1 土壌汚染の現況

　特定有害物質による農用地の土壌汚染の実態を把握するため、昭和46年度からカドミウムについて、47年度から銅について、更に50年度から砒素について、汚染のおそれのある地域を対象に、土壌汚染防止対策細密調査(細密調査)を実施している。
　57年度においては、カドミウムに係る調査を12都府県19地域、2,065ヘクタールについて、銅に係る調査を3府県3地域、76ヘクタールについて、また、砒素にかかわる調査を2府県2地域、75ヘクタールについて実施した(この調査は、国庫補助事業に準じて、都道府県単独事業としても実施されている。)。
　このうち対策地域の指定要件としての基準値以上のものが検出された地域は、カドミウム7地域(うち1地域は新規地域)、銅1地域であった。
　なお、58年度は、6府県9地域で細密調査(国庫補助事業分)を実施した。
　この他、重金属類による農用地の土壌汚染の全般的な状況を把握するため、前年度に引き続き、定点において「土壌環境基礎調査」を実施している。
　また、土壌汚染防止対策に資するため、農用地の土壌が汚染されている地域又は汚染のおそれが著しいと認められる地域において、現地改善対策試験ほ場を設置し、客土、土壌改良等の効果について調査試験を実施している。