平成24年1月27日
総合政策
平成22年度「環境投資等実態調査」の結果について(お知らせ)
環境省では、事業活動における環境投資等の実態を定量的に把握し、その結果を具体的な環境政策に活かしていくため、「環境投資等実態調査」を平成21年度より実施しております。
このたび、平成22年度の調査結果がまとまりましたので公表します。なお、より精度の高い調査とするため、調査方法の見直しを行っております。併せて、平成21年度の調査も同様の調査方法により集計等を行いましたので、その結果についてもあわせて公表します。
- 1.調査の概要
- (1)調査期間
- 平成22年10月1日 〜 平成23年1月28日
- (2)調査対象
- ・従業員300名以上(農林漁業等一部業種については100名以上)の民間事業者から無作為抽出した6,484社
- (3)有効回答数
- ・1,551社 (有効回答率23.9%)
- (4)調査項目、集計項目
- ・
- 事業者単体における、直近の会計年度の環境保全設備投資額及び費用額(環境保全以外の全設備投資額も併せて調査)
- ・
- 上記項目について、全産業及び業種ごとの環境保全設備投資額及び費用額を推計(環境保全以外の全設備投資額も併せて推計)
- (5)調査方法の見直し及び平成21年度調査結果の再集計
- ・平成22年度「環境投資等実態調査」においては、一部調査項目の追加など見直しを行い実施しました。
- ○地球環境保全に関する設備投資額において項目の追加
- ○地球環境保全に関する費用額において項目の追加
- ○その他の環境保全活動に関する費用額において、調査項目を変更
- ・
- 調査結果の精度向上を図るため、推計値の分析を行う業種分類を、平成21年度調査の15業種から53業種に拡大し集計を行うこととしました。
- ・
- 経年比較を適切に行うため、前回平成21年度調査結果についても、平成22年度調査と同様の方法で再集計等を行っており、昨年度数値の見直しをしております。(詳細については【別添3】参照)
- 2.調査結果の概要(詳細については【別添1】参照)
- 調査結果によると、従業員300名以上(一部業種については100名以上)の事業者による本年度の環境保全設備投資額の合計は1兆5,237億円(昨年度1兆3,652億円)と推計され、設備投資額全体の推計値(39兆382億円)に占める割合は、3.9%(昨年度3.0%)です。
- その内訳は、省エネルギー設備・新エネルギー設備などの地球環境保全分野が57.1% 8,693億円(同昨年度49.4% 6,742億円)、大気汚染防止設備や水質汚濁防止設備など公害防止分野が30.9% 4,701億円(同昨年度32.8% 4,479億円)、再資源化や処理・処分のための資源循環分野が7.4% 1,120億円(同昨年度16.5% 2,249億円)、環境負荷削減のための情報システム設備等、その他が4.6% 721億円(同昨年度1.3% 180億円)などとなっています。
- 環境保全設備投資額の増加要因としては、主に地球環境保全に関する設備投資額が1,951億円増加した影響があげられます。これは、主に「運輸業、郵便業」における省エネルギー関する設備投資額が増加した他、「CDMプロジェクトへの出資」や「将来償却するCER等のクレジット購入」を新規調査項目として追加し、調査範囲を拡大したことによるものと考えられます。
- また、従業員300名以上(一部業種については100名以上)の事業者による本年度の環境保全費用額の合計は、5兆4,067億円(昨年度5兆1,036億円)と推計され、環境保全設備のリース費用や減価償却費、調査・分析費、廃棄物処理委託費、排出権購入費等により構成されています。その内訳は、環境保全を主な目的とする研究開発分野が37.6% 2兆298億円(同昨年度40.4% 2兆601億円)、資源循環分野が 22.8% 1兆2,314億円(同昨年度25% 1兆2,746億円)、公害防止分野が21.1% 1兆1,429億円(同昨年度22.4% 1兆1,433億円)などとなっています。
- 環境保全費用額の増加要因としては、主にその他の環境保全活動に関する費用額が2,507億円増加した影響があげられます。これは、調査項目の見直しを行い「その他の環境保全のための費用」を新たに追加したため、調査対象が拡大した事による影響と考えられます。また、地球環境保全費用が1,261億円増加したことによる影響もあります。これは、主に「省エネルギーに関わる費用」や「再生可能エネルギーに関わる費用」を新規調査項目として追加し、調査範囲を拡大したことによるものと考えられます。
- 環境保全設備投資額と環境保全費用額の項目別推移(単位:億円)
項目 環境保全設備投資額 環境保全費用額 平成21年度調査 平成22年度調査 増減 平成21年度調査 平成22年度調査 増減 公害防止 4,479(32.8%) 4,701(30.9%) +222 11,433(22.4%) 11,429(21.1%) ▲313 地球環境保全 6,742 (49.4%) 8,693 (57.1%) +1,951 3,721 (7.3%) 4,983 (9.2%) +1,261 資源循環 2,249 (16.5%) 1,120 (7.4%) ▲1,129 12,746 (25.0%) 12,314 (22.8%) ▲432 その他の環境保全活動 180 (1.3%) 721 (4.7%) +540 2,534 (5.0%) 5,041 (9.3%) +2,507 研究開発 20,601 (40.4%) 20,298 (37.5%) ▲303 合計 13,652 (100%) 15,237 (100%) +1,585 51,036 (100%) 54,067 (100%) +3,030
- 4.添付資料
- ・別添1 平成22年度「環境投資等実態調査」 結果
- ・別添2 平成22年度「環境投資等実態調査」 参考資料
- ・別添3 平成21年度「環境投資等実態調査」 結果(再集計)
- ・別添4 平成21年度「環境投資等実態調査」 参考資料
- 5.補足事項
- 環境保全設備投資額とは、調査対象年度における投資効果が長期間にわたって及ぶ減価償却資産への投資額のうち、環境保全を目的とした額。環境保全費用額とは、調査対象年度における財務会計上の費用に計上した額のうち、当期の環境保全対策に係わる効果に対応する費用の額であり、減価償却費を含む。環境保全目的の減価償却資産を取得した場合、その取得額が当該年度の「設備投資額」となるが、「費用」としては、基本的に、耐用年数にわたって順次減価償却費として計上されることとなる。
- 【環境保全設備投資額における主な調査項目】
- ・「公害防止」・・・・・大気汚染防止設備、水質汚濁防止設備、騒音・振動防止のための設備
- ・「地球環境保全」・省エネルギー設備・新エネルギー設備、オゾン層破壊を防止することを目的とした設備等
- ・「資源循環」・・・・・再資源化、処理、処分、資源の効率的利用設備等
- ・「その他」・・・・・・・
- 環境負荷監視等のための情報システム設備等
- 【環境保全費用額における主な調査項目】
- ・「公害防止」 ┌ 上記環境保全設備のリース費用、保守・点検費等の他、
- ・「地球環境保全」 ┤ 大気汚染・水質汚濁等の調査・分析、廃棄物処理の委託費、
- ・「資源循環」 └ 排出権購入費等を含む。
- ・「研究開発」・・・・・・・・・環境保全を主目的とした研究開発費
- ・「その他環境保全」・・・
- 緑地保全、環境情報開示、環境保全に関わる損害賠償等
- 6.来年度以降の実施について
- 平成24年度以降は、本調査結果を踏まえ調査内容を見直した上で、新たに「やさしい企業行動調査」と統合して実施します。そのため、平成23年度調査については実施致しません。
添付資料
- 【別添1】 平成22年度「環境投資等実態調査」結果 [PDF 1.0 MB]
- 【別添2】 平成22年度「環境投資等実態調査」参考資料 [PDF 22 KB]
- 【別添3】 平成21年度「環境投資等実態調査」結果(再集計) [PDF 1.5 MB]
- 【別添4】 平成21年度「環境投資等実態調査」参考資料 [PDF 675 KB]
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
直通:03-5521-8240
代表:03-3581-3351
課長:正田 寛(6260)
補佐:猿田 晃也(6263)
担当:諸田 淳(6268)