国際再生可能エネルギー機関(IRENA)等との共催による「小島嶼開発途上国(SIDS)における再生可能エネルギー導入のためのファイナンスワークショップ」の開催結果について
本ワークショップは、昨年度開催した環境省・IRENA共催ワークショップのフォローアップとして、太平洋の小島嶼開発途上国(以下、「SIDS」という。)における持続可能なエネルギーへの移行の加速と気候変動問題への対処を目的として開催されました。国際機関等による資金支援スキーム、SIDSでの再生可能エネルギー導入事例等が紹介されるとともに、特に資金スキームの活用、人材育成、運輸部門での案件形成等の課題について活発な議論が行われ、多くの建設的な意見が共有されました。環境省からは、SIDSに対する主な支援として、IRENAと協働した研修等の実施、二国間クレジット制度(JCM)、緑の気候基金(GCF)等の取組みを発表しました。
1.会合概要
日程 |
平成28年12月1日(木)~3日(土) |
主催(順不同) |
日本国環境省、国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency: IRENA)、米国(エネルギー省、国務省)及び太平洋共同体(SPC) |
協力 |
(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)、アジア工科大学(AIT) |
開催場所 |
Tanoa International Hotel(フィジー・ナンディ) |
参加者 |
太平洋の小島嶼国の行政官、国際機関等の担当官等(16ヶ国・地域、15 機関) 約40名 |
2.結果概要
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開会に当たり、IRENA、米国エネルギー省及びSPCの代表者から、開催への祝意と実りある成果への期待が表明されました。環境省からは、持続可能な開発のための2030アジェンダ及びパリ協定の実施の観点から、このようなワークショップを通じてSIDSの再生可能エネルギー導入を更に前進させることが重要である旨を述べました。
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アジア開発銀行、世界銀行、地球環境ファシリティ、国連開発計画等の国際機関等の各担当者から、機関の役割及びSIDSが利用可能な資金スキームが紹介され、特に緑の気候基金(GCF)の活用方法について活発に議論されました。また、SIDSにおける再生可能エネルギーのプロジェクト支援事例が発表されました。
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SIDSからは、各国で実施されているプロジェクトの紹介とともに、資金面を中心とした課題が共有されました。これらをベースに国際資金スキームについて活発な議論が行われ、資金スキーム毎にルール・手続きが異なりかつ複雑であること、SIDSに多い小規模プロジェクトは単独成立が困難でバンドリング等の仕組み導入が必要であること、効率的な協調支援のために金融機関同士の一層の協力が求められること等の意見が共有されました。
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「能力構築」「運輸部門」をテーマに2つの分科会が実施されました。「能力構築」では、SIDSへの支援は引き続き高い必要性があることが認識され、ニーズに即した支援を当該国において実施することが効果的であることが共有されました。「運輸部門」については、緑の気候基金(GCF)への申請を念頭に置き、自動車の電動化等どのようなプロジェクト形成が可能かについて、活発な意見交換が実施されました。
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環境省からは、3日目のセッションにおいて、IRENAと協働した研修等の実施、二国間クレジット制度(JCM)、GCF等のSIDSの再生可能エネルギー導入を支援する取組みを発表しました。また、気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)で公表された「日本の気候変動対策イニシアティブ」を紹介し、多くの関心が寄せられました。更に、閉会に当たっては、このワークショップを更なる契機として、SIDSへの再生可能エネルギー導入が加速化することへの期待を表明しました。
【参考】
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)
平成22年に設立された、再生可能エネルギーの普及・促進を目的とした国際機関。我が国は、設立当初から理事国に選出され、特に再生可能エネルギーの開発途上国における展開を支援している。現在150ヶ国が加盟し、本部をアラブ首長国連邦・アブダビに置く。
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平成27年8月17日
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)との共催による「小島嶼開発途上国(SIDs)における再生可能エネルギーのためのファイナンスワークショップ」の開催結果について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/101357.html
平成28年2月22日
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)との共催による「アジア太平洋島嶼国における再生可能エネルギー導入支援研修」の開催結果について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/102131.html
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