研究代表者名 環境庁国立環境研究所 笹野 泰弘
研究概要
本研究は、衛星利用大気遠隔計測データの利用有効性について実証することを目的としている。このため、環境庁が開発している太陽掩蔽法大気センサーによる温暖化関連物質などの測定・データ導出手法を改良することによって、ILAS-II及び後継センサーから得られるデータの解析手法的側面とデータの質的側面で、世界的水準を維持するための研究を行う。また、これに必要な気体分光パラメータの実験的決定を行う。また、衛星搭載ライダーによる雲・エアロゾル(以下、雲等)の3次元観測データの利用について、衛星搭載ライダーの計測データから雲等の分布情報や光学的特性を導出するためのアルゴリズムを確立するとともに、衛星搭載ライダーによる雲等の観測データを気候モデルへ導入するための手法を確立する。また、有効なデータ利用のための衛星ライダーの運用および観測データの処理システムの概念を確立する。さらに、ILAS、ILAS-II等で得られる観測データを利用した研究を推進するために、観測データの品質評価とこれらのデータを活用した高層大気環境の解析に関する研究等を実施する。
課題全体の総合評価
- 「オゾン層の破壊」分野における中心的な課題であり、衛星観測という新しい手法、難しい問題にチャレンジし、着実に研究を進めている。国際的にも高いレベルの研究であり、全体として本研究は優れた研究であると評価できる。
その他
- 継続的に地球環境の監視をするための衛星のメンテナンスと、そのデータを用いた研究とをどううまく組み合わせるかについては難しい課題である。
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