 質 目 標 値 (平成13年度) | ||
施策を講じない場合 | 施策を講じた場合 | ||||
釜 房 ダ ム 貯水池 | 化学的 酸 素 要求量 | 75%値 | 2.4 [2.5] | 2.2 | 1.9 |
平均値 (参考) | 2.2 [2.3] | 2.1 | 1.8 | ||
全 燐 | 平均値 | 0.017 [0.016] | 0.018 | 0.015 |
3.第3期計画での重点施策、新規施策(*)
{1}生活排水対策
* 下水道処理区の追加(青根地区)
* 単独処理浄化槽の設置抑制
{2}家畜ふん尿処理施設等の整備
施設の有効利用の徹底による対策推進
{3}湖沼内での浄化対策
空気揚水筒によるばっ気循環の実施
{4}非特定汚染源対策
環境保全型農業の推進(側条施肥田植機の導入等施肥の適正化)
* 自然浄化機能を活用した農業排水路の検討
公園を活用した水質浄化(市街地排水の浄化)
{5}水質監視
* 頻度・回数・観測地点の増加
{6}調査研究
* カビ臭発生機構の解明
自然浄化機能の研究
農地・市街地等からの負荷実態及び対策等
諏訪湖に係る湖沼水質保全計画について
1.湖沼の特徴等
{1}諏訪湖
平均水深4.7m、最大7.2mという浅い湖である。毎年夏季のアオコの発生により悪臭の発生や景観阻害などの障害が発生している。直接取水はないが、下流で農業用水を取水しており、湖内は水産(コイ・ワカサギ等)に利用されている。近年の水質は改善傾向にあったが、平成8年度はアオコの発生期間が例年より長く、水質は悪い結果となった。
{2}計画の概要等
第2期の計画に挙げられた各種施策に加え、流域からの汚染源の大半(7割以上)を占める市街地・農地など非特定汚染源からの汚濁負荷対策の導入やさらなる調査研究の実施、長期的な水質保全対策についての検討、流域住民の行動指針策定など新たな施策が盛り込まれている。
また、人工護岸から植生豊かな護岸へ整備することによる水生植物帯での水質浄化にも着目した内容となっている。
2.現状水質と水質目標値
湖沼名 | 水質項目 | 現状水質 (平成8年度) | 水 質 目 標 値 (平成13年度) | ||
施策を講じない場合 | 施策を講じた場合 | ||||
諏訪湖 | 化学的 酸 素 要求量 | 75%値 | 11 [7.2] | 6.1 | 4.9 |
平均値 (参考) | 7.1 [5.8] | 5.8 | 4.7 | ||
全窒素 | 平均値 | 1.0 [1.0] | 0.98 | 0.75 | |
全 燐 | 平均値 | 0.094 [0.083] | 0.072 | 0.057 |
3.第3期計画での重点施策、新規施策(*)
{1}生活排水対策
* 諏訪湖流域下水道豊田終末処理場での高度処理施設整備
* 単独処理浄化槽の設置抑制
{2}湖沼内での浄化対策
底泥のしゅんせつ
{3}流入河川での浄化
* 自然浄化機能を活用した水質浄化
{4}湖辺の整備
* 水生植物帯の再生による自然浄化能力の回復
{5}工場・事業場対策
排水規制の強化
{6}家庭での生活排水対策
* 流域住民の行動指針策定
{7}非特定汚染源対策
環境保全型農業の推進(側条施肥田植機の導入等施肥の適正化)
* 透水性舗装・雨水浸透ますの整備
* 初期雨水の浄化の検討
{8}緑地の保全等
* 環境影響評価制度の条例化
{9}調査研究
自然浄化機能の研究
農地・市街地等からの負荷実態及び対策等
* 長期的な水質保全対策