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第5節 

4 フロンガス問題について

(1) エアゾール製品、冷媒等として利用されているフロン11,12を中心としたフロンガスは化学的に極めて安定な物質であるため、環境中に放出された場合、分解されずに成層圏に達してオゾン層の減少等を引き起こし、その結果、地表面に達する紫外線の増大により、皮膚がんの増加、気候の変化等をもたらす可能性があることが指摘されている。
 この問題については、いまだ科学的な見解が十分には行われていない部分があるが、その反面、オゾン層の減少が現実に起った場合に、その影響は全地球的規模に及ぶ重大なものであり、影響の未然防止の観点から早期に対策に取り組む必要性が指摘されている。このため、国連環境計画(UNEP)、世界気象機関(WMO)等の国際機関でも検討が進められており、特に、UNEPでは60年3月に「オゾン層保護基本協定」が採択されるとともに、具体的にフロンガス規制を盛り込んだ議定書についても採択に向けて検討が続けられている。
(2) 我が国においては以上のところを認識しつつ、各種国際機関における調査研究の推進に協力するとともに、同条約に基づく国際的活動に適切に対処していくことが求められている。

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