地球環境研究総合推進費 中間評価(3年度目、延長の可否の評価) 評価結果
実施期間
課  題
課題代表者
(H13時点)
総合評価
今後の研究体制
今後の研究目標の設定
ヒアリング時の説明の仕方
高く評価できる
サブテーマ番号
低い評価となる
サブテーマ番号
※ア~ウの区分については総括表を参照のこと
1
2
3
1
2
3
H12一般
(12~14)
*中間評価*
(2回目、2年間の延長評価)
B-54 アジア太平洋地域統合モデル(AIM) を基礎とした気候・経済発展統合政策の評価手法に関する途上国等共同研究 環境省国立環境研究所
(甲斐沼 美紀子)
A
 
 
 
 
 
 
(研究概要)
 地球温暖化対策は1997年の京都会議を契機に大きな進展が図られようとしているが、気候変動枠組条約の目標である気候安定化を達成するには、先進国のみならず発展途上国を含めて、今後一世紀にわたって温室効果ガスの一層の削減対策が求められている。特に、アジア地域の発展途上国は、高い経済成長のポテンシャルとともに公害などの深刻な国内問題を抱えており、気候政策だけでなく、気候政策と地域環境政策等の国内政策、あるいは気候政策と経済政策を同時に有機的に実施していくことが不可欠である。このような政策ニーズに対応するために、新たな政策評価の枠組みと方法論を開発し、これらを発展途上国に移転することを目的とする。
(評価コメント)
※①多様な評価コメントの中に、被評価者による今後の研究にとって有益な情報が含まれているであろうこと、②今後研究成果を科学や社会へ積極的に還元していく上で、研究に対する外からの見方や受け止め方の多様性を、被評価者に理解していただくことが有用であろうことを勘案し、右の評価ランクの結果と整合的でないコメントが含まれる場合もあることを承知の上で、各評価者からの多様なコメントを可能な範囲で列挙した。
 研究課題代表者は、評価ランクを評価者全体の評価結果として捉えた上で、全ての評価コメントの反映を目指すのではなく、各コメントの中で、今後活かすべき重要な指摘や示唆が何かを吟味・判断の上、今後の研究計画の見直し等に活用して欲しい。
◆研究の構想が極めて明解であり、現実的な成果が期待される。また研究成果の波及効果も極めて大きいと期待される。
◆着実に実績を上げていると思われる。
◆統合モデルの開発と途上国移転との関係をもう少し整理して、推進してはどうか。両者は密接不可分とはいいながら、現状は研究者の負担が大きすぎることを心配する。
◆2年間の延長では足りないかもしれない。人材育成等は別のプロジェクトとすることも必要かもしれない。
◆今後の第2約束期間以降の同様のあり方の国際的議論にいかに貢献するかについて、明確な指向性をもって研究を進めていただきたい。
◆同じ国立環境研究所内における統合モデル化の試み(IRー3)との連携協力が見えない。モデルの予測結果の精度、確実度という点で、AIMでは今後どの程度の改善が必要なのか、どの程度の改善が見込めるのかということに関し、今後明らかにして欲しい。
◆今後2年間の計画については、やや総花的である。本プロジェクトとしてはIPCCの第4次報告書対応として、第2約束期間以降の温暖化政策分析(特に途上国の温暖化政策と持続可能な開発との関係)とその国際比較について、ある程度焦点を絞るべきではないか。

地球環境研究総合推進費 中間評価(3年度目、延長の可否の評価) 評価結果
実施期間
課  題
課題代表者
(H13時点)
総合評価
今後の研究体制
今後の研究目標の設定
ヒアリング時の説明の仕方
高く評価できる
サブテーマ番号
低い評価となる
サブテーマ番号
※ア~ウの区分については総括表を参照のこと
1
2
3
1
2
3
H12一般
(12~14)
*中間評価*
(2回目、2年間の延長評価)
C-3 東アジアにおける民生用燃料からの酸性雨原因物質排出対策技術の開発と様々な環境への影響評価とその手法に関する研究 環境省国立環境研究所
(畠山 史郎)
A
(2)
 
 
 
 
 
(研究概要)
 中国における深刻な大気汚染や酸性雨被害を防止するためには、低品位石炭をクリーン化する技術が必要である。石炭クリーン化による脱硫及び脱塵対策は、酸性雨原因物質の排出抑制、SO2排出総量規制等の環境政策支援並びに住民の健康保護の観点から最も重要な課題であり、早急な対応が迫られている。石炭クリーン化技術の中でも比較的低コストで実現可能なバイオブリケット技術および乾式選炭技術は開発途上国向けの環境調和型の石炭利用技術として重要視されている。現在、中国側から乾式選炭の実用化研究について強い要請がある。また、これまでの研究で、中国への応用可能性が明らかとなったバイオブリケット技術の普及促進を図ることが今後の急務である。本研究では乾式選炭技術の実用化・適正化と、住民の健康状態の改善や経済性の評価からバイオブリケット技術の普及促進・啓発を行って、中国における石炭利用からの酸性雨原因物質の排出削減をはかることを目的とする。
評価コメント
※①多様な評価コメントの中に、被評価者による今後の研究にとって有益な情報が含まれているであろうこと、②今後研究成果を科学や社会へ積極的に還元していく上で、研究に対する外からの見方や受け止め方の多様性を、被評価者に理解していただくことが有用であろうことを勘案し、右の評価ランクの結果と整合的でないコメントが含まれる場合もあることを承知の上で、各評価者からの多様なコメントを可能な範囲で列挙した。
 研究課題代表者は、評価ランクを評価者全体の評価結果として捉えた上で、全ての評価コメントの反映を目指すのではなく、各コメントの中で、今後活かすべき重要な指摘や示唆が何かを吟味・判断の上、今後の研究計画の見直し等に活用して欲しい。

◆バイオブリケットの技術そのものが優れているのに加え、使用後においてもそのバイオブリケット燃焼炭が有効利用できるなど、大変優れた研究となっている。マネジメント、研究体制もよく、サブ課題の追加(BDF)もよい提案であると思われる。
◆重要課題として評価できる。
◆研究開発に当たっては、産業界(民間企業等の研究機関)の研究への参画等、産学官の連携を意識して欲しい。
◆バイオブリケットの効用を多面的に実証する計画は評価できる。ODA策定のための有用な基礎情報が期待できる。
◆今研究を中止すべきではない。バイオブリケットの脱硫効率について平均75%であるとのことだったが、これを上げる試みをして欲しい。効率向上の試験研究を加えるか、少なくとも文献調査を行って、その結果を示してほしい。
◆各サブ課題は重要なものであるため、延長して推進すべきと考える。ただし、ブリケット利用の促進のための「酸性雨の材料に対する暴露実験」は本プロジェクトに直接に関与するものではないと思われるため、これを最小限に止め、重点課題をさらに推進されたい。
◆大気汚染を軽減する技術を開発し、その技術を利用した社会普及と効果まで含めて全体を視野に入れた研究として評価できる。具体的な研究内容で一部、全体の研究推進との整合性がやや弱い部分がある。
◆バイオブリケットの普及と燃焼炭に伴う有効物質の対策を十分に講ずる必要がある。
◆北京市では、マメ炭の使用が公には禁止されているので、重慶や鞍山など地方大都市において、過渡的燃料として使用が継続されるためには、健康影響が心配ないことが明らかにされることが大前提となり、これを前提として、対策技術が考えられるべきものと考えられる。
◆焼却炉利用の安全性について、配慮が必要と思われる。
◆中国全体への普及には困難があると思うので、その方策をどのように考えるか、我が国のODAを本当に活用しなくてはならないのか、疑問がないではない。
◆バイオディーゼルのサブ課題を今の段階で加えるのが適切かどうか。FSとして別テーマとしても良いのではないか。