令和3年3月30日
自然環境

第11回「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」の開催結果について

令和3年3月19日(金)、小泉環境大臣、二宮経団連自然保護協議会会長出席の下、第11回「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」が開催されました。
委員会では、ポストUNDB-Jの方向性、UNDB-Jの活動期間の延長、これまでの取組や成果について議論しました。

概要

1.開催日時

 令和3年3月19日(金)14:30~16:30

2.開催場所

 オンライン開催

3.議題

 (1).ポストUNDB-Jの方向性について

 (2).UNDB-J設置要綱の改正について

 (3).これまでの取組について

議事のポイント

1.小泉大臣挨拶

  • 本日の委員会は、本来であれば、COP15でポスト2020生物多様性枠組が決定されたことを受けて、今後の10年の取組を進めるための新たなプラットフォームに活動を引き継ぐ場であったが、コロナ危機のため、COP15は10月まで延期となっている。

  • しかしながら、コロナ禍でも世界はグリーンリカバリに動いている。日本でも、菅総理のカーボンニュートラル宣言以降、急速に脱炭素の動きが広がっている。

  • 生物多様性は、その喪失は経済活動全体にとってのリスクだが、生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組むことは、むしろビジネスチャンスになる時代になっている。

  • 環境省は、経団連と一緒に「ビジネス貢献プロジェクト」を開始した。ポスト2020生物多様性枠組に貢献する優れた技術・製品・サービスをCOP15に向けて戦略的に発信することで、生物多様性に取り組むことがビジネスチャンスになることを示していきたい。

  • 本日の閣議後の記者会見で生物多様性に関して発表したことを紹介する。「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021」(JBO3)というもので、いわば日本の自然に関する人間ドックのようなもの。

  • この報告を受けて感じたのは、社会全体を生物多様性に配慮した製品が選ばれる社会、また都市部や里地里山などの生物多様性が回復する社会に、再構築、再設計、リデザインしていくことが必要だということ。

  • 多くの人たちが環境問題に関心を持ち、生物多様性に配慮した製品を世の中の消費者から選択しやすくなるような経済社会を作っていくことが重要であり、生物多様性の主流化は、こういった形で進んでいかなければならない。

  • 皆さんのお力が非常に重要です。次の10年に向けた力強い一歩が踏み出されることを期待します。

2.二宮会長挨拶

  • 新型コロナ感染拡大の影響により、COP15も延期される事態となった中でも、オンライン開催を含めた「せいかリレー」への多数の報告、「UNDB-J10周年振り返りフォーラム」も多数の参加を得て盛況に終わったことは、大変心強い。

  • 経済界でも、経団連自然保護協議会が中心となって、「生物多様性の主流化」に向けて様々な活動を推進してきた。

  • 世界が直面しているコロナ禍に対処していくために、社会の在り方全体が、大きな変革を迫られている。生物多様性分野においても、2050年の自然と共生する社会の実現に向けて、従来の価値観を変えて、行動変容につなげる取組が必要。

  • UNDB-Jのこれまでの取組は、まさに行動変容を促す取組と言える。ポスト愛知目標の下でも、引き続き多様な活動主体、マルチステークホルダ間での「連携・協働」が重要。生物多様性保全の活動の更なる深化を目指し、どのような組織・形態が相応しいか、真剣に検討を進める必要がある。更なる主流化の促進に向け、一層の協力と尽力をお願いする。

3.ポストUNDB-Jの方向性について

 事務局から、以下の内容について報告した。
 ①ポスト2020生物多様性枠組及び次期生物多様性国家戦略の検討状況について
 ②ポストUNDB-Jの方向性について

 ポストUNDB-Jの今後の方向性について意見交換を実施した。
 委員から、

  • UNDB-Jは、政府組織ではなく、マルチステークホルダーが集まって全国的な体制ができあがっている。この活動を発展させていくためには、これまで委員会を知らない方々を如何に巻き込んでいくのかを考える必要がある。特に我々の活動に近いNGO・NPOの人たちとの連携を考えて欲しい。

  • 生物多様性よりも切実な問題として伝わると実感しているのは、この動物が絶滅する、いなくなってしまうという問題。そういう意味で動物園、水族館の担う役割は大きいと感じる。身近な問題から行動変容につなげる活動を続けて欲しい。

  • 現在の構成メンバー"+α"が重要。発言力のある若者、問題意識を持った女性やビジネスマンなど、色々なところから声が上げられる形が望ましい。

  • デジタル環境の中で、普及・啓発活動を考えていく必要がある。          

    など様々な意見を頂いた。

4.UNDB-J設置要綱の改正について

 設置要綱の改正について了承された。改正内容は以下のとおり。
 <設置要綱の改正内容>
 ○設置期間を令和3年10月まで延長

5.これまでの取組について

 前回の委員会後に取組を進めてきた「せいかリレー」の結果について事務局より報告した。
 UNDB-Jの10年間の活動内容とその成果についてとりまとめた「報告書(案)」について、各委員の指摘によ
 り修正した箇所を事務局より説明し、概ね了承された。

<参考>

○第11回「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」会議資料

 下記の報道発表ウェブサイトから配布資料を確認いただけます。

 (報道発表ウェブサイト)http://www.env.go.jp/press/109275.html

○国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
 2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」です。2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された「愛知目標」の達成に貢献するため、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の問題に取り組むこととされています。
 UNDB-Jは、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、2011年9月に設立された、マルチステークホルダープラットフォームです。環境省は、事務局を務めています。

 (ウェブサイト)http://undb.jp/

 (Facebookページ)https://www.facebook.com/UNDBJ

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性主流化室

  • 代表03‐3581‐3351
  • 直通03‐5521‐8150
  • 室長河村 玲央(内線 6661)
  • 室長補佐志野 直紀(内線 6666)
  • 担当舟田 成登(内線 6668)