平成28年9月8日
地球環境

平成28年度環境調和型バイオマス資源活用モデル事業委託業務の採択案件について

環境省では、地域内に存在する家畜ふん尿や食品残さ等のメタン発酵にて生じた消化液を下水処理施設で適正に処理することにより、地域環境を保全しつつ、メタンを活用したバイオマス発電で得られた電力・熱を下水処理施設等に供給して二酸化炭素削減を図り、低炭素社会と循環型社会を同時達成する処理モデルの構築を目指すことを目的とした「平成28年度環境調和型バイオマス資源活用モデル事業委託業務」を行う事業者の公募を行いました。応募案件について審査を行った結果、2件を採択しましたので、お知らせいたします。

1.事業の概要

二酸化炭素削減目標達成のため、地域資源を活用した再生可能エネルギー導入拡大への期待が高まる中、家畜ふん尿や食品残さ等から得られるメタンを活用したバイオマス発電が展開されているものの、メタン発酵において生じる消化液を液肥として牧草地等に散布することによる地下水への影響が懸念されており、顕在化している例もあります。

本業務では、低炭素社会と循環型社会を同時達成する処理モデルの構築を目的として、以下の3つの要素を連携させ、二酸化炭素削減と消化液の処理を両立させたモデルの実証を行います。

 ①家畜ふん尿等のメタン発酵において生じる消化液の処理の課題解決

 ②下水処理場における処理能力の有効活用

 ③バイオガス発電によって得られるエネルギーの有効活用

2.公募実施期間

平成28年6月30日(木)~平成28年7月29日(金)

3.審査方法

公募期間内に応募のあった4件について、書面審査及び外部有識者で構成される審査委員会によって評価を行いました。その結果、2件を採択しました。

4.採択事業者、提案事業概要

①熊本市(事業実施場所:熊本市)

熊本市が整備を行う家畜排せつ物処理施設の堆肥生成過程で生じた家畜排せつ物の液状分を下水処理施設の消化タンクに投入し、バイオガスを生成する。バイオガスは、発電機を用いて電力及び熱源として下水処理場内で利用することで、温室効果ガス削減につなげる。

②富士開拓農業協同組合(事業実施場所:富士宮市)

富士開拓農業協同組合管内の家畜排せつ物を原料としたバイオマスプラントにおいて生じた消化液を下水処理場に運搬・処理する。バイオマスプラントによって発電された電力についてはバイオマスプラント内で利用するするほか、電力会社の送配電の活用により下水処理場に供給し、消化液の処理に必要なエネルギーとして利用することで温室効果ガス削減を目指す。

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室
室長  :福島 健彦(内線6771)
室長補佐:高橋 和紀(内線6759)
係長  :嶋田 章 (内線6729)
担当  :前田 修二(内線6762)