1 農薬汚染の現況

　戦後の農薬使用の増加に伴い、BHC,DDT、ディルドリンに代表される有機塩素系農薬や有機水銀剤による食物及び環境の汚染が社会問題化したが、昭和46年以降「農薬取締法」等による使用規制の強化及び科学技術の進展による毒性の低い農薬の開発により、そのような毒性及び残留性の高い農薬は、その種類も生産量も著しく減少してきた。
　現在使用されている農薬については、一般に残留性が小さく、環境汚染防止の見地から必要に応じ厳しい規制措置を講じてきたこと等により、特に大きな問題は生じていない。しかし、生物活性を有する物質を環境中で使用するものであり、今後とも、人体や環境に悪影響を及ぼすことのないよう、適正に安全性を評価していくことが必要である。