(別添)パブリックコメントによる主な意見と対応

検討対象外:法改正が必要なもの若しくは他法令対象のもあるいは制度の趣旨が正しく理解されていないもの、
対応困難  :現状では対応できないもの、
反映済み  :当該基準に記載済み、
修文      :修文意見を踏まえ修文、
検討課題  :対応を進めている事項又はさらに検討が必要な事項

該当箇所提出意見対応の分類対応方針
2「管理猟区」の設定検討対象外法改正の手続きが必要
2-1「〜。このような観点から鳥獣保護区の設定には、生物多様性国家戦略を参考に、その設定に努めるものとする。反映済み鳥獣保護区の設定は生物多様性の保全にも資する旨、記述済みである。
2-2、2-3ジュゴン、アザラシ等の海洋哺乳類を対象とした保護区の設定検討対象外鳥獣保護法の運用に当たって、従来より海洋哺乳類は対象としていないため。
2-2関係者の中に水産業者も加える。修文農林業→農林水産業
2-2-(1)設定期間20年は長すぎる検討対象外鳥獣保護法上、鳥獣保護区は最長で20年間設定できることになっている。なお、設定期間については、地域の自然的社会的状況等により定められることになる。
2-2-(2)鳥獣保護区の設定及び見直しにあたっては、鳥獣の生息状況、生息環境等に関する科学的知見に基づき、鳥獣の重要な生息地の把握に努め、科学的根拠なしに鳥獣保護区から地域を外すことを行ってはならないと修文反映済み科学的知見に基づいて設定及び見直しが実施される旨、前段に記述済み
2-2-(5)「(5)地域の実情に応じ、自然とのふれあいの場、鳥獣の観察や」を追加修文「…自然とのふれあいの場又は鳥獣の観察や…」
2-3現地確認の容易な境界は重要であるが、河川を区域線とすることは適切でない。川幅数百mなら別だが、対象となる河川は山野の小河川であり、冬には多くの鳥獣が利用するため、区域線付近の狩猟を助長し、保護区機能が損なわれる可能性があるので、山稜線を区域線として水系単位の設定が望まれる。修文河川を区域線とすることを義務づけているところではなく、「…その他の現地で容易に確認できる区域線により設定するよう努めるものとする。」と修文し、より明確な表現とする。
2-3-(1)「団地状となるように、低山帯から高山帯まで偏りなく配置するよう努めるものとする。また、選定にあたっては国有林、公有林等で要件を満たすものを活用するものとする。」に追加修文反映済み科学的根拠に基づいて設定を行う旨、前段に明記しており、これを踏まえると土地所有者に係わらず保護上必要な地域に設定することとなり、国有林、公有林等も含まれる。
2-3-(3)集団渡来地の設定要件に「渡来地が当該種の同一都道府県あるいは同一地方において唯一であるか又はそれに次ぐ渡来地となっている地域」を追加修文「[1]現在、当該都道府県内において渡来する鳥類の種数又は個体数の多い地域」
2-3-(4)「〜採餌、就塒又は休息のための後背地又は水面等も可能な限り一体的に保護するものとする。」と修文修文「…採餌、就塒又は休息のための後背地又は水面等も…」
2-3-(5)「絶滅のおそれのある鳥獣又はこれに準ずる鳥獣の生息地であって,その保護上必要な地域」を削除し,次のように変更.「絶滅のおそれのある鳥獣又はこれに準ずる鳥獣のうち,狩猟により直接あるいは間接に影響を受けまた受けるおそれのある鳥獣の重要な生息地となっている地域」対応困難狩猟によってのみ希少鳥獣の生息が脅かされる訳ではないため、狩猟に影響を受ける地域のみを対象とすることはできない。
2-3-(6)生息地回廊の保護区の設定に当たっては、隣接する都府県、市町村の連携を明記すべき反映済み行政区界に接して鳥獣保護区を設定する場合は、隣接する自治体間が相互に連絡調整を図る旨、前段に記述済み
2-4-(2)大規模生息地の保護区については第8次の表現に戻す(案では猛禽類や大型獣類の生息が必然要素ととらえがちのため)対応困難従前も同様の考え方で設定を実施してきている
2-4-(8)集団繁殖地の保護区、希少鳥獣生息地の保護区等の特別保護地区内においては、特別保護指定区域の指定を積極的に行い、法8条ノ8第5項に基づき施行令3条が定める、必要な行為規制を指定するものとすると修文修文「集団繁殖地の保護区、希少鳥獣生息地の保護区等の特別保護地区内において、人の立ち入り、車両の乗り入れ等により、保護対象となる鳥獣の生息、繁殖等に悪影響が生じるおそれのある場所について積極的に指定するよう努めるものとする。」
2-5「休猟区面積の合計は、狩猟鳥獣の生息動向等を踏まえてその生息数の回復に必要な面積を確保するように努めるものとする。」に「可猟地域の3分の1となるよう努めるものとする。」を追加対応困難第8次鳥獣保護事業計画の基準では「可猟地域の3分の1」と定めていたが、全県で基準未達成であり、より各地域の実情に合った基準とする必要がある。
2-5「なお、休猟区の設定に当たっては農林業団体、狩猟者団体等の地域関係者の了解を得るものとする。」を追加修文「なお、休猟区の設定に当たっては、農林水産関係者、狩猟者、住民等地域の関係者の理解が得られるように、調整に留意するものとする。」と修文。
2-6-2原則として野生動物には餌を与えないようにすることを明記する。修文「また、身近な鳥獣生息地の保護区では、鳥獣の誘致等のための給餌・給水施設等を生態系への影響に配慮した上で必要に応じ設置するものとする。」と修文。
2-6-4鳥獣保護区における違法行為の取り締まりは、違法捕獲にとどまらないので、「等」を挿入し、違法捕獲等とする修文「〜違法捕獲の取り締まり等、採餌、営巣のための環境の維持等の観点から〜」と修文。
3-2原則として放鳥獣やそのための人工増殖は行うべきでない。また、狩猟者のためだけの放鳥事業に行政が支出するべきでない。検討対象外鳥獣保護法において狩猟資源の確保のための措置として位置付けられているものであり、財源としても狩猟のための目的税が充当されている。
3-2愛鳥モデル校で愛鳥教育の一環として狩猟鳥の放鳥を行うことは不適切であり、行わないように記述すべき。検討対象外各都道府県において判断可能であり、全国的な取り扱いとして定めるような内容ではない。なお、鳥獣保護区における積極的な放鳥は行わないこととしたところ。
4-1予察駆除は認めるべきではない。対応困難被害等のおそれがある場合の駆除も必要な場合はあるため、予察表の内容の充実により対応する。
4-1、4-2-1-1、4-2-2-ウ-4クマの予察駆除は行うべきではない。検討課題今回の基準では、捕獲数の上限の設定、モニタリングの実施をおこなうこととしており、今後、特定鳥獣保護管理計画の樹立を促していきたい。
4-2鳥獣による被害等の発生予察、被害防除対策の実施状況、被害発生原因排除対策の実施状況、駆除の実績、修文「鳥獣による被害等の発生予察、駆除の実績及び被害等の状況を勘案して〜」と修文
4-2-1-2「絶滅の恐れのある地域個体群の駆除権限は市町村に委譲しないとすべき。検討対象外全国的に絶滅のおそれのある鳥獣の捕獲許可権限は環境庁長官とされており、その他の種の取扱いについては都道府県知事が判断することとなる。なお、基準では「当該種の〜広域的な見地からの判断の必要性〜保護管理の実施体制の整備状況等を勘案した上で〜」としている。
4-2-1-3「必要に応じ捕獲の実施に立ち会う等により」を「担当職員及び自然保護団体・動物愛護団体等が立ち会う等により」に修文対応困難担当職員以外の立ち会いは、各県の判断により実行の可否を判断するものと考える。
4-2-1-4密猟や違法な捕獲等を防ぐため、有害鳥獣駆除個体の流通は禁止すべきである。検討対象外現行法においては一部例外を除き流通規制はできない。なお、クマ類に関してはタッグ制度によりその防止を図っている。
4-2-1-4「捕獲物の処理方法については、捕獲許可の申請の際に処理方法を明記させ、鳥獣保護事業の目的外の用途に転用しないように指導する。」と修文検討対象外現行法では、捕獲物の利用については一部を除き規制できない。なお、本基準案では処理方法を明らかにするよう指導することとした。
4-2-1-4サルの飼養について、鳥獣法上の飼養許可、動愛法上の危険動物の飼養許可を取ってない場合が多い。このような違法行為を助長させるサルの実験用譲渡は認められるべきではない。修文現行法では捕獲されたサルの譲渡について規制することはできない。ただし、飼養許可制度については適切な法律の運用が図られるよう対応する。「なお、捕獲した個体を生きたまま譲渡しようとする場合は、飼養許可の手続きをするよう指導するものとする。」と追加修文。
4-2-1-4サルを用いた研究は、人類の生理機能に直接関わる貴重なデータを提供し、人類の健康と福祉に多大な貢献をしてきた。本文章は、サルの有害鳥獣駆除個体の学術研究への利用を著しく規制するものであり、国益を損なう。学術研究への利用が可能となるよう修正すべき。検討対象外当該記述は捕獲物の学術研究全般の利用を奨励するものではないが、全面的に否定しているものでもない。ただし、今回の基準では利用実態を明らかにするための指導を行うことを明らかにしたもの。
4-2-1-5有害鳥獣駆除個体の売買、放置がなされているため、捕獲物の処理方法は明確に情報公開し、裏付けのとれる形にするべきである。修文捕獲物の処理方法については明らかにするように指導することとした。「鳥獣捕獲許可証を返納させる際には、捕獲場所、捕獲数、処置の概要等についての報告を行わせるものとする。」と修文。情報の公開については各地方自治体が判断すべきものである。
4-2-1-5捕獲個体が生きていて、かつ放獣不可能な場合は、その場で速やかに苦痛のない方法により致死させるべきである。捕獲行為が完了して捕獲個体が生きている場合は、捕獲許可を受けた自治体等にその占有権が発生し、動物の愛護及び管理に関する法律が適用されることを併せて明記すべきである。対応困難捕獲後の処置として飼育下で管理する場合も想定されるため、必ずしも致死させる必要はない。また、致死方法については既に記述されている。他法令についての言及は鳥獣法上の基準で述べることは不適切と考える。
4-2-1-5ITを活用して、実態把握のための情報収集の迅速化とデータベース化をはかるべき。反映済み「第5」に記載済み。なお、ITを活用した情報収集およびデータベース化、情報の活用、公開は平成14年度を目途に環境庁で事業を進めている。
4-2-2-ア「なお、法人に対する鳥獣捕獲の許可に当たっては、法人の業務実態を把握し、従事者に対して鳥獣保護管理事業についての研修を行うとともに、従事者には原則として」と修文対応困難許可できる法人は環境庁長官(大臣)により定めることとしており、業務の実態が明らかとなっている法人に限定されている。
4-2-2-イ全文削除。この表現では特にツバメ、アマツバメ類については積極的に卵の採取を推奨しているように受け取れるので不適切。修文「〜該当する場合に行うものとする。」という表現により誤解が生じたもの思われるため、「[2]鳥類の卵の採取の許可は、原則として次の1)又は2)に該当する場合のみ対象とする。」と修文。
4-2-2-オくくりワナやとらばさみで目的外の動物が誤って捕獲され、放置される事が多い。錯誤捕獲を避ける措置が必要である。修文p.14[3]およびP.37[3]へ「捕獲に伴う錯誤捕獲や事故の発生防止については〜。」と追加修文。
4-3連絡協議会等のメンバーには、学識経験者、狩猟団体、自然保護団体、動物愛護団体、地域住民も含めることを明記すべき。修文全ての地域において含めることが可能な「地域住民」を例示に含める。その他も「等」に入り得るもの。
5また、鳥獣保護センター等、..自然保護団体、動物愛護団体、鳥獣保護員と連携しつつ、..修文「また、鳥獣保護センター等研究機関、研究者、博物館、研究者等及び近隣都道府県と連携しつつ、調査研究体制を整備するものとする。」
5希少鳥獣調査を除き、調査結果は原則公開とすべき。特に狩猟対策調査と有害鳥獣対策調査については、第三者によって狩猟・有害鳥獣駆除が適切に実施されているかどうかを確認できる状況にする必要がある。対応困難情報公開については、各都道府県においてそれぞれ対処するもの。
5-3-(1)狩猟鳥のうち、個体群動態が不明ながら狩猟圧により絶滅が危惧される種(ウズラ、エゾライチョウ等)については、鳥獣保護法1条の5に定める判断のため、長期的な個体数動向を把握する必要がある。反映済み「狩猟鳥獣のうち、特に生息数の減少が著しいものについては、重点的に調査を行う」としている。
5-4「被害実態の把握についての効果的な手法の開発(例えば、被害農林家、地元の自治体、団体等からの情報の迅速な把握・通報・提供システムの整備)」を、「有害鳥獣対策調査」の一環として組み入れる検討対象外手法の開発については、鳥獣保護事業計画において行うものではない。
6特定鳥獣保護管理計画制度の見直しを求める検討課題特定鳥獣保護管理計画は、多くの県においてまだ策定したばかりか策定の準備を進めているところであり、まだ成果等が把握できないため、昨年12月に新たに追加された「第6」については改正を行わない。
7-1愛鳥週間の行事として行う「食餌植物の植栽」は原則として在来種に限るべき。修文「在来種による食餌植物の植栽」と修文する。
7-2「油汚染事件やその他の事件」と修文し、違法飼養事件などにも対応できるようにすべき。対応困難傷病鳥獣として押収された個体とは別に、取締りによって押収された個体をどう取り扱うかについては、都道府県の事情によるため、基準として定めるのは困難。
7-2交通事故、鉛中毒、釣糸等、傷病鳥獣を発生させる人為的な原因についてのデータを収集して検討し、これらを避ける予防策を研究することも記述すべき。反映済み傷病の発生要因についての情報も、収集等に努める「野生鳥獣の保護管理に関する必要な情報」に含まれている。
8-2鳥獣保護員の半数は非ハンターであるべきで、それが無理な場合でも必ずハンターでない者がいるようにすべきであるという趣旨を盛り込む。対応困難鳥獣保護員の業務は地域に密着したものである。今回の基準においては、「鳥獣保護又は狩猟制度についての知識を有し、鳥獣保護への熱意を有する人材から任命するもの」としており、、具体的には、都道府県知事がその選任を幅広く行うこととしている。
8-3保護管理の担い手として狩猟者だけでなく、狩猟者以外の人材も多数入れるべきであり、双方の意見を取り入れ偏りを防ぐべきである。修文保護管理の担い手としては狩猟者に限っていない。ただし、個体数調整等業務を行えるものは狩猟免許所持者であり、狩猟免許所持者は狩猟者である。狩猟者からの保護管理の技術・知識を有する育成は保護管理の担い手の1構成要素の確保として不可欠である。「地域住民への被害防止対策の普及等の活動を行い保護管理の担い手となる人材の育成〜する。その一環として、〜」と修文
9移入鳥獣の駆除の項目は全文削除対応困難自然生態系の攪乱や農林水産業被害等をもたらす移入鳥獣は、基本的に排除することとする。
9移入鳥獣の根絶、抑制は、どうしてもやむを得ない場合の最終手段とすることを追加対応困難移入鳥獣の排除は、可能な限り速やかに行われないと在来の生態系への影響が広がることから原文どおりとする。
9移入鳥獣については、まず輸入規制や動物取扱業の規制を徹底すべき検討対象外移入種問題への対応については、別途検討会を設け、取扱指針やガイドラインの策定等を検討しているところ。
9移入鳥獣は殺すのではなく、動物園、学校等へ送ることなどを検討すべき対応困難捕獲後の移入鳥獣の取扱は、生態系への影響を拡大させないという観点から適切に対応すべきである。
9移入種の定義に当たっては、専門家の意見をとり入れるべき検討課題別途検討会を設け、専門家も交え検討しているところ。
9放獣した者に厳重に責任をとらせるような法体制、執行体制をつくり、予防に重点を置くべき検討対象外移入種問題への対応については、別途検討会を設け、取扱指針やガイドラインの策定等を検討しているところ。
9輸入の制限、展示飼養の制限、防除策の設置、生息地への返還、リハビリ施設の設置、被害補償、繁殖制限手術の義務化等の対応が必要検討対象外移入種問題への対応については、別途検討会を設け、取扱指針やガイドラインの策定等を検討しているところ。
9-1-1-1-3-エ「愛がん飼養」は認めるべきでなく、削除すべき。対応困難第8次鳥獣保護事業計画の基準の改定において、飼養のための捕獲規制を強化したところである。現段階で直ちに全廃することは困難。
9-1-2-1-1-ア-ア学術研究の主たる目的となる研究は、「野生鳥獣との共存と生物多様性の維持に関わる理学、農学、獣医学、薬学等に関する研究」と修文すべき。対応困難人畜共通伝染病に関する研究など、野生鳥獣を捕獲しなければ達成できない医学研究は対象になりうる。
9-3将来的には管理された猟区内のみで狩猟を認める制度へ移行すべきであり、それを念頭に置いた記述が必要。検討対象外法制度全体の変更を伴うものであり、本基準での言及は不可能。
9-4捕獲を1世帯1羽に限定していても、譲り受けは単なる届け出のみのため抜け道になっている。飼養許可の基準としてもメジロ、ホオジロのみで1世帯1羽に限定すべき。修文「(4)愛がん飼養を目的とした捕獲許可により捕獲された個体を譲り受けた者から届出があった場合、譲渡の経緯等を確認することにより1人が多数の飼養をする等不正な飼養が行われないようにすること。」と記述を追加