(別紙3)
野尻湖に係る第2期湖沼水質保全計画について


1.湖沼の特徴
 野尻湖は、上信越高原国立公園に位置する天然湖沼で、周囲の山々とともに優れた自然景観を形成し、国際的なリゾート地として各地から多くの人々が訪れ、長野県の文化観光資源として重要な役割を果たしている。また、利水面では、水道水源、発電、かんがい期の農業用水等に利用されるなど多くの利用価値を有している。
 しかしながら、昭和63年に淡水赤潮が発生するなど流域の社会経済活動の発展に伴う富栄養化の進行が懸念されている。

2.計画のポイント
 第1期計画では各種対策の結果、全燐については水質目標値(環境基準値)を達成したが、CODについては達成することができなかった。そこで、第2期湖沼水質保全計画においては、第1期計画からの継続事業である公共下水道の整備等に加え、湖の生態系回復のための調査研究に重点を置き、さらに地域の自主的かつ日常的な取組強化を図る施策を充実していくこととしている。

3.現状水質と水質目標値
(単位:mg/l)
     水 質 項 目 現状水質
(平成10年度)
水質目標値(平成15年度)
施策を講じない場合 施策を講じた場合
化学的酸素
要 求 量
75%値 2.0 1.7 1.6
平均値
(参考)
1.8 1.6 1.5
全  燐 平均値 0.005 0.006 0.005

4.第2期計画での重点施策、新規施策(*)

(1)公共下水道整備事業
  指定地域内の公共下水道普及率 100%の達成

(2)地元主導による水質浄化活動への取組
  野尻湖クリーンラリーの実施
*地域懇談会等の開催による住民、専門家、行政が一体となった取組
*野尻湖憲章の制定

(3)調査研究の推進
*生態系回復のための水生植物の再生研究(ホシツリモ等水生植物復元事業、水辺整備試験施工事業)
*多面的な水質評価等に関する調査研究(体感水質記録等)
  非特定汚染源の実態把握の調査

(4)公共用水域の水質監視
*流入、流出河川の水質測定値点の増加