平成29年3月2日
地球環境

電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価に関するヒアリングの開催について(第2回)

 現在、我が国全体の約4割を占める最大の排出源である電力部門の低炭素化を進めることは、温室効果ガス排出の大幅削減のための最も重要な対策の一つです。
 このため、昨年2月に環境大臣と経済産業大臣が合意し、政策的対応等を行うことにより、電力業界の取組の実効性を確保していくこととしました。また、これらの取組の進捗状況を毎年度評価することとされております。
 これを受けて、環境省が今年度対策の進捗状況を評価するにあたり、昨年11月に第1回ヒアリングを開催し、有識者の皆様から評価の在り方等について御意見をいただきました。今回のヒアリングでは、前回ヒアリングの御意見等を踏まえ、環境省が作成した対策の進捗状況に対する今年度の評価案について、環境政策の有識者等から御意見をお伺いするものです。

1.開催趣旨

 2030年度の温室効果ガス26%削減目標やその先の2050 年の温室効果ガス排出量80%削減などに向けて、中長期の地球温暖化対策については、長期にわたってすべての主体が、あらゆる部門で持続的に対策に取り組んでいく必要があります。特に、電力部門の排出量は、現在、我が国全体の約4割を占める最大の排出源であり、電力部門の低炭素化を進めることは、温室効果ガス排出の大幅削減のための最も重要な対策の一つです。

 電力業界の低炭素化に向けた取組としては、平成27年7月17日に、電気事業連合会加盟 10 社、電源開発株式会社、日本原子力発電株式会社及び特定規模電気事業者(新電力)有志 23 社が策定した電気事業分野の「自主的枠組みの概要」及び「電気事業における低炭素社会実行計画」が公表され、これを受けて環境省と経済産業省で政策的対応について検討を行いました。

 こうした検討を踏まえ、電気事業分野の地球温暖化対策について環境大臣と経済産業大臣が合意した内容について、平成28年2月9日に両大臣から公表いたしました。具体的には、電力業界の自主的枠組みに対しては、引き続き実効性・透明性の向上等を促していくとともに、政府における政策的対応として、エネルギーの使用の合理化等に関する法律やエネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の基準・運用を強化し、電力業界全体の取組の実効性を確保することとしております。さらに、2030年度の削減目標やエネルギーミックスと整合する排出係数0.37kg-CO2/kWhという目標の達成に向けて、これらの取組が継続的に実効を上げているか、毎年度進捗状況を評価することとしております。

 これを受けて、環境省が今年度対策の進捗状況を評価するにあたり、昨年11月に第1回ヒアリングを開催し、有識者の皆様から評価の在り方等について御意見をいただきました。今回のヒアリングでは、前回ヒアリングの御意見等を踏まえ、環境省が作成した対策の進捗状況に対する今年度の評価案について、環境政策の有識者等から御意見をお伺いするものです。

2.日時・場所

日時 平成29年3月10日(金) 15:00~16:30

場所 TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール22G

http://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-tokyo-otemachi/access/

東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル 22F

3.議題(予定)

電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価案について

4.出席者(予定)

浅野 直人 福岡大学 名誉教授

伊藤 敏憲 伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー 代表取締役 兼 アナリスト

大塚 直  早稲田大学法学部 教授

橘川 武郎 東京理科大学大学院イノベーション研究科教授

5.傍聴について

 会議は公開で行います。傍聴を御希望の方は、件名に「電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価に関するヒアリング(第2回)傍聴希望」と記入し、平成29年3月8日(水)12時までに以下の連絡先に電子メール又はFAXのいずれかにてお申し込み下さい。傍聴登録締切り後、希望者多数の場合は抽選し、御連絡します。

6.取材について

 マスコミ関係の方は、取材登録をお願いします。取材を希望される方は、件名に「電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価に関するヒアリング(第2回)取材希望」と記入し、平成29年3月8日(水)12時までに以下の連絡先に電子メール又はFAXのいずれかにてお申し込み下さい。なお、カメラ撮りは会議の冒頭のみとし、当日は腕章の着用をお願いいたします。

【連絡先】

環境省地球環境局総務課地球温暖化対策制度企画室 担当 海部、湯山

TEL 03-3581-3351 (内線6737、7781)

直通  03-5521-8195 

FAX 03-3580-1382

電子メール Seido_CLIMATECHANGE@env.go.jp

(参考)「電気事業分野の地球温暖化対策について」(平成28 年2月9日閣議後記者会見における丸川環境大臣発言要旨)(抄)

 今後の電気事業分野における地球温暖化対策については、以下に述べる事項を含め、引き続き平成25年4月25日の「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」に沿って実効性ある対策に取り組むこととします。

1.経済産業省は、電力業界に対し、電力業界の自主的枠組みについて、引き続き実効性・透明性の向上や加入社の拡大に取り組むとともに、2030年度に排出係数 0.37kg-CO2/kWh という目標達成に向け真摯に取り組むことを促していきます。

2.また、政策的な対応として、経済産業省は、

○ 省エネ法に基づき、電気事業法上のすべての発電事業者に対して、石炭火力発電所等の新設基準や火力発電の運転時の発電効率のベンチマーク指標を設定する

○ エネルギー供給構造高度化法に基づき、非化石電源についてエネルギーミックスと整合的な数値を設定する

といった措置を講じつつ、これらを、指導・助言、勧告・命令を含め適切に運用することにより、エネルギーミックス達成に向け責任をもって取り組んでいきます。

3.さらに、私からの要請を踏まえた対応として、

①エネルギー供給構造高度化法に基づく小売電気事業者の取組について、経済産業省から環境省に連絡します。

②各小売電気事業者のCO2排出係数について、経済産業省は、電気事業法に基づく小売営業ガイドラインにおいて、排出係数の開示を「望ましい行為」として規定します。

③さらに、地球温暖化対策推進法に基づく政省令を改正し、既存の事業者のみならず、今年4月の小売全面自由化後の新規参入者を含むすべての小売電気事業者に対し、両省から、CO2排出係数の実績報告への協力を要請することとします。さらに、報告対象に、前々年度の実績等も追加することにより、報告内容も充実させます。

4.また、環境省による進捗状況の評価の検討に資するため、毎年度、経済産業省から、発電施設の設備容量や省エネ法のベンチマーク指標に関する発電事業者の取組状況等の資料を受け取ることとします。

5.当面、以上により取り組んでいくことにより、電力業界全体の取組の実効性を確保することとしますが、2030年度の削減目標やエネルギーミックスと整合する2030年度に排出係数0.37kg-CO2/kWhという目標を確実に達成していくためには、これらの取組が継続的に実効を上げているか、毎年度、その進捗状況をレビューし、省エネ法及びエネルギー供給構造高度化法に基づき、必要に応じて指導を行い、取組が著しく不十分と判断される場合には指示・勧告等を行っていくことが必要です。電気事業分野からの排出量や排出係数等の状況を評価し、0.37kg-CO2/kWh の達成ができないと判断される場合には、施策の見直し等について検討いたします。

連絡先
環境省地球環境局総務課地球温暖化対策制度企画室
代表  03-3581-3351
直通  03-5521-8195
室長    成田 浩司(内線7716)
室長補佐  海部 愛 (内線6737)
担当    湯山 桃子(内線7781)