3 公害防止計画の実施の推進等
(1) 公害防止計画事業の実施
公害防止計画に基づき地方公共団体等は、公害の防止に関する施策を総合的に講じており、その実施状況は第1-3-4表のとおりであり、59年度における公害対策事業の事業費は19,859億円、公害関連事業の事業費は5,134億円であり、合計24,993億円である。
(2) 公害防止対策事業に対する財政上の特別措置
公害の防止に関する施策の一層の推進を図るため、公害防止計画に基づき地方公共団体等が実施する公害防止対策事業(「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」≪以下本節において「公害防止財特法」という≫第2条第3項に規定する公害防止対策事業をいう。)については、公害防止財特法第3条、第4条及び第5条に基づき国の負担又は補助の割合の嵩上げ、地方債の適債事業の拡大、地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入等、国の財政上の特別措置が講じられた。
過去5年間の国の公害防止対策事業の事業費及び負担又は補助の嵩上げ額をみると第1-3-5表のとおりであり、59年度の嵩上げ額は256億円となっている。
(3) 公害防止計画策定地域における主要環境質の状況
公害防止計画に基づく各種施策の推進等により、公害防止計画策定地域における主要な環境質は次のような状況にある。
ア 大気質
二酸化硫黄について、環境基準の長期的評価による達成測定局数の割合(達成測定局数/有効測定局数)は、58年度では99.7%となっている。
二酸化窒素について、環境基準(1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内またはそれ以下)との対応状況からみると、第1-3-6表のとおりであり、58年度では環境基準ゾーンの上限である0.06ppmを超えた測定局は、全有効測定局の2%となっている。
浮遊粒子状物質について、環境基準の長期的評価による達成状況は第1-3-7表のとおりであり、58年度の達成測定局数の割合は56%となっている。
光化学オキシダントについては、57年度では環境基準(1時間値が0.06ppm以下)を達成した測定局は700局中21局となっている。また、注意報発令基準濃度(1時間値0.12ppm)以上の濃度を観測した測定局は、700局中254局となっている。
イ 水質
河川、湖沼及び海域について、BOD又はCODの環境基準達成状況(達成水域数/全水域数)は第1-3-8表のとおりであり、58年度においては、河川(BOD)について55%、湖沼(COD)について24%、海域について79%となっている。
(4) 自治大臣指定に係る公害防止対策事業の実施
公害防止計画策定地域以外の地域において地方公共団体が実施したしゅんせつ、農用地土壌汚染対策等の公害防止対策事業のうち、自治大臣が主務大臣及び環境庁長官と協議の上、指定したものについては、公害防止財特法第3条により、公害防止計画に基づく公害防止対策事業と同様の財政上の特別措置が講じられた。
過去5年間に指定された公害対策事業は第1-3-9表のとおりである。