平成15年12月22日
再生循環

産業廃棄物の不法投棄の状況(平成14年度)について

平成14年度に新たに確認された産業廃棄物の不法投棄の状況について、全国の都道府県及び保健所設置市に対し調査を行い、その結果をとりまとめましたので、お知らせします。

1.不法投棄の件数及び投棄量

不法投棄件数については、14年度は934件と5年ぶりに1,000件を割った。
不法投棄量については、9年度以降40万トン前後で推移していたのが、13年度(約24万トン)にいったん大幅に減少し、14年度は約32万トンであった。
(「1.不法投棄件数及び投棄量」、「2.投棄規模別投棄件数」、及び「3.投棄規模別投棄量」参照)

2.不法投棄の実行者

不法投棄件数でみると、排出事業者が全体の半数(約48 %)を占め、無許可業者(約15%)がそれに次ぐ結果であった。
不法投棄量でみると、許可処理業者(約45%)によるものが最も多く、無許可業者(約26%)によるものがそれに次ぐ結果であった。
(「4.不法投棄実行者の内訳」参照)

3.不法投棄廃棄物の種類

14年度では、建設廃棄物が全不法投棄件数の約70%(13年度は約69%)、全不法投棄量の約61%(13年度は約72%)を占めていた。
建設系以外の廃棄物(全不法投棄量の約39%)をみると、汚泥(全不法投棄量の16%)と廃プラスチック類(同15%)の割合が高い結果となっている。
(「5.不法投棄廃棄物の種類」参照)

4.原状回復の状況

14年度に新たに確認された不法投棄事案の内、14年度中に原状回復に着手されたものは、全不法投棄件数(934件)の約69%(644件)、全不法投棄量(約32万トン)の約74%(約24万トン)であった。
原状回復に着手された事案の内訳としては、投棄実行者によって行われたものが、件数で468件(全原状回復事案の73%)、量で約19万トン(全原状回復量の81%)と最も多い結果となっている。
一方、原状回復に未着手の不法投棄事案は、全不法投棄件数(934件)の約31%、全不法投棄量(約32万トン)の約26%(約8万トン)であった。
原状回復未着手の事案の内訳としては、件数では、投棄者不明等によるものが146件(全未着手事案の約50%)と最も多かったが、量では約1.2万トン(全未着手量の約15%)と少ない結果であった。量で多かったのは、行方不明・連絡不通によるものが約2.5万トン(全未着手量の約31%)、資力不足によるものが約2.1万トン(同約26%)であった。
(「6.「原状回復の状況」参照」)

〔参考〕

1. 調査方法
環境省から都道府県及び保健所設置市に対し調査依頼。(平成15年7月調査)
2. 調査内容
不法投棄の件数及び量、投棄実行者、投棄廃棄物の種類、原状回復の状況等
3. 調査対象
平成14年度において、都道府県及び保健所設置市が把握した不法投棄事案のうち、1件当たりの投棄量が10トン以上の事案を対象。(ただし、特別管理産業廃棄物を含む事案については、投棄量が10トン未満のものを含め全ての事案を対象。)

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
適正処理推進室
 室長:   橋詰 博樹(内線 6881)
 室長補佐: 野尻 智治(内線 6883)
 担当:   深堀 孝博(内線 6889)