平成26年8月27日
総合政策

『「国連ESDの10年」後の環境教育推進方策懇談会報告書』の公表について

日本が提案して2005 年から開始された「国連ESD の10 年」は、2014 年に最終年を迎え、同年11 月に「持続可能な開発のための教育(ESD※)に関するユネスコ世界会議」が日本で開催されます。このことから、同会議を契機として環境教育をはじめ関連する国内のESD の取組の推進方策を検討するため、有識者の参画も得て、北川環境副大臣の下に「国連ESD の10 年」後の環境教育推進方策懇談会を本年1 月~7 月までに5 回開催いたしました。
今般、その懇談会での議論を受けて「国連ESD の10 年」後の環境教育推進方策についての報告書を作成しましたので、公表いたします。

※一人ひとりが世界の人々や将来世代、また、環境との関係性の中で生きていることを認識し、持続可能な社会の実現に向けて行動を変革するための教育(「国連ESD の10 年」関係省庁連絡会議の、我が国における「国連ESD の10 年」に関する実施計画から引用)

1.報告書の主旨

本年を最終年に迎える「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10 年」以降の、環境教育の在り方を整理するため、北川環境副大臣の下、外部有識者による懇談会を設け、報告書として取りまとめました。報告書につきましては、施策に反映させるとともに、本年11 月のESD に関するユネスコ世界会議の場においても、我が国の取組として、国内外に情報発信していきます。

2.報告書の概要

○ ESD 推進に向けた課題
【人材育成】
・ESD の実践者や、その実践者を支援する者(コーディネーター等)の数が不十分。
【教材・プログラムの整備】
・教材等が体系化されておらず、利用者が望む教材を素早く見つけることが困難。
【連携・ネットワーク】
・支援体制が不十分であるため、実践者個人に対し、必要な作業を全て依存。
【取組を効果的に推進】
・定量的な目標値も含んだ、定期的なフォローアップ等が不十分。また、ESD についての認知度が低い。

○ 主な今後の推進方策
【人材育成】
・文部科学省とも連携した教員等へのESD に関する研修の充実や、研修の講師となりうる人材の確保。
・実践者の取組を支援するプロデューサーやコーディネーター等を、活動の機会を設けて育成。
【教材・プログラムの整備】
・実践者が、自らのニーズや習熟度に応じた教材等を、容易に入手可能な仕組みの構築。
・世界の優れた環境教育・学習手法や事例に関する調査及び結果の共有を行い、教材等へも反映。
【支援体制等の整備】
・各地域の特性に応じて柔軟な支援が行える体制を全国規模で整備し、その中で、環境省や文部科学省等、事業者やNGO/NPO などの民間団体といった様々な主体も参加できるような全国的なネットワーク機能の体制整備等に取り組む必要あり。
【効果的な推進方策】
・ESD の目標を様々な主体が共有し、施策の進捗や効果を評価していく仕組みを構築。
・ESD の良さが実感出来るよう、経済・社会等と密接に関係する取組にも、ESD を取り込む。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境経済課環境教育推進室
直通 03-5521-8231
代表 03-3581-3351
室長 鈴木 義光(内線6240)
補佐 武田 玄雄(内線6267)