この小冊子は、本年5月24日に閣議決定の上で公表された平成14年版環境白書をもとに、その内容をわかりやすくかいつまみ、多くの人々に親しんでいただけるよう編集し直したものです。
 本年のテーマは、「動き始めた持続可能な社会づくり」です。社会全体の構造改革に取り組む今こそ、持続可能な社会経済システムへと変革するよい機会としてとらえ、さまざまな主体の具体的な取組や対策とその背景にある新しい考え方を示しています。
 白書ではまず、社会経済システムと自然環境の2つの健全な循環が必要であること、経済成長を上回る環境効率性の実現が必要であることを示し、現在、市民や企業が積極的に進めているさまざまな取組や、政府における新たな対応について紹介しています。次いで、将来の環境制約及びさらなる環境対策の可能性を考え、今日の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システムの見直しを視野に入れた対策を早急に講じる必要性があること、また、そうした対策は経済上長期的にはプラスになり得るとともに、わが国の国際社会に対する貢献策ともなり得ることを明らかにしています。
 この小冊子を通じて、読者の皆様一人ひとりが環境問題について関心を高められ、百年先を見通した活力ある持続可能な社会への具体的な行動の参考となれば、これに過ぎる喜びはありません。

 

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