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環境白書の刊行にあたって

国務大臣 環境庁長官
堀内 俊夫
 昭和63年の環境白書をここに公表いたします。今年の白書では、「地球環境の保全に向けての我が国の貢献」に焦点をあてています。
 戦後、世界の経済社会活動の規模は飛躍的に増大し、世界の人口は、昨年50億人を超えました。この反面、化石燃料の燃焼等による地球の温暖化のおそれ、フロンガスによるオゾン層の破壊、熱帯林、野生生物の種の減少、砂漠化の進行等の地球環境問題が注目されるようになってきています。
 これらは、いずれも私どもを含め人類の生存そのものにかかわってくる大変重要な問題といえます。そして、世界経済の一割以上を占める経済大国となった我が国は、地球環境とのかかわりも大きく、地球の未来に対する責任も大きいと申せましょう。
 そこで、この白書では、広範多岐にわたる地球環境問題について、近年におけるその動向と背景について分析し、我が国の地球環境保全に向けての国際的貢献のあり方を明らかにするとともに、我が国の国内の環境問題についても新たな環境政策の展開の方向を述べております。
 本白書が、国民の皆様の御理解を深め、ひては健全で恵み豊かな環境を将来に引き継いていくための一助となれば幸いであります。
昭和63年5月

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