平成10年3月12日

「日本の水浴場55選〜清潔安心楽しい水辺〜」の選定について

今般、環境庁は、水質が良好で快適な水浴場を広く普及することを目的とした新たな顕彰制度を設け、その対象となる全国55ヶ所の水浴場を「日本の水浴場55選〜清潔安心楽しい水辺〜」として選定した。
 本顕彰制度は、「快適な水浴場のあり方に関する懇談会」の報告「今後の水浴場のあり方について」を踏まえ、より優れた水浴場を実現する観点から、全国的にみて特に優れた水浴場を顕彰する制度である。
 選定に当たり、環境庁より都道府県へ推薦を依頼したところ、対象となる43都道府県810水浴場のうち、38都道府県186水浴場の推薦があった。
 これを受け、環境庁では、「快適水浴場検討会」を設置し、これらの推薦の中から、「水質、自然環境・景観」「コミュニティ、クリーン」「安全性」「利便性」等の基準に照らして、特に優れた水浴場55ヶ所の選定をお願いし、「日本の水浴場55選」として選定した。
 認定書の交付式は、5月に実施する予定。
 なお、今回選定された「日本の水浴場55選」は3年後に見直しを行うこととしている。
1.本顕彰制度の趣旨
(1) 昨年度設置した「快適な水浴場のあり方に関する懇談会」(委員長:松尾友矩東京大学大学院工学系研究科教授)の報告「今後の水浴場のあり方について」(以下、懇談会報告)では、水浴場を国民の健全なレクリエーションの場や地域の生活文化の核としての面と、自然の水循環の一部としての面から位置づけ、総合的な観点から環境保全施策を推進することが必要としている。さらに、より優れた水浴場を実現する観点から、全国的にみて特に優れた水浴場を顕彰していくことも重要であるとしている。
(2) 今回選定された「日本の水浴場55選」は上記懇談会報告を受け、特に水環境保全上望ましい水浴場を顕彰することにより、{1}国民の水とのふれあいの機会を増し、それを通じた水環境の保全に対する理解と協力の促進に資するとともに、{2}関係自治体等のよりよい水浴場の実現への取組支援を促す、ことを目的とする。
2.「日本の水浴場55選」候補の推薦状況
 毎年行っている「水浴場の水質調査」の対象である、前年の遊泳人口がおおむね1万人以上(海水浴場)及び5千人以上(湖沼・河川の水浴場)である水浴場(43都道府県810水浴場)の中から、水質等について一定の要件を満たしているものについて都道府県に推薦を依頼した。
 その結果、38都道府県から、186水浴場の推薦をいただいた。
3.「日本の水浴場55選」選定方法及び結果
(1) 「快適水浴場検討会」(委員長:松尾友矩東京大学大学院工学系研究科教授)において、懇談会報告に基づいた選定基準の設定と186水浴場の中から優れた水浴場の選定をお願いした。
(2) 同検討会において、以下の{1}〜{5}の5項目を柱に、追加現地調査の実施等を含めて、特に優れている水浴場55ヶ所を選定していただいた。
{1}水質、自然環境・景観
1)常に水質が清浄であるか。
2)優れた景観・自然環境等が、水浴場の整備・管理等において考慮されているか。
3)水浴場の水質が良好に保たれるように、水浴場内及びその近傍から悪影響を与えるものがないように対策が行われているか。(汚水の処理、近傍の生活排水処理対策)
{2}コミュニティ、クリーン
1)水浴以外に水に親しむ場としての特色があるか。(周辺のコミュニティ施設等の整備)
2)水浴場周辺の環境保全活動や地域振興のイベント等が行われているか。
3)水浴場のごみの散乱は、利用者の快適性を大きく損なうこととなることから、水浴場のごみを適正に処理するように配慮がなされているか。
{3}安全性
利用者にとっての水浴場の安全性が、自然環境面(海岸侵食対策、海底勾配)、人為的環境面(監視・救護)から確保されているか。
{4}利便性
1)水浴場へのアクセスが適切に確保されており、かつ周辺地域に対して問題が起きないように配慮されているか。(駐車場の整備、公共交通機関)
2)トイレ、シャワー等の施設の整備状況は利用者の快適性に大きく影響することから、これらの施設が適切に設置・管理されているか。
{5}総合
{1}〜{4}及び推薦書類の「特徴」等を基に総合的に評価を行う。
(3) 上記選定結果を受けて、環境庁で、別添のとおり「日本の水浴場55選」を選定した。
4.今後の予定等
(1) 今回選定された「日本の水浴場55選〜清潔安心楽しい水辺〜」の認定書の交付式を5月に実施する予定である。
(2) 今回選定された「日本の水浴場55選」は3年後に見直しを行うこととしている。
 3年後の再選定に向けて、自治体等と協力して、さらに本顕彰制度及び望ましい水浴場の普及を図る予定である。
 (参考)
 「快適水浴場検討会」の構成
委員長 松尾友矩 東京大学大学院工学系研究科教授
委  員 磯部雅彦 東京大学大学院工学系研究科教授
委  員 金子邦親 日本ライフセービング協会理事長
委  員 岸ユキ 女優
委  員 北野大 淑徳大学国際コミュニケーション学部教授
委  員 宮沢裕 (財)日本交通公社観光計画部主任研究員
委  員 吉崎清 (社)大日本水産会専務理事

(委員は五十音順)

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局水質管理課
課 長 :一方井誠治(内線6630)
 補 佐 :増田  隆司(内線6632)
 担 当 :筑井  裕之(内線6633)