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第1節 環境測定分析の精度向上

 環境汚染現象の実態把握及び調査研究の基礎となる各種の測定分析は、業務量が最近多くなり、その測定分析値についての信頼性の確保と精度の向上は極めて重要な課題である。
 このため各種測定分析業務の的確な推進に資するため、測定分析技術の進歩等に対し、測定分析技術の向上、測定分析業務の管理方策などの基本的な問題点について学識経験者等の協力を得て、総合的な検討を行うとともに、次の調査等を実施した。
(1) 環境測定分析統一精度管理調査
 この調査は、各種分析手法の特性、相互点検(クロスチェック)の有効性等を総合的に調査分析することにより、環境測定分析の精度向上及び信頼性の確保のために構ずべき施策の一環として、前年度に引き続き実施した。
 59年度は地方公共団体の公害関係分析試験研究機関及び民間分析機関等を調査対象とし、汚泥(海底質)中の亜鉛、カドミウム、鉛、ニッケル、クロム、水銀、ヒ素及びポリ塩化ビフェニル(PCB)の8項目について実施した。
(2) 環境測定分析マニュアル
 環境測定分析の業務は、地方公共団体の分析機関をはじめ、多数の民間分析機関で行われるが、これらの機関における分析業務の一層的確な運営が図られるように、分析機器・試料・薬品等の管理の適正化、対象・目的に応じた分析方法の選択、分析結果の処理、評価方法等分析に関する一連の業務を網らする参考資料を整備してきたところであるが、今年度は、学識経験者の協力を得て、日本工業規格(JIS)の改正、未規制物質の分析技術の進歩等に伴う改定作業を進めた。

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