3 海洋汚染対策
(1) 未然防止対策
「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」(海防法)に基づき、環境庁において、ばら積み輸送される未査定液体物質の査定等を行う。
また、「1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書」附属書?(船舶からの廃物による汚染の防止のための規則)が昭和63年12月31日から国際的に実施されることに伴い、関係政令の整備等その規制を円滑に実施するための諸施策を講じる。
(2) 海洋汚染の監視測定等
環境庁においては、日本周辺を流れる海流を横断する日本沿岸からの測定線及び船舶主要航路に沿った測定線計7測線を設け、それらの測定線上の測定点等において一般の海洋観測項目のほか、海水中の重金属濃度等について、深層に及ぶ日本近海海洋汚染実態調査を行う。
海上保安庁においては、海上公害関係の要員の充実、分析資器材の整備等により監視取締体制の充実を図る。また、昭和57年に採択された「海洋法に関する国際連合条約」には200海里排他的経済水域における沿岸国の海洋汚染に関する取締権限の設定等が規定されており、こうした新海洋秩序へ対応し、広域的な監視取締体制の一層の強化を図るため、継続分を含め巡視船艇等10隻、航空機7機を整備する。
一方、我が国周辺海域や主要湾において、海洋汚染調査を実施するほか、海防法に定める排出海域(A海域)に投棄された廃棄物の拡散状態を把握するため、深海底層流観測等を実施する。
さらに、昨年に引き続き、溶存性海洋汚染物質の同時多成分識別手法の開発に関する研究を行う。
気象庁においては、日本周辺及び西太平洋海域における海洋バックグラウンド汚染観測を行う。
(3) 排出油等防除体制の整備
海上保安庁においては、海上における油等排出事故に対処するため、防除資機材を整備するほか、海上災害防止センター、流出油災害対策協議会等の指導・育成を図るとともに、官民合同の大量の油等の排出事故対策訓練を実施する。