平成30年12月3日
地球環境

平成30年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の二次公募における第一回採択が決定しました

本日12月3日、平成30年度「二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」の二次公募における第一回採択案件として4件を選定しました。
今後も、優れた低炭素技術による世界全体の温室効果ガスの排出削減を実現するため、JCMをより一層推進していきます。

1.事業内容

 本事業は、優れた低炭素技術等を活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業です。これにより算出された排出削減量を、二国間クレジット制度(JCM)により我が国の排出削減量として計上することを目的として、事業者(国際コンソーシアム)に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。

2.採択した案件の概要

 「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業(JICA等と連携する事業を含む)」の執行団体である(公財)地球環境センター(GEC)が平成30年8月27日(月)から平成30年11月30日(金)まで、日本の民間企業等を対象にJCM設備補助事業の二次公募を行っておりました。

このたび、書面審査、ヒアリングによる二次審査およびその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり4件を二次公募の第一回分として選定しました。今後、交付決定の手続き等、JCMの実現に向けた取り組みの一環として、これらの事業を進めていきます。

<採択案件の概要①>

パートナー国 インドネシア

代表事業者 富士・フォイトハイドロ株式会社

案件名 カライ7小水力発電所における発電システム能力改善プロジェクト

想定削減量 1,133 tCO2/年

<採択案件の概要②>

パートナー国 メキシコ

代表事業者 サントリースピリッツ株式会社

案件名 テキーラ工場への省エネ蒸溜システムの導入

想定削減量 1,493 tCO2/年

<採択案件の概要③>

パートナー国 チリ

代表事業者 リベラルソリューション株式会社

案件名 サンペドロ・デ・アタカマ市における2MW太陽光発電及び4MWh蓄電池導入プロジェクト

想定削減量 2,352 tCO2/年

<採択案件の概要④>

パートナー国 ミャンマー

代表事業者 キリンホールディングス株式会社

案件名 ビール工場へのバイオガスボイラー及び廃熱回収システムの導入

想定削減量 3,508 tCO2/年

【参考1:二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)の概要】

JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。

JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイおよびフィリピンの17か国です。

JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。

(参考サイト https://www.carbon-markets.go.jp/jcm/index.html

【参考2:COP21首脳会合 安倍総理スピーチ(抜粋)(平成27年11月30日)】

先進的な低炭素技術の多くは、途上国にとってなかなか投資回収を見込みにくいものです。日本は、二国間クレジット制度などを駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていきます。

(参考サイト http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/1130speech.html

【参考3:海外展開戦略(環境)の策定(平成30年6月7日)】
 我が国の幅広い技術・経験を活かし、各国の様々なニーズを踏まえ、インフラや人材づくりの面から各国のエネルギー転換を支援。特に、欧米・中国企業等が事業組成力や価格競争力を武器に各国で再エネ・省エネ事業を拡大する中、我が国として再エネ・水素・省エネ等の低炭素型のインフラ技術を核に、世界をリードできる強力な官民の連携体制を構築して対抗することが重要。

その際、二国間クレジット制度(JCM)等を活用して、我が国の先進的な低炭素技術を普及・展開し、災害に強い再生可能エネルギーなど、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進。
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/105573.html

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表 03-3581-3351 
直通 03-5521-8354 
室長     鮎川 智一 (内線 7716)
国際企画官  小圷 一久 (内線 6757)
室長補佐   永森 一暢 (内線 6728)
担当     渡邊 翔  (内線 7736)