平成10年5月8日
赤土流出防止等対策検討委員会報告書のとりまとめ及び「赤土流出防止等対策シンポジウム」の開催について
平成9年度の「流域赤土流出防止等対策事業」において実施した、環境庁
農林水産省、林野庁、建設省、沖縄開発庁、沖縄県、沖縄県下市町村、学識
経験者等からなる「赤土流出防止等対策検討委員会」(座長:加藤三郎環境
文明研究所所長)の検討報告書がとりまとめられた。
環境庁と沖縄県では、本報告書の報告も兼ね、5月16日(土)13時(12時
受付開始、入場自由)から、沖縄県宜野湾市沖縄コンベンションセンターに
おいて、「赤土流出防止等対策シンポジウム」を開催することとしている。
1 赤土流出防止等対策検討委員会報告書の概要
(1) |
赤土等の流出の現状
沖縄県においては、{1}降雨等の気候要因、{2}土壌の性質、{3}地形等の赤土等の流出 しやすい要因があるが、これに、{1}農地等における農業生産活動等、{2}各種開発事業や
工事の実施、{3}米軍基地内の演習場における訓練の実施等の人為的要因や、山腹崩壊等 が加わり、赤土等の流出が起こっている。
このような赤土等の流出によって、
- 水質汚濁、水域生態系への悪影響(サンゴ礁等の荒廃)
- 水産業関連被害(養殖もずく等の収穫の減少、定置網への付着等)
- 観光、レクリェーション関連被害(ビーチの一時閉鎖、マリンレジャーの中止)
- 水道水源被害
等の被害が生じている。
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(2) |
既存の赤土等流出防止対策の総括及び今後の方向性
ア |
既存の赤土等流出防止対策の総括
{1}パインアップル畑における更新方法の改善、{2}赤土等流出防止条例の適用、{3}公共 事業における流出防止対策の充実等により、赤土等の流出防止対策としては、一定の成果
があげられていると評価できる。
しかしながら、個別的な対策については、なお問題点と改善すべき点が残されている( その改善策についても整理)。 |
イ |
赤土等流出防止対策の今後の方向性
赤土等の流出防止については、住民による主体的取組と関係者の一体的な取組が重要で ある。沖縄県においても、こうした住民と関係者の主体的、一体的な取組の成功事例であ
る、矢作川沿岸水質保全対策協議会の「矢作川方式流域管理システム」を踏まえた上で、 沖縄県の実態に即した流域協議会を設立することが有効と考えられる。
具体的には、住民代表、農林漁業団体、各種開発事業や工事の実施者、観光・レクリェ ーション関係者、教育関係者、国、県、市町村等の関係者がそれぞれ会費を分担拠出する
ことにより構成する「赤土等流出防止等対策協議会」(仮称)といった任意団体を住民主導により必要な流域に設ける。
流域協議会は、流域における赤土等の流出の現状を目視や実測による現況調査や既存の 各種調査、あるいはUSLE式等を活用して、流域での流出状況を把握する。
流域協議会においては、現状を踏まえた上で、{1}土工管理、{2}表面被覆工、{3}流出 抑制工、{4}沈殿施設設置、{5}農地において行うべき対策、{6}営農行為時に行うべき対
策等を関係者に対して技術的な指導や意識啓発活動を行ったり、相談に応ずることとする 。この際、各種対策は総合的に実施することが望ましいが、費用と効果を考えて、発生源
対策を中心に検討するべきである。特に主な発生源とされる農地の営農対策に重点をおくべきである。また、地域における身近な資源(例えばススキによるマルチング)の活用を
図るなど、創意と工夫によって必要以上に費用をかけないで、各種の対策を組み合わせて 、自らの問題として活動することが強く期待される。さらに、流域協議会に情報が集まる
仕組みを構築するべきである。 |
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2 赤土流出防止等対策シンポジウムの開催について
(1) |
趣旨
本シンポジウムでは、報告書の内容について県民の皆様にご報告するとともに、関係者が互いに協力して取り組むべき赤土等の流出防止について、皆が何をすればよいのかを考える。 |
(2) |
シンポジウムの内容
(ア) |
主催 環境庁、沖縄県 |
(イ) |
開催日 1998年5月16日(土) |
(ウ) |
開催場所 沖縄県宜野湾市沖縄コンベンションセンター |
(エ) |
シンポジウムの内容
・ 12:00〜13:00 |
受付 |
・ 13:00〜13:30 |
赤土等の流出の現状ビデオ放映 |
・ 13:30〜13:50 |
赤土流出防止等対策報告書の内容説明
(一方井環境庁水質保全局水質管理課長)
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・ 13:50〜14:20 |
基調講演「泥水に挑んで30年」内藤連三氏
(矢作川沿岸水質保全対策協議会事務局長) |
・ 14:20〜14:30 |
休憩 |
・ 14:30〜17:00 |
パネルディスカッション |
・ 17:00 |
閉会 |
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(3) |
パネラー |
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加藤 三郎 |
環境文明研究所所長(コーディネーター) |
内藤 連三 |
矢作川沿岸水質保全対策協議会事務局長 |
宇井 純 |
沖縄大学教授 |
玉里 勝三 |
嵐山土地改良区理事長 |
比嘉 義視 |
恩納村漁業協同組合 |
銘刈 三郎 |
(財)沖縄観光コンベンションビューロー専務理事 |
寺田 麗子 |
沖縄テレビ放送キャスター |
波平 俊彦 |
沖縄県文化環境部環境保全室長 |
新里 久男 |
宜野座村助役 |
一方井誠治 |
環境庁水質保全局水質管理課長 |
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(4) 司会
○ 阿波根 清 沖縄県文化環境部環境保全室赤土対策監
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質管理課
課 長 :一方井誠治(6630)
担 当 :竹内 純一(6637)