1 多国間及び二国間協力の推進
(1) OECDにおける活動
54年5月に開催された第2回の閣僚レベル環境委員会の「予見的環境政策に関する宣言」を踏まえ、OECD環境委員会では「環境と経済」、「エネルギーと環境」、「化学品と環境」及び「環境の状況報告」を重点分野とする事業プログラムが推進されている。
また、56年12月の第30回環境委員会においては、今後、地球的資源・環境問題を具体的事業プログラムに取り込んでいく方向が確認された。
57年度においては、我が国としても、このような方向付けの下で積極的に活動に参画し、もって環境行政の一層の充実に努めていくこととしている。
(2) 国連における活動
国連環境計画(UNEP)は、設置後10年目を迎えて、その活動も軌道に乗り、国際的な協力を得て数多くのプログラムを積極的に推進している。我が国は、環境の分野で数多くの経験と豊富な知見を有しており、このUNEPの活動においては、理事国となるなど、国際社会の一員として積極的に貢献してきた。
今後とも「国際環境情報源照会制度」(INFOTERRA)、「ストックホルム会議後の10年の環境の現況」等のプロジェクトの推進に積極的に寄与するとともに、環境保護法制の充実のための行動計画等への参加を図るなど、ESCAP地域で行われるプロジェクトの実施を通じて、これら地域との協力関係も一層深めていくこととしている。
特に57年はUNEPの設置等が決議されたストックホルム国連人間環境会議を記念する管理理事会特別会合の開催が予定されており、世界的に環境問題への関心を再び高めるため我が国としても積極的に参加して、これからの世界の環境目標の設定と国際協力に向けて努力することとしている。
(3) 条約等
「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(海洋投棄規制条約)、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(ラムサール条約)及び「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)については、いずれも55年中に批准し、国内体制の整備等を進め、条約の履行に努めているところである。
(4) 二国間協力
日米環境保護協力協定に基づく協力に関しては、第6回合同企画調整委員会を日本で開催するほか、同協定に基づく14のプロジェクトについて、情報交換等を引き続き推進する。
また、日独科学技術協力協定に基づく環境保護技術パネルに関しては排水処理技術等の10テーマに取り組むこととしている。