1 都市における自然環境の保全

(1)　国民公園及び墓地
　皇居外苑においては、引き続き、樹木の補植、芝生の張り替え、土壌改良を行うほか、濠水門の改修等を行うとともに、北の丸地区の樹木の移植、芝生地の土壌改良、排水管敷設等を行う。
　新宿御苑においては、樹木の補植、芝生の張り替え、土壌改良を行うほか、四阿の新築復元、身体障害者便所の新築、菊上家の新造等を、京都御苑においては、引き続き門の改修、苑地整備等を、千鳥ヶ淵戦没者墓苑においては、納骨つぼ棚の設置等のほか、引き続き樹木整備等を行うなど国民公園及び墓地の保全等に努める。
(2)　緑のマスタープランの策定
　「緑のマスタープラン」の策定の推進を図るとともに、これに基づき都市における緑地に関する規制、誘導、整備等の諸施策を積極的に講ずる。
(3)　都市公園
　第3次都市公園等整備5箇年計画の初年度として56年度は次の事項に重点を置き、都市公園整備事業の積極的推進を図る。
?　大震火災時において避難地、避難路として機能する都市公園(防災公園)の緊急かつ計画的な整備
?　国民のスポーツ需要等に対処するための都市公園等の整備
?　住宅建設、宅地開発に伴う都市公園の整備
?　市街地再開発事業等にあわせて行う都市公園の整備
?　地域のコミュニティの醸成・文化の振興等を図るための都市公園の整備
?　国営公園の整備の推進
?　都市計画区域外の一定の町村における生活環境の改善を図るための公園(特定地区公園)の整備の推進
　以上の整備に要する経費を含め、56年度には国費850億260万円(事業費1,924億4,000万円)を計上している。
(4)　緑地保全地区
　56年度は、各都市において、その自然条件等を勘案して、地域の特性を生かして策定する緑のマスタープランに基づいて「都市緑地保全法」による緑地保全地区の指定を積極的に進めるとともに、近郊緑地特別保全地区を除いた緑地保全地区については国費3億9,500万円(事業費11億8,500万円)をもって土地の買上げを行う。
(5)　近郊緑地特別保全地区
　首都圏及び近畿圏の近郊緑地保全区域のうち特に保全を図るべき枢要な他区について、近郊緑地、特別保全地区としての指定を積極的に進めるとともに国費3億9,000万円(事業費5億8,500万円)をもって同地区内の土地の買上げを行う。
(6)　風致地区
　都市の風致を維持するため、56年度においても「都市計画法」に基づき、風致地区の指定を積極的に進める。
(7)　生産緑地地区
　良好な都市環境の形成を図るため、市街化区域内の農地等の保全を図ることとし、「生産緑地法」に基づき56年度においても生産緑地地区の指定を積極的に進める。
(8)　都市緑化の普及啓もう
　都市の緑化を推進するため、都市緑化月間(10月1日〜31日)において積極的に普及啓もうに努めるとともに、みどりの相談所(都市緑化植物園)の整備を推進する。
　また、都市の約5割を占める民有地の緑化を推進するための財源のひとつとして56年4月に設立された(財)都市緑化基金が行う都市緑化推進事業に対し国費580万円の補助を行う。