環境省グッドライフアワード受賞取組に学ぶギャザリングセミナイメージ写真

環境省グッドライフアワード受賞取組に学ぶ
ギャザリングセミナー
自然と共生するローカルSDGs
GOOD LIFE GATHERING
開催レポート
2024年8月27日(火)

イントロダクション

Introduction

「地域循環共生圏」作りを目指して、環境と社会によい様々な活動を環境大臣賞として表彰して応援するグッドライフアワード。今年は12年目を迎え、現在までの累計で約2000件を超える応募をいただき、環境大臣賞、実行委員会特別賞を合わせて359件の受賞取組を輩出してきました。

グッドライフアワードは単に表彰するだけでなく歴代の受賞者同士、さらに多くのローカルSDGsを目指す皆さんのコミュニケーションの輪を広げていくことを目指しています。その一環として今年も歴代の受賞者とグッドライフアワード実行委員そして環境省が交流を深める「グッドライフギャザリング2024」を実施しました。

今年は「自然と共生するローカルSDGs」をテーマに2つの受賞取組にご参加いただきオンラインで開催、社会課題と事業化の両立の秘訣や受賞後の活動の広がりなどを約10分間でプレゼンテーションしていただきました。

また、ローカルSDGsを目指す仲間同士、「地域循環共生圏」づくりの知恵を共有する有意義なコミュニケーションの機会となりました。ぜひ、皆さまの活動の活性化やコラボレーションの契機とするためにお役立てください。

主催者挨拶/応募の案内

Opening Talk

環境省グッドライフアワード応募説明会

環境省 大臣官房地域脱炭素推進審議官

大森恵子

最初に環境省の大森恵子地域脱炭素推進審議官より挨拶があり、参加者に向け12年目を迎え多数の応募によりグッドライフの輪が確実に広がっていることに感謝を述べました。また地域循環共生圏とグッドライフアワードの関係について、環境施策の最前線の動きを交えて説明。

特に、第6次環境基本計画ではウェルビーイングな社会構築のために新たな成長を目指していること、そのためには、地域の中で環境・社会・経済の課題を同時解決するSDGsの視点を取り入れた事業・プロジェクトを数多く生み出していく持続可能な地域づくりの考え方である「地域循環共生圏」を進める必要があること、さらにその中で優れた取組を表彰する「グッドライフアワード」が重要であることを紹介しました。

イントロダクション/グッドライフアワードについて

Introduction/Check Points

環境省グッドライフアワード応募説明会

グッドライフアワード 総合プロデューサー
BBT大学大学院 経営学研究科 MBA 教授 / BBT大学 経営学部 教授

谷中 修吾氏

谷中修吾総合プロデューサーよりグッドライフアワードを受賞することで、多くの人に取組を知ってもらい、活動する地域の自治体や地域メディアなどとのつながりが深まり、活動を拡大するきっかけになっていることを紹介。

また、活動の拡大を通じて何度もエントリーしていただく取組も増えており、2年連続受賞やステップアップ受賞をする取組も現れていることも紹介。過去11年間を通じて受賞者同士の交流を深める受賞コミュニティが拡大し、単に受賞するだけにとどまらないアワードの活用方法などのアドバイスをいただきました。

環境省グッドライフアワード応募説明会

受賞取組ゲストトーク

Guest Talk

環境省グッドライフアワード応募説明会

酒蔵だけど酒蔵じゃない!
令和元年創業やまね酒造のニホンヤマネと環境保全活動への挑戦

やまね酒造株式会社
生物研究家
やまね酒造株式会社 代表取締役 兼 生物多様性・環境生態学研究センター長

若林 福成氏

第11回グッドライフアワード EXPO2025いのち動的平衡賞受賞

やまね酒造は令和元年に埼玉県飯能市で設立され、同年に「やまね酒造 生物多様性・環境生態学研究センター」も設置。ニホンヤマネが住む飯能の森の木を使った木桶仕込みによる酒造りを行い、同時に木桶の発酵文化を次の世代に伝えるべく酒造り体験や酒蔵がある周りの自然環境を伝えるエコツアーも開催しています。お酒の売上をニホンヤマネの調査・研究に充て、ビジネスの力で環境保全活動を継続的に行えるよう日々活動しています。

2022年より、木桶仕込みのお酒の製造・販売に加え、ヤマネが住む飯能に直接お客様に来てもらいたいという願いから民泊・BBQ事業も開始しました。宿泊が可能となったため夜行性であるヤマネが生息する森での夜間観察会を実現。さらには飯能の自然を満喫するエコツアーを今までに30回以上開催するまでになりました。2023年には全国各地から、げっ歯類ファンや大学の研究者の方々を集めた「第1回 ニホンヤマネサミット」を主催・開催しています。

今回は、やまね酒造の代表取締役であり生物多様性・環境生態学研究センターのセンター長を兼任されている若林福成さんが、肩にかわいいやまねを乗せながら、活動の考え方や、他の企業や大学と連携し調査・研究・保全活動を充実させ「ニホンヤマネフィールドミュージアム」の設立などの今後の展開をプレゼンテーションしていただきました。

環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会

詳しい活動内容はこちら

やまね酒造株式会社
グッドライフアワード受賞取組
*動画のアーカイブはご覧いただけません。ご了承ください。

環境省グッドライフアワード応募説明会

SDGsライフスタイルを広めるイベント「ロハスフェスタ」の開催

ロハスフェスタ実行委員会
ロハスフェスタ事務局長

森永 直花氏

第11回グッドライフアワード EXPO2025いのち動的平衡賞受賞

2006年に始まったロハスフェスタは「みんなの小さなエコを大きなコエに」を合言葉に、健康と環境を大切にするライフスタイルイベントです。ナチュラルな衣食住関連グッズを集め、手作り体験や自然体験なども提供しています。これらを通じてサステナブルファッション(アップサイクルやフェアトレードなど)、フードロス削減、資源循環、気候変動対策など、SDGsの啓発と行動を促進しています。また、出展者の約75%が女性で、女性のいきがいや複業・起業にもつながっています。

現在までに、65回開催しており、のべ420万人以上の方に参加してもらいました。最初に開催した大阪の万博記念公園をはじめ福岡の国営海の中道海浜公園、広島のひろしまゲートパーク、兵庫県淡路島の国営明石海峡公園、東京の光が丘公園の5箇所での開催に広がっています。

1日約2万人が来場し、出展者数も約1,000店(万博記念公園会場)に拡大、アップサイクル、フードロス、フェアトレード等、サステナブル関連の出展者数は約40%にのぼっています。環境問題やSDGsに関心が高い来場者に対し地域や生活者が実践・発信するSDGsの取組を体感してもらっています。

今回登壇のロハスフェスタ実行委員会、ロハスフェスタ事務局長の森永直花さんからグッドライフアワードを受賞してから、様々な場でプレゼンテーションする機会が増え社会的認知度の向上や出店者・自治体などへの信頼性の向上、スタッフの士気向上などに大きな効果があったというお話をうかがいました。

環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会

詳しい活動内容はこちら

ロハスフェスタ
グッドライフアワード受賞取組
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グッドライフアワード実行委員

Expert Talk

環境省グッドライフアワード応募説明会

グッドライフアワード実行委員【EXPO2025いのち動的平衡賞担当】
青山学院大学 教授 / 米国ロックフェラー大学 客員教授

福岡 伸一氏

続いて、グッドライフアワード実行委員の福岡伸一氏から、自然や生命のあり方を表す「動的平衡」という考え方の重要性と、その考え方にかなった活動を「EXPO2025いのち動的平衡賞」として表彰する意味や具体的な活動例などを紹介していただきました。

「動的平衡」とは、自然現象や生命は「絶え間ない流れの中で一種のバランスが取れた状態」のことであり、分解と合成を絶え間なく続けることで均衡を保っていくことをさしています。生命体も自然も、互いに他を支え合って均衡を保っていく相補性や利他性を持っていると考えられます。SDGsや環境の様々の問題を考える際も根底に、自然が持っている「動的平衡」を支えていくことが大事になります。

福岡委員は、担当する「EXPO2025いのち動的平衡賞」では、生命現象の中の相補補完性や利他性といったつながりを大切した取組を表彰していきたいと賞の意義を紹介。具体的な例として、日本の森林に手入れして本来持っている「動的平衡」を回復させようとする取組、あらかじめ分解しアップサイクル、リサイクルを容易にできるプロダクトを開発する取組などをあげてわかりやすく紹介していただきました。

環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会
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グッドライフアワード応募案内

Message

環境省グッドライフアワード応募説明会

環境省 大臣官房地域政策課地域循環共生圏推進室長

石川拓哉

第12回を迎えたグッドライフアワードの募集概要について、担当の石川室長より説明がありました。第6次環境基本計画で位置づけられた「ウェルビーイング」を目指す地域循環共生圏とグッドライフアワードの関係を説明し、「環境大臣賞を大盤振る舞い」することでローカルSDGsの実現を目指す全国の皆さまを応援し、コミュニティづくりを推進するアワードであるという趣旨をアピールしました。

またグッドライフアワードの賞の体系や募集締め切りや表彰式など今後のスケジュールを説明、単に賞を授与して終わりではなく受賞者の皆さんの広報活動に環境省として協力したり、受賞者同士のコミュニティと通じて連携を深めていきたいという思いを訴えました。

環境省グッドライフアワード応募説明会

実行委員からのメッセージ

Message

環境省グッドライフアワードでは合計10件程度の環境大臣賞が表彰されます。また審査を担当する9名の実行委員によってそれぞれの専門分野に関わる優れた取組を表彰する実行委員会特別賞が各3件程度(合計27件程度)選ばれます。

カンファレンスでは、益田文和実行委員長を始め委員の皆さまがオンラインで登場。応募を検討中の参加者の皆さまに向けて、熱いメッセージを発信しました。

益田委員長からは「福岡委員のお話をここまでしっかり聞けるのはとても貴重なことなのでぜひ参考にして欲しい」というお話があり、またやまね酒造とロハスフェスタの取組の素晴らしさと今後の活動への熱いエールが送られました。最後に本アワードの意義に触れつつ、視聴者の今後の活動への励ましとなる温かいメッセージが送られました。

環境省グッドライフアワード応募説明会
環境省グッドライフアワード応募説明会

グッドライフアワードは応募者であるみなさんが主役です。今年もたくさんのご応募をお待ちしています。ぜひご応募をご検討ください!

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