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第4節 

3 空港周辺対策

 発生源対策を実施してもなお航空機騒音の影響が及ぶ地域については、「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」等に基づき周辺対策を行っている。同法に基づく対策が実施される特定飛行場としては、東京国際、大阪国際、福岡等16空港が指定されており、これらの空港周辺において、空港設置者である運輸大臣は、学校、病院、住宅等の防音工事及び共同利用施設整備の助成、建物の移転補償、緩衝緑地帯の整備等を行っている(第4-4-3表)。
 なお、運輸省ではこれら施策に係る事業量の拡大及び事業内容の充実に努めており、なかでもこれまでの事業の大半を占めてきた住宅防音工事については、60年度中におおむね完了し、「航空機騒音に係る環境基準」の改善目標に定める屋内環境は保持されることとなった。
 また、特定飛行場のうち周辺地域が市街化されているため計画的整備を促進する必要があると認められる大阪国際及び福岡空港については、周辺整備空港として指定し、関係府県知事が策定する空港周辺整備計画に基づき、国及び関係地方公共団体の共同出資で設立された大阪国際空港周辺整備機構及び福岡空港周辺整備機構が再開発事業、代替地造成事業、移転補償、緩衝緑地帯整備等の事業を実施してきたが、事業の一層の進展を図るため、60年9月30日両機構は統合され、新たに空港周辺整備機構が発足した。
 さらに、大阪国際空港周辺においては、空港周辺整備計画を基礎として、具体的な地域整備計画を策定するとともに、大阪府域については、航空機騒音の特に激甚な地域において都市計画手法を活用した一体的な緑地の整備を実施することとして調整を進めている。このほか関係地方公共団体が移転跡地等を利用して、公園、広場等の周辺環境基盤施設を整備する場合にその費用の一部を補助している。
 なお、東京国際、大阪国際、福岡等7空港周辺で、テレビ受信障害に対する受信料の減額のための助成等を行っている。
 また、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」に基づき、新東京国際空港では、空港と一体的な調和のある地域環境を形成するための周辺土地利用について、57年千葉県知事により航空機騒音対策基本方針が決定され、これに基づき航空機騒音障害防止地区等に関する都市計画の策定が進められている。

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