平成15年11月27日
水・土壌

平成14年度地下水質測定結果について

 環境省は、平成14年度に国及び地方公共団体が水質汚濁防止法に基づいて実施した、全国の地下水の水質の測定結果を取りまとめた。
 地下水質の全国的な状況の把握を目的とした概況調査の結果によると、調査対象井戸(5,269本)の6.7%に当たる351本の井戸において環境基準を超過する項目が見られた。(平成13年度の超過率は7.2%)
 項目別の超過率は、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が5.9%と最も高く、次いで砒素が1.5%、ふっ素が0.4%となっており、カドミウム他12項目については、環境基準 超過井戸はなかった。
  1. 調査の概要
      水質汚濁防止法に基づき、都道府県知事は、地下水の水質の汚濁の状況を常時監視することとされており、都道府県ごとに毎年作成される測定計画に従って、国及び地方公共団体が地下水の水質の測定を行っている。
      本報告は、平成14年度に国及び地方公共団体が実施した、地下水質測定結果の概要を取りまとめたものである。

  2. 概況調査の結果
      地下水の全体的な汚染の状況は、概況調査における評価を基本とすることとしている。平成14年度における概況調査は、調査対象井戸5,269本(1,768市区町村)において実施した。
      環境基準項目ごとの環境基準達成状況は、表1のとおりであり、環境基準を超過した項目が1項目以上あった井戸は、調査を実施した5,269本のうち351本で、超過率は6.7%(平成13年度7.2%)であった。
      項目別の超過率は、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が5.9%(平成13年度5.8%)と最も高く、次いで砒素が1.5%(平成13年度1.3%)、ふっ素が0.4%(平成13年度0.7%)となっており、カドミウム他12項目については、環境基準超過井戸はなかった。
      参考のため、環境基準設定以降の概況調査における環境基準超過率の推移を表2、表3に示す。

  3. 環境基準超過率の高い項目について
     環境基準超過率が高い上位5項目について、超過率の推移を図1に示す。
      硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、他の項目に比べ、高い超過率を示している。砒素や、ふっ素は、岩石、土壌等からの溶出等の自然的要因により、地下水で検出される場合がある。また、汚染源が主に事業場であるトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの超過率は減少してきている。
      なお、飲用井戸での汚染が判明した場合は、井戸使用者への飲用指導等の実施により健康被害の防止が図られることとなる。

  4. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水汚染について
      硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、平成5年に要監視項目に設定され、その後、平成11年2月に環境基準項目に追加された。平成11年度より水質汚濁防止法に基づく調査が実施されており、これまで、高い超過率を示している。
      全国の超過状況として、概況調査における硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の都道府県別調査結果を表4に示す。北海道、関東地方で超過数が比較的多く見られる一方、北陸、中国地方等では、環境基準を超過する井戸はなかった。
    (注)要監視項目:人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて、直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべき物質


平成14年度地下水質測定結果[PDFファイル 524KB]

連絡先
環境省環境管理局水環境部土壌環境課
地下水・地盤環境室
 室長 宮崎 正信(内線6670)
 担当 伊藤 隆晃(内線6675)
    佐藤 豪 (内線6675)