3 空港周辺対策
発生源対策を実施してもなお航空機騒音の影響が及ぶ地域については、「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」等に基づき周辺対策を行っている。同法に基づく対策が実施される特定飛行場としては、東京国際、大阪国際、福岡等16空港が指定されており、これらの空港周辺において、学校、病院、住宅等の防音工事及び共同利用施設整備の助成、建物の移転補償、緩衝緑地帯の整備、テレビ受信障害に対する受信料減額のための助成等が行われている(第4-4-3表)。
なお、大阪国際及び福岡空港は、同法に基づき周辺整備空港として指定され、関係府県知事が策定する空港周辺整備計画に基づき、国及び関係地方公共団体の共同出資で設立された空港周辺整備機構が上記施策に加えて再開発、代替地造成、共同住宅の各事業を実施している。
運輸省においてこれら施策に係る事業量の拡大及び事業内容の充実に努めてきた結果、住宅防音工事は、60年度に概ね完了し、「航空機騒音に係る環境基準」の改善目標に定める屋内環境が保持されることとなった。
一方、移転跡地を活用し、空港と周辺地域の調和ある発展を図る見地から、次の施策を講じている。?大阪国際空港周辺においては、周辺地域の低騒音化を踏まえ、騒音区域のうち第二種及び第三種区域を縮小することとし(64年3月31日実施、62年1月5日告示)、大阪府域の航空機騒音の特に激甚な地域における大規模緑地の整備についても62年2月に都市計画決定がなされ、これらを踏まえて、具体的な地域整備計画の策定に向け調整が進んでいる。?緩衝緑地帯開発事業を61年度より従来の函館、仙台、大阪国際、福岡に加え、松山、高知、宮崎空港においても開始した。?大阪国際及び福岡空港においては、地方公共団体が移転跡地等を利用して公園等を整備する周辺環境基盤施設整備事業について国が助成を行うとともに、61年度より空港周辺整備機構が移転跡地の一時使用許可を受け、荷さばき場等の騒音斉合施設を設置する新しい形の再開発事業を開始した。
また、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」に基づき、新東京国際空港では、空港と調和のとれた周辺土地利用について、57年千葉県知事により航空機騒音対策基本方針が決定され、これに基づき航空機騒音障害防止地区等に関する都市計画の策定が進められている。