資料2

十和田八幡平国立公園(八幡平地域)の公園区域及び公園計画の一部変更案の概要


〈これまでの主な経緯〉
昭和11年 2月 1日十和田国立公園(十和田・八甲田地域)の指定
昭和31年 7月10日八幡平地域の区域追加及び特別地域の指定
十和田八幡平国立公園に名称変更
昭和43年 5月 1日特別保護地区の指定

〈公園の概要〉
・区域 十和田八幡平国立公園は,十和田・八甲田地域と八幡平地域からなる。
 八幡平地域は,岩手,秋田両県にまたがり,その区域は,東西約30km,南北約35kmにわたる。
・景観の特徴 八幡平,岩手山,秋田駒ヶ岳等をはじめとする40余りの火山群からなる八幡平地域では,わが国では類のないほどに多種多様な火山性の地形や噴気,噴湯等の火山現象からなる火山景観が見られる。
 火山地帯であるため温泉地も多く,その多くは東北地方特有の長期滞在型の湯治場として利用されている。ひなびた独特の湯治風景は,本地域を代表する貴重な人文景観となっている。
・動植物 標高1,000m前後を境として,下方部ではブナを主とする落葉広葉樹林が,上方部はアオモリトドマツを主とする亜高山性針葉樹林が,さらにその上の山稜部にはハイマツ林が広がっており,いずれも原始性の高い森林景観を有している。
 山腹から山稜部にかけて,随所に点在している高山植物群落や湿原植物群落などからなる高山性の植物景観(いわゆるお花畑)も,本地域の大きな魅力のひとつである。
 また,冬季のアオモリトドマツ林に発達する樹氷は全国有数の規模を誇り,特異な景観を呈するものとして特筆される。
 多様な自然環境に適応して,ツキノワグマ,カモシカなどの哺乳類,イヌワシ,アカゲラなどに代表される鳥類のほか,多種多様な動物が生息している。
・利用形態 このような変化に富む自然を有する本地域では,自然探勝,主要観光道路である八幡平アスピーテラインを利用したドライブ,花の名山として知られている秋田駒ヶ岳などへの登山,雄大な網張スキー場等でのスキー,温泉における湯治などを中心に,平成10年には年間約250万人が訪れている。

〈変更の概要〉
 本地域においては,近年の団体利用から個人・グループによる利用へといった利用形態の変化に対応するとともに,中高年,身体障害者に配慮した新たな利用施設の整備を図る必要が生じている。
 また,一部の登山道沿線では,降雨や融雪,登山者の踏み込みによる植生の荒廃や裸地化に伴う土砂流出等が見られ,その保全・修復を図る必要が生じている。
 これらのことから,現行計画を踏まえつつ,当該地域の公園区域及び公園計画の一部変更するものである。

1.公園区域の変更

 一部区域の拡張(1箇所・2ha)により,本地域の公園面積は40,491haとなる。
 拡張 1ヶ所(公園外→3特 2ha)

2.保護計画の変更

 拡張する区域(1箇所・2ha)は,自然環境などを踏まえ,第3種特別地域とする。
 拡張 1ヶ所(公園外→3特 2ha)

*地域地区別面積:単位ha(%)
特別地域普通地域


40,491(100.0)(-)
特別保護地区第1種特別地域第2種特別地域第3種特別地域
3,073(7.6)5,066(12.5)14,519(35.9)17,833(44.0)
公園区域 40,491(100)

3.利用計画の変更

 後生掛,乳頭山麓温泉群及び岩手山麓国民休暇村の集団施設地区については,地区の再整備を踏まえ,計画目標,整備方針等を変更する。併せて,乳頭山麓温泉群は田沢湖高原に,岩手山麓国民休暇村は岩手山麓に,それぞれ集団施設地区の名称を変更する。
 また,秋田県鹿角市大場谷地に,湿原探勝のための園地計画を追加する。
降雨や融雪,登山者の踏み込みによる植生の荒廃や裸地化に伴う土砂流出等が見られ,その保全修復を図る必要の生じている焼走岩手山線歩道など4路線については,新たに計画に追加するとともに,蒸ノ湯樅山線歩道などの既存歩道11路線について,現況の利用実態を踏まえて,区間等を変更する。

〈変更後の利用計画〉
(1)集団施設地区
変更3ヶ所後生掛
乳頭山麓温泉群→田沢湖高原
岩手山麓国民休暇村→岩手山麓
(2)単独施設
追加1ヶ所(大場谷地園地)
(3)道路(歩道)
追加4路線(焼走岩手山線,七滝岩手山線,後生掛大場谷地線,鶴ノ湯小森線)
変更11路線蒸ノ湯樅山線→八幡平登山線
蒸ノ湯長沼八幡平線→大沼蒸ノ湯八幡平線
八幡平安比温泉線→安比温泉黒谷地線
藤七網張温泉線
松川温泉大深岳線
御釜御苗代周回線
松川温泉滝ノ上温泉線
黒湯乳頭山線→乳頭山登山線
乳頭山国見温泉線
田沢湖高原駒ヶ岳線
東北自然歩道線