平成8年12月11日
東京外かく環状道路(松戸市〜市川市間)の環境影響評価について
東京外かく環状道路(千葉県松戸市〜市川市)については、環境影響評価実施要綱第三の二に基づき、規模が大きく、その実施により環境に及ぼす影響について、特に配慮する必要があるとして、平成8年9月27日付けで、建設大臣から環境庁長官に公害の防止及び自然環境の保全の見地から意見を求められたところである。
環境庁では審査の結果、平成8年12月11日付けで建設大臣に対して環境保全の見地から大気汚染、騒音及び水質汚濁の防止等8項目の意見を提出する。
なお、これまでに、環境影響評価実施要綱に基づき、環境庁長官意見を提出した事例としては、東京湾横断道路、中央環状新宿線、第2東名・名神自動車道等があり、今回で13回目(23路線)である。
<環境庁長官意見の内容>環境庁では審査の結果、平成8年12月11日付けで建設大臣に対して環境保全の見地から大気汚染、騒音及び水質汚濁の防止等8項目の意見を提出する。
なお、これまでに、環境影響評価実施要綱に基づき、環境庁長官意見を提出した事例としては、東京湾横断道路、中央環状新宿線、第2東名・名神自動車道等があり、今回で13回目(23路線)である。
- 東京外かく環状道路(松戸市〜市川市間)(以下「本計画路線」という。)が計画されている地域については、現状において二酸化窒素に係る環境基準が達成されていない地点もあり、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の特定地域に指定され、千葉県自動車排出窒素酸化物総量削減計画に基づき、窒素酸化物による大気汚染の防止に努めているところである。
こうしたことにかんがみ、本事業の実施に当たっては、大気汚染に係る環境保全目標の達成に最善を尽くすとともに、その一環として、局地的な汚染対策としての新たな窒素酸化物の削減技術についても、実用化に向け関係方面で進められている調査研究等の成果を踏まえつつ、必要に応じて本計画路線への適用を検討する必要がある。
- 本計画路線周辺において、騒音等に係る環境保全目標が供用開始時点より達成されるよう、遮音壁及び環境施設帯を設置する等所要の対策を講じる必要がある。この場合、インターチェンジ部、ジャンクション部及び蓋掛坑口部の周辺において、十分配慮されたい。
- 本計画路線とアクセス道路との連結等施設において、供用開始時点より交通混雑に伴う大気汚染等の環境悪化が起こらないよう、交差点改良、交通情報提供施設の設置等所要の対策を講じる必要がある。
- 工事に伴う濁水流出及び供用後の蓋掛部洗浄時の排水等に関し、関係地方公共団体と調整を図りつつ、適切な水質汚濁防止対策を講じる必要がある。
- 本計画路線区域には軟弱地盤と考えられる地域もあることから、当該施設の設置及びその供用による周辺地域の地盤沈下防止のため、関係地方公共団体と調整を図りつつ、適切な工法選択及び施工管理を行うとともに工事中及び工事完了後において環境監視を実施し、その結果に応じた工法の見直し等適切な処置を行う必要がある。
- 本事業に係る工事に伴う工事用車両による道路交通騒音等については、関係地方公共団体と調整を図りつつ、工事用車両台数の削減、平準化、工事用車両の適切な走行ルートの採用、工事用車両からの粉じんの発生の防止等工事中の環境保全に万全を期す必要がある。
また、工事に伴い発生する残土については、再利用を図るなどの極力処分所要量削減のための措置を講じるとともに、残土処分に伴う環境保全上の問題が生じることのないよう最善を尽くす必要がある。 - 工事中及び供用開始後を通じ、関係地方公共団体と調整を図りつつ十分な環境監視等を行い、環境保全目標と比較評価し、その結果を踏まえ、所要の対策を講じる必要がある。
- 今後の事業の具体化に当たっては、環境保全の観点から関係地方公共団体等と十分調整する必要がある。
東京外かく環状道路(松戸市〜市川市間)の概要 項 目 路 線 の 概 要 延長 約12.1km 通過市町村 2市 (松戸市、市川市) 車線数 専用部(自動車専用道路):4車線 一般部(一般国道298号) :4車線 走行速度 専用部 :80Km/時 一般部 :60Km/時 構造 専用部:堀割、高架 一般部:平面、高架 計画交通量(H22) 専用部 35,200〜48,700台/日 一般部 34,700〜45,300台/日 準備書公告・縦覧 平成7年12月12日 (県段階) (12月12日〜12月26日) 知事及び環境部局長 平成8年8月6日 意見提出 県都市計画地方審議会 平成8年9月3日 評価書の送付日 平成8年9月27日 (建設大臣から環境庁長官)*「東京外かく環状道路」、「今回意見照会区間 位置図」は添付ファイル参照。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室 長:寺田 達志(内線6231)
審査官:辻 祐司 (内線6236)