(仮称)福岡都市計画道路 1・4・3号都市高速道路3号線延伸事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)
本事業は、福岡高速3号線を福岡空港方面に約2km延伸する事業である。また、当該配慮書において、ルートの位置・構造に関する複数案を設定している。
環境大臣意見では、高架案(迂回案含む)の採用の可否に当たり、住居等保全対象への騒音や排気ガスの影響を回避・極力低減できるか慎重に検討すること、騒音影響について適切に調査・予測・評価を行い、当該地域の騒音を効果的に低減できる環境保全措置を検討すること、トンネル案を採用する場合は、詳細なルート・構造の検討に当たり、地下水環境への影響に配慮すること等を求めている。
1.背景
環境影響評価法では、4車線以上の首都高速道路等の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、計画段階環境配慮書(※)について、国土交通大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
本件は、(仮称)福岡都市計画道路 1・4・3号都市高速道路3号線延伸事業に係る計画段階環境配慮書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣から都市計画決定権者である福岡市に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、福岡市は、意見の内容を検討したうえで詳細計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。
※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。
2.事業の概要
本ルート帯及びその周辺の地域は、市街地が形成されており、都市計画において準工業地域、第一種住居地域に指定されている。また、自動車騒音が環境基準を超過している等、複数の騒音発生源により生活環境が悪化している地域である。さらに、本ルート周辺の地域には、浮遊粒子状物質が環境基準を達成していない地点がある。
本事業は、このような地域において、福岡高速3号線を福岡空港方面に約2km延伸する事業である。供用時に相当程度の交通量が見込まれる自動車専用道路を、高架又はトンネル構造で建設することを計画しており、本事業の実施に伴い、主に大気質及び騒音による生活環境への影響、地下水及び地盤等への影響が想定される。
3.環境大臣意見の概要
(1)対象事業実施区域の設定
区域の設定に当たり、環境の保全上重要と考えられる以下について、事業の影響を回避・極力低減すること。特に、豊ジャンクション周辺は、[1]、[2] が集中して立地する区域に隣接するため十分配慮すること。
[1] 学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設
[2] 住居
[3] 重要な動物の生息地
[4] 大井中央公園、榎田中央公園
(2)環境影響評価の項目の選定
上記の重要な保全対象が区域やその周囲に存在する場合は、これらを考慮して、環境影響評価の項目を適切に選定すること。
(3)各論
[1] 大気質
本事業の実施に伴う保全対象への排気ガスの影響を回避・低減するため、詳細なルート・構造の検討に当たり、以下(i)、(ii)に留意すること。
(i)ルートの複数案
迂回案は、既存道路活用案と比較して、排気ガスの影響が大きくなるおそれがあることから、採用の可否にあたり、保全対象への影響を回避・極力低減できるか慎重に検討すること。
(ii)構造の複数案
高架案(迂回案含む)は、トンネル案と比較して、排気ガスの影響が大きくなるおそれがあることから、採用の可否にあたり、保全対象への影響を回避・極力低減できるか慎重に検討すること。また、トンネル案を採用する場合、トンネル坑口及び換気塔を設置する場合はその周辺の保全対象への影響を回避・極力低減するよう検討すること。
[2] 騒音
本事業の実施に伴うルート帯周辺の保全対象への自動車騒音の影響を回避・低減するため、詳細なルート・構造の検討に当たり、以下(i)、(ii)に留意すること。また、方法書以降の手続きにおいては、当該地域の騒音影響を適切に把握するための調査を実施した上で予測・評価を行い、当該地域の騒音影響を効果的に回避・低減できるよう、適切な環境保全措置を検討すること。
(i)ルートの複数案
迂回案は、既存道路活用案と比較して、騒音影響が大きくなるおそれがあることから、採用の可否に当たり、保全対象への影響を回避・極力低減できるか慎重に検討すること。
(ii)構造の複数案
高架案(迂回案含む)は、トンネル案と比較して、騒音影響が大きくなるおそれがあることから、採用の可否にあたり、保全対象への影響を回避・極力低減できるか慎重に検討すること。また、トンネル案を採用する場合、トンネル坑口周辺の保全対象への影響を回避・極力低減するよう検討すること。
[3] 地下水・地盤
トンネル案を採用する場合は、トンネル工事及び地下構造物の設置に伴う地下水・地盤への影響を回避・低減するため、詳細なルート・構造の検討に当たり、地下水環境への影響に配慮すること。また、方法書以降の手続きにおいては、当該地域の地下水位等を適切に把握するための調査を実施した上で予測・評価を行い、適切な環境保全措置を検討すること。
[4] 動物
ニッポンバラタナゴ等の希少な淡水魚等が生息している可能性があり、これら重要な動物への影響を回避・低減するため、詳細なルート・構造の検討に当たり、生息地の改変や水の濁りの抑制に配慮すること。
[5] 廃棄物等
本事業の実施に伴う発生土等による周辺環境への影響を回避・低減するため、詳細なルート・構造の検討に当たり、発生土量の抑制に配慮すること。また、発生土の仮置き場を設置する場合は、住民の生活環境への影響に配慮する等、影響の回避・低減に努めること。
【参考】
○事業概要 ○環境影響評価に係る手続 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:岸田 周(内6253)
電話:03-3581-3351(代表)
03-5521-8237(直通)