取組の要旨

当社は長年、ごみ処理施設であるシャフト炉式ガス化溶融炉の建設・操業を通じて、ごみの再資源化による最終処分場の延命化に取組んでいます。本施設から産出される溶融スラグは主に路盤材等の土木用に再利用されていますが、当社はその成分に着目し、農業・海洋分野への適用拡大に挑戦しています。地域のごみを地域で有効活用する地産地消モデルは、環境貢献に加え、溶融スラグを原料とした商品の製造・販売により、社会・経済効果も期待できます。

実績の要旨

溶融スラグの肥料化を推進すべく、静岡市・静岡大学のご協力を得て、静岡市西ケ谷清掃工場から産出される溶融スラグを使った水稲の生育評価試験を行い、収穫量で2-3割、けい酸吸収量で2-6割の増加を確認しました。溶融スラグ成分・安全性が長期に安定することも検証し、一般廃棄物由来のけい酸質肥料としては全国初の仮登録（平成29年）、本登録（令和4年3月）を完了、静岡県内の農家を中心に販売し、高い評価をいただいております。