5 公害防止事業費の事業者負担

　「公害対策基本法」第22条は、公害対策推進の見地から、事業者はその活動による公害を防止するために国又は地方公共団体が実施する事業について、当該事業に要する費用の全部又は一部を負担するものとしている。これを受けて、45年12月25日に「公害防止事業費事業者負担法」が制定され、46年5月10日から施行されている。
　本法は、国又は地方公共団体が、しゅんせつ事業、汚染農用地の客土事業、緩衝緑地造成事業等の公害防止事業を実施する場合に、当該公害防止事業に係る公害について、事業者の事業活動が原因となると認められる程度に応じて、事業者に当該公害防止事業費の全部又は一部を負担させることを定めたものである。
　58年12月末現在で、環境庁が報告を受けたところによると、法施行以降これまでに「公害防止事業費事業者負担法」を適用して公害防止事業を実施したものは63件であり、公害防止事業費の合計は約1,610億円、事業者負担額の合計は約831億円、平均負担割合は51.6%となっている(第1-1-2表)。
　なお、58年の「公害防止事業費事業者負担法」の適用事例は、第1-1-3表のとおりである。