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第5節 

4 海外との環境保全に関する協力

 我が国は、日米合同企画調整委員会の開催や日独環境保護技術パネルの開催など環境保全分野における二国間の協力を積極的に推進している。
 ここでは、我が国と中国との環境行政交流をみていくこととする。
 中国は、近年「四つの現代化」を目指し、急速に工業化及び地域開発等を行っているが、この過程で公害問題が生じ、中国政府はこれに対応すべく現在環境行政組織を整備拡充する等環境保全対策を強化しつつある。
 その一貫として、59年9月に環境庁に対して代表団の派遣の要請があったものである。これに応じ、環境庁は60年5月に代表団を派遣し、中国国家環境保護局との間で、環境問題の現状や大気保全対策、水質保全対策、自然保護対策等について意見交換を行った。また、日中両国にのみ生息し、絶滅の危機に瀕している国際保護鳥トキの保護増殖を日中共同で行うことが基本的に意見の一致をみ、これに基づき、60年10月北京動物園のトキ1羽が我が国に貸与された。
 今後については、両国間の会議の定期的な開催、人的交流、人材育成についての努力、研究分野での協力、民間ベースでの交流の促進等を進めていくこととしている。

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