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第1節 

2 下部グループ活動

(1) 経済専門家グループ
 本グループは、環境問題の経済的側面を検討するグループであり、55年から、予見的環境政策の具体化のため、中・長期的な経済活動と環境政策の関連や環境政策の便益を分析する新しいプロジェクトを開始している。これらのプロジェクトでは、生産活動と汚染負荷、環境規制と生産性等の関係、さらに環境政策の技術革新効果などに着目した幅広いアプローチがとられている。また、汚染者負担原則の実施状況の検討等の活動を継続して行っている。
(2) エネルギーと環境グループ
 本グループは、国際エネルギー機関(IEA)と共同して2000年までのエネルギー見通しの環境上の影響の検討を行っているほか、原子力機関(NEA)との協力の下に、原子力エネルギー開発に伴う環境問題、特に放射性廃棄物の最終処分に関しても検討を進めている。
 また、石油代替エネルギーの開発に関連し、石炭公害防止技術の経済的側面に関するシンポジウムを57年5月に開催したほか各種エネルギー、システムの環境影響の比較検討スタディを実施している。
(3) 廃棄物管理政策グループ
 本グループでは、加盟国において関心の高まっている有害廃棄物対策について、56年から新たなプロジェクトを開始しており、有害廃棄物の規制に関する検討が行なわれている。
(4) 水管理政策グループ
 本グループは、水管理政策手段をテーマとして取り組んでおり、56年から非特定水質汚濁源対策が検討されている。
(5) 大気管理政策グループ
 本グループは、大気汚染に関する科学的、技術的問題を中心に検討を加え、各国から参考としうる効果的な汚染防止策の樹立を目指している。57年度には、窒素酸化物、炭化水素及びその関連物質プロジェクトにおいて揮発性有機物質の排出対策のとりまとめ及びオキシダント対策の検討を行い、さらに大気中の有害物質対策の検討を継続して行った。
(6) 化学品グループ
 52年12月に開始された化学品テストプログラムにおいては、化学品の影響を調査する際の技術面での調整を目的とした専門家グループが設けられ、我が国もこれに積極的に参加した。このプログラムでは、56年以降、OECDテストガイドラインの改定等及び危険性評価に係るプロジェクトを実施してきた。
 化学品規制特別プログラム(関心国のみ参加)においては、試験データの質の確保及び試験データの相互受理等を行うにあたっての技術的事項(GLPの実施、データの守秘性等)を検討してきている。57年11月に開催された第2回化学品グループハイレベル会合においては、これらの検討成果を踏まえデータの相互受理の円滑な実施等のため各種作業を継続することが合意された。
 化学品グループにおいては、その他、既存化学品対策、化学品規制の経済と貿易に与える影響の検討等が行われている。
(7) 環境の状況グループ
 環境統計や指標の発展、その利用の改善、加盟各国の環境の状況についての報告書の作成に資するための、54年10月には「環境の状況」グループが新規に発足した。
 このグループでは、水、大気等各分野について加盟各国の環境情報を収集するための作業が開始され、我が国も大気質のモニタリングの経験等を踏まえ積極的に協力している。

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